マガジンのカバー画像

味噌汁百椀

108
<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから 「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタ…
運営しているクリエイター

記事一覧

第108椀 田んぼの雑草コナギのお味噌汁

初出:2024年7月11日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから 「田んぼの雑草コナギのお味噌汁」田んぼを無農薬で作っていますと、必ず出会うのがコナギと言う雑草です。うちにもわんさか生えてますけども、これが「食べられる」…いや「むしろうまい」と言うのを聞きまして、今のコナギはまだ小さくて柔らかそうなので、初心者には食べやすいかと思って採ってきました。 コナギは、ミズアオイと言う植物とよく似ていまして、ハート型の葉っぱが特徴の水草です。ミズアオイのこ

107椀 飛騨の玉味噌でロール白菜のお味噌汁

初出:2024年2月11日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから https://www.facebook.com/misoshirusoup テーマ:お味噌諸国漫遊 「飛騨の玉味噌でロール白菜のお味噌汁」先日数十年ぶりに飛騨高山へ立ち寄りまして、朝市で玉味噌を購入しました。玉味噌というのは、大豆を蒸して潰して握った団子を吊るして冬中乾燥させます。春にその味噌玉を割り塩と米麹と水を加えて数年熟成させて作る味噌です。これをお味噌汁にしますと豆味噌と

106椀 すんき雑煮

初出:2024年1月11日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:お雑煮 「すんき雑煮」お正月ですのでお雑煮ということで。我が家のお雑煮は以前にも紹介させていただきましたが、昆布と鰹だしの醤油すまし仕立てで、鶏肉、かまぼこ、豆腐、もち菜(小松菜の一種)、角餅を煮たお雑煮です。これに花鰹をたっぷりかけていただきます。そして元旦のお雑煮だけは男衆が作るのが習わしです。実はお雑煮って他の家のものは食べたことがないのですが、人に聞きますとご近所さん

第105椀 中濃の豆味噌で麻婆豆腐鍋

初出:2023年12月9日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:お味噌諸国漫遊 「中濃の豆味噌で麻婆豆腐鍋」江戸時代まで岐阜県は上半分を飛騨、下半分を美濃と言ってましたが、現在も地域区分するのに使っています。そして美濃の真ん中あたりを中濃と呼んでるんですけども、その中濃にある美濃加茂市の味噌醤油屋さんと大変懇意にさせていただいてまして、今回はそのお店の一番人気商品であります「豆味噌」について少し書かせていただきます。 「豆味噌」とは、大

第104椀 たま麩だけのお味噌汁

初出:2023年7月9日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:『◯◯だけのお味噌汁』 第104椀 たま麩だけのお味噌汁 普段は自由なテーマで書かせていただいてますが、久しぶりにお題に沿って投稿してみたいと思います。私ごとですが、地元で万歳保存会に入っております。バンザイではなくマンザイ。そして漫才ではなく万歳。万歳と言いますのは、祝福芸、門付芸の一つで、平安時代にはすでに職能として存在していたと言われている伝統芸能です。戦国時代には矢避

第103椀(?) 味噌川

初出:2023年4月9日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ「お味噌諸国漫遊」第103椀(?) 味噌川昨年より、お味噌「汁」にはこだわらず「お味噌諸国漫遊」として、各地のお味噌に関係するお話を紹介させていただいております。特に今回は味噌でも味噌汁でもありませんが、余興的にお楽しみいただけましたら幸いです 先日、オークションで「味噌切機」を落札しちゃいまして、直接受け渡しのために長野県木祖村の道の駅に向かいました。「味噌切機」と言うのは、い

第102椀 丸子のとろろ汁

初出:2023年1月11日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:お味噌諸国漫遊 「丸子のとろろ汁」 *** あけましておめでとうございます。お味噌「汁」にはこだわらず「お味噌諸国漫遊」として、各地のお味噌文化について隔月でお届けしています。 私の実家では、お正月二日の朝に芋汁(とろろ汁)をご飯にかけていただくのが恒例となっております。山芋(自然薯)をすり、乾椎茸でとった出汁と生卵、醤油で調味して、ふわとろになるまで鉢で空気を含ませな

第101椀 高遠そばのからつゆ

初出:2022年9月7日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:お味噌諸国漫遊 「高遠(たかとう)そばのからつゆ」 毎月記事を書かせていただき100椀を越えたところで、今月から隔月で、お味噌「汁」にはこだわらず「お味噌諸国漫遊」として、各地のお味噌文化について紀行文的に深掘りしてみたいと思います。これからもまた楽しんでいただけましたら幸いです。 「からつゆ」というのは、長野県伊那市高遠町の「高遠そば」のつけ汁のことです。この「高遠そば」と

第100椀 冷奴のお味噌汁

初出:2022年7月15日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:『個性の違う味噌を合わせて作るお味噌汁』 おかげさまで、お味噌汁復活ライターとして足掛け八年、今回で百椀目を数えさせていただきました。数回でネタが尽きるのかと思っておりましたが、こんなに長く続けさせていただけるとは夢にも思っておりませんでした。ご拝読ありがとうございます。 さて、百椀目をどうしたものかと思案しておりましたが、やっぱり豆腐で。今までの記事で百椀中一体何椀に豆腐

第99椀 梅豆腐味噌汁

初出:2022年6月10日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:『雨の日のお味噌汁』 梅雨は梅の実が熟してくる頃、梅仕事の季節ですね。今年もせっせと梅干を漬けます。我が家では現代人には敬遠されそうですが、昔ながらの二割五分(梅の重量の25%)の塩分で漬けています。しょっぱくて食べられるの?と聞かれますが、これが案外大丈夫でして、しかも三年を過ぎてきますと塩角が取れてくるので不思議です。 梅雨時は、蒸し暑い日もあれば、肌寒い日もあり、体調

第98椀 かつ丼に赤だし

初出:2022年5月8日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから 『かつ丼に赤だし』 「赤だしって赤味噌で作ったお味噌汁でしょう」という風に思っている方も多いかと思います。これは正解のようでもあり、間違いでもあります。 実は赤味噌とは原材料や製法にかかわらず、赤い色をした味噌のことを指します。東海地方の人なら、まず味噌カツや味噌煮込みうどんで有名な豆味噌をまず浮かべますが、米味噌でも麦味噌でも色が赤かったら赤味噌なんですね。 赤だしと言うのは豆味

第97椀 のらぼう菜のお味噌汁

初出:2022年4月8日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:春が来た! のお味噌汁 「のらぼう菜のお味噌汁」 春はまだ畑の作物が少ないのですが、取り残したアブラナ科の野菜の蕾がたくさん出てきますね。お味噌汁復活委員会でも菜花の投稿がたくさんです。ワタクシも仲間に入れていただいて、今回は家で種取りしながら毎年作っている「のらぼう菜(のらぼうな)」を摘んでお味噌汁にしてみました。 のらぼう菜は食べる菜花として、東京都西多摩地方、埼玉県飯

第96椀 味噌おでん

初出:2022年3月9日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:伝えたいお味噌汁(番外編) 『美濃の豆味噌とたまり』 しかしこの冬は寒かったですねぇ。今シーズンは薪ストーブを焚きすぎて燃料の薪も心細くなってきました。そんなストーブの上でよく作りましたよ〜、味噌おでん、どて煮、猪鍋などなどなど。煮込み料理にはよく豆味噌を使います。豆味噌は煮込んでも風味が飛ばず、動物性の脂とも相性が良く、まろやかな味わいになります。 今回はお味噌汁から少し

第95椀 大麦味噌スープ

初出:2022年2月8日 <お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから テーマ:寒い日に食べたいのはこのお味噌汁 『大麦味噌スープ』 我が家では味噌麹用に大麦を作っています。大麦を麦ごはんとして食べたり、味噌の原料にするとき、外皮をむいて加工します。 これを精麦と言うんですけど、実は今まで無理やり精米機でやっていました。しかし精麦専用の機械ではないので、今ひとつキレイにできないんですね。 それが今年は請負でやっていただける方にお願い出来まして、念願の精麦