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量子のトルネードが半導体産業を復活させる

渦巻き状の小さな磁石がある。スキルミオンと呼ばれており、数ナノサイズの渦状構造の磁気モーメントで、トポロジカルな安定性を持つ。トポロジーとは連続的な変形を加えても保たれる性質のこと。スキルミオンは、磁性体に安定して存在し続けることができるのだが、磁性体中のスキルミオンは日本で初めて観察された。現在、メモリデバイスの開発に多くの企業が凌ぎを削っているが、今後ますます情報量が多くなるなかで、2020年には必要となるメモリの記憶容量は35ゼタバイトとされており(ゼタは10の21乗)、今使われているDRAMやMRAMなどでは到底まかないきれない。これを可能にするのが、スキルミオンメモリだ。スキルミオンは数ナノの微小サイズであることから高集積化が可能で、スキルミオンの有り無しは情報の単位(ビット)として利用できる。さらに、数10ピコ秒で、自在に生成・消去でき、消費電力はきわめて小さい。夢のメモリが実現できる。日本発のスキルミオンメモリで、日本の半導体産業を復活させることが可能だ。

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