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川のうえに川があるってよ・・・?   ~信濃川の治水と立体交差する川の謎~

 新潟市中心部を流れる信濃川ですがその源流は長野、山梨、埼玉県境の甲武信ヶ岳(標高2,475m)で長野県では千曲川と呼ばれています。新潟は稲作が盛んで新潟と信濃川には深い歴史がありますが、ここではそこを割愛し、現代の新潟市内の治水の一貫である「やすらぎ堤」と川の上に川が流れる珍しい川、西川と新川について調査しました。

1.やすらぎ堤

 新潟市内は、川や海の水面の高さより土地が低いゼロメートル地帯が広がっており、洪水や津波に対してもともと弱い地域です。


 そこで、防災面はもちろん、人々が集い、憩える街なかのやすらぎの場として、堤防を整備することになりました。この堤防は「やすらぎ堤(てい)」と名づけられ、都市の中の貴重な水辺空間となっています。 

やすらぎ堤は、全国で初めて傾斜をほとんど感じない5割勾配の堤防を採用しました。水際は階段状にしたり、入り江を設けるなど、人が水辺に近づけるような工夫をしています。
 また、これに合わせ、新潟市がサイクリングロード及び緑地を整備し、「水都(みなと)にいがた」のシンボル的な空間づくりを進めています。

出典:国土交通省 北陸地方整備局 信濃川下流河川事務所


イベント
・ミズベリング信濃川やすらぎ堤2017
 「ミズベリング・プロジェクト」とは日本の水辺新しい可能性を創造していくプロジェクト。市民や企業、行政が三位一体となって、水辺とまちが一体となった美しい景観と、新しい賑わいを生み出すムーブメントを起こすもの。
ミズベリング=「水辺+RING(輪)」「水辺+R(リノベーション)+ING(進行形)」の造語

出典https://www.city.niigata.lg.jp/shisei/toshikeikaku/machisai_top/29-mizbering.html

新潟日報記事

やすらぎ堤「ミズベリング」、2017年度から「スノーピーク」運営。飲食店やキャンプ体験など提供へ 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/biyori/odekake/063381.html

ミズベリング2017の様子

・水と土の芸術祭
 水と土の芸術祭」は新潟市内全域にて行われる芸術祭・現代美術展です。
第一回目は2009年、第二回目は2012年に開催され、第三回目が2015年に開催されました。
 水と土の芸術祭は、“私たちはどこから来て、どこへ行くのか ~新潟の水と土から、過去と現在(いま)を見つめ、未来を考える~”を基本理念とし、2009年から3年に1度、新潟市内で開催しています。


2.新川と西川との立体交差

下を流れるのが新川

橋の上を流れるのが西川


                            田澤和馬 撮影

・新川の概要

 かつて新川はなかった。低平地に水が抜けないので排水のために西川の下を掘って水路を通し、内野町の砂丘台地の鞍部(あんぶ 通称:金蔵坂)を掘り割ったのが新川。
新潟への舟運や灌漑用水路として役立っていた西川の機能を損なわないことを条件に、西川の下に底樋(そこひ:水路トンネル)を埋め込み、排水路としての新川が生まれた。

かつては天井川の西川の下を新川がくぐっていたが、今は西川が新川の上を鉄製トラス水路橋でまたいでいる。

                            田澤和馬 撮影

・なぜ立体交差しているのか

 かつて西蒲原一帯は低地で、大潟周辺も度々水害に悩まされていた。そこで水路を掘って大潟の水を海に流そうと計画した。しかし、その経路には西川が通っており、この西川は当時水運や用水路として重要な役割を果たしていた。そのため、この西川の機能を損ねないようにしながら、新しい用水路を作った結果、新川ができた。

西蒲原一帯は水の出口の少ない湿地帯だった。その中でも比較的大きな川は西川しかなく、しばしば氾濫や水害を起こしていた。そこで新川ができたことによって内陸の水を日本海に流すことができ、水害の減少にも繋がった。


ここでいきなりですが、

新川・西川クーーーーーーーーーーーーイズ!!!!!


新川・西川クロスクイズ
クイズA 新川と西川はなぜ立体交差しているのでしょうか?
クイズB 新川は何のために掘ったのでしょうか?
クイズC 立体交差は何回つくりかえたでしょうか?
クイズD 看板のある現在点の標高はどれくらいでしょうか?





                     答えは現地の看板で確認しよう


3.まとめ

 やすらぎ堤は新潟市を守る堤防です。しかしただの堤防ではなく、寝そべったり、遊んだりできる広場のようなところになっています。春になればきれいな桜並木を見ることもできます。新潟のど真ん中にこんなに緑が広がるところは他にありません。近年はこの土地を有効活用しようと出店や、様々なイベントも開かれています。この記事でやすらぎ堤に対するイメージが変わってくれたら幸いです。
 現地で見るだけでも、不思議な光景で面白いのですが、実は歴史のある立体交差と知ってみると、また感慨深いものがあります。みなさんも、お近くを通りが方ら、ぜひこの「立体交差」を見てきてください。



 


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