見出し画像

3年ぶりのクアラルンプール Day3①

2023/11/XX(Day3①)

本日のミッション=靴下を買うこと

新見南吉の「手袋を買いに」はちょっと切ない話だった気がするが、本日のわたしのミッションは切なさなど微塵もなく「薄手の靴下を買いに」だ。日本からはいてきた冬物の靴下は洗ってあるがここでは履きたくない。サンダルなら素足でいいのだが、今日は雨模様のためゴアテックスのスニーカーを履きたい。
あと通常のミッションで、明日着るボトムスを買うというのもある。余裕があればビタミンDオイルもほしい。これは結構忙しくなりそうな予感。

さて、今日もカヤトーストとコーヒーから始めよう。

タマゴは1個でもいいのだが、2個が定番

朝食を摂りながら一日のざっくりした計画を立てた。昼間はまたBukitBintangで買い物しつつぶらぶらし、夜はツインタワーを見に行くことにした。ツインタワーの美しさを思い出すだけでわくわくする。この街の魅力はたくさんあるが、わたし的見るもの部門の1位はツインタワーだ。2位以降は他の人には理解しづらいものが並んでいる。

昔はマッサージ天国だった

ローカル色が強いショッピングモールのSungeiWangとTimesSquareで過ごすのがお気に入りだ。TimesSquareは稼働率が65%程度でSungeiWangはもっと低いんじゃないかと思うくらいなのだが、地元に愛される老舗ショッピングモールだ。

地元女子が着る激安服をここで買い、美容室でシャンプー&セットをしてもらい、気が向いたらマッサージをしてもらい、その最中にネイルもやらないかと100回くらい言われるのを断る、というのがあるあるコースなのだが、今回はあまりマッサージの気分ではなかった。しかも流行り病のせいかマッサージ店がだいぶ減った気がした。マッサージとネイルをやっているお店はそれなりに残っていたが、ベテランマッサージ師がやっているようなお店は少なくなったようだ。

前々回だったか、TimesSquareで神の手を持つおばちゃんマッサージ師のお店に出会った。超ソフトタッチなのだが、マッサージが終わると視野は広く明るくなり、身体の疲れはすっかり取れ、胃腸も元気に動き出した。1日おきくらいに通おうと思い、お店を出るとその場で番地をメモしておいた。
そして2日後、メモと記憶を頼りにそのお店に向かった。

なんとお店はなかった。

向かいの服屋は記憶どおりなのに、件のマッサージ店はない。ない、というかマッサージ店ではなく服屋になっている。2日で退去して新しい店が入ったということか、そんなことあるのか。いや、番地を間違えたのだろうと思って各階の同じ番地を巡ったがやはりない。繁盛していて常連さんが多い店だったのにいったいどういうことだったのだろう。
それ以来、マッサージに対するテンションは低くなった。
ちなみに、こういうことはたまに起こる。記憶や記録があるのに絶対に見つけられなかったり辻褄が合わないことがある。ムー的な出来事なのか自分がボケているのか。

ローカル化して街になじむ

女性のひとり旅なので特に安全には気をつけたいし、行く場所によっては観光客相手の客引き的なものもめんどくさいので、なるべく地元の中華系性格強めマダムに見えるように心がけている。歩き方、食べ方、身に着けるもの、お金の払い方、目線、髪型やメイクをちょっと変えるとなかなかいいかんじになる。
ベンチマークは中華系のお店で中国語で話しかけられることと、インド系のお店で「コンニチハ」と言われないことだ。インド系のおっさんの見る目はけっこう厳しい気がするのだ。

そしてこの日は明日着るボトムスを買いに中華マダムのデニム屋へ行った。最初から中華マダムは普通語でこの色いいでしょ?なんて言っている。よし、いいかんじだ。しかしわたしは普通語が話せないので英語でこのサイズでいいかなぁ?と相談する。マダムはわたしが地元の中華系ではないと知ると「えーそれは気づけないわー」と笑っていた。今回はなかなか上手に街に溶け込んでいるようだ、よしよし。
さすがにデニムは試着したいが、激安服屋には試着室などない。鏡すらハンガーラックの奥に埋もれている。昨日買ったカーゴパンツの上からデニムを履き、マダムに見せる。マダムはハンガーラックをよけて鏡がちょっと見えるようにしてくれて「最初からこれ似合うと思ったわー、サイズもばっちりやろーええやんええやん」とほめてくれた。RM35.0、安い。ボタンよりボタンホールが小さいという罠はあったが、それでもデザインが超好みだったのでヨシ。帰国してからもヘビロテしている。

ウエストの謎の飾りは外した

翌日、このデニムを履いてお店の前を通った時、マダムと目があったのでデニムを指さしてほほ笑んだ。マダムは親指を立ててくれた。


靴下があるようなないような


素足にスニーカーを履いているので、なるべく早めに靴下を入手したい。まったく売っていないわけではないのだが、微妙な色柄だったり謎素材だったりしてあまり気が進まない。好みの靴下はどこに売っているのだ。

こんなところをウロウロしてるから見つけられない説

靴下が見つけられないまま、おなかがすいてきたので點心を食べて休むことにした。5種類くらい食べたいところだが、ひとり旅ではそうもいかない。それに、ストレスが少ないせいかいつもより量が食べられない。うれしいような寂しいような。

腸粉が大好きだ


中で働くか外から眺めるか

靴下を探しながらKLCCまで歩き、人やモノを眺め紀伊国屋で長い時間を過ごしているうちに日が暮れた。
何度見ても感動が薄れることはないツインタワー。昼間の姿も美しいが夜の姿は格別だ。未来感がすごい。

うっとりするしかない
エントランスのキラキラ具合ときたらもう

ここで働いてみたいと思いつつ、インフラやビルメンテがそんなに信用できないし、ハザマ施工じゃない方だったらそもそも不安だし、なにより中にいたらタワー自体が見えないじゃないか、ということで向かいのビルで働くことが大正解なのだという結論に達してはいる。
でもまた次に来た時も同じことを考えるんだろうなとも思う。

21:00を過ぎて靴下発見


あと1時間でショッピングモールが閉店するという頃、SoxWorldというお店で3足セットのピエールカルダンの靴下を発見した。ショッキングピンク、スカイブルー、ネイビーの3色セットだ。色は使いづらそうだが1足ずつ見るとカルダンのロゴと合っていてかわいい。しかも今買ってももうホテルに戻るだけだ、どうせ履かないんだ。じゃあなぜ買うんだということは置いておいて、とにかくミッションコンプリート。

かわいいが合わせづらそうだ


満足してホテルに戻り、あとは眠るだけだ。しかし今日はこれで終わらなかった。(つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?