透明マントを作る
近年、光の波長よりも細かな素子を集積化して物質の光学特性を変える「メタマテリアル」が注目されている。メタは「高次」や「超」といった意味があるので、分かりやすく言うと、チョー物質。この技術を利用すると、自然界に存在する物質では実現できない光学特性を持つ物質を作り出すことが可能になる。微小金属片の形状や配列をうまく工夫すると、電磁波に対する誘電率と透磁率を人工的に設計することが可能になる。巧みに調節すれば、光が障害物を避けて透過するように仕向けることもできる。まさに、透明マントを実現できるのである。さらに、メタマテリアルの構造を制御することで、様々な色を作り出せることも可能になり、半永久的に色褪せない彩色を施すこともできるのだ。世界のメタマテリアル市場は、2025年には4000億円に達する見込みで、次の基幹産業になり得る。
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