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俺のブツリ

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2022年のノーベル物理学賞でも話題となった量子物理。量子コンピュータなどの量子情報理論の発展等でますますその重要性を増しています。量子論を中心に物理の基礎を分かりやすく伝えます。
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#量子力学

J. J. Sakurai「現代の量子力学」

「現代の量子力学」の著者であるJ.J.Sakuraiは、ミドルネームが付いているので、日系アメリカ…

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半導体

4価元素であるSi(シリコン)やGe(ゲルマニウム)は、4個の価電子を持っています。 ここで、G…

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社会人の物理の復習2

放送大学の大学院には、「先端技術のための現代物理学」という講座があり、これを受けることで…

社会人の物理

忙しい社会人が勉強をしようと思っても、まとまった時間を取るのは難しい。ましてや、物理の勉…

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ネルソンの量子力学

ネルソンの理論では、量子的な粒子の動きは、あるバックグラウンドによって、ブラウン運動をし…

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ボームの量子論

ボームの量子論では、まず、波動関数$${\psi(x,t)}$$を次の形に置き換えます。 $${\psi = R \…

量子のカオス

ポアンカレは、かつて、二質点のつくる重力場中での第三の質点の運動を研究しました。その運動は、古典力学が支配する決定論的な運動であるにもかかわらず、複雑で乱雑な運動をすることが分かりました。今日、このような古典力学における複雑性は、古典カオスと呼ばれています。一方、私たちの知っている法則は古典力学だけではありません。微視的な世界では、古典力学は適用できず、量子力学を適用しなければなりません。古典力学においてカオスを示す対象を量子力学で扱うと、どうなるでしょうか?現在では、このよ

量子で超正確な時間を刻む

かつて、ファインマンは「もっと短い"時間"というものは存在するのだろうか?」と問いました。…

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クォークも重ねあわさる

1970年頃に知られていた素粒子は、電子$${e}$$、ミューオン$${\mu}$$、ニュートリノ$${\nu}$$…

ニュートリノはどこから来るのか

ニュートリノの存在を予言したのは、物理学者のエンリコ・フェルミですが、現在では、さまざま…

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量子の重ね合わせ

「私は二つの窓の両方を一緒に通って室内に入ったのです」 これは、朝永振一郎のエッセイ『光…

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ハイゼンベルグの不確定性関係

量子の位置と運動量は同時に正確には決めらないというのがハイゼンベルグが提唱した「不確定性…

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アインシュタインのディスり

量子は複数あると量子もつれという不思議な現象を起こします。2つの電子を考えます。電子はス…

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シュレーディンガーの波動力学

電子が波の性質をもつなら、その変化はどのように記述できるのでしょうか。量子の波としてのふるまいを記述するのがシュレーディンガー方程式です。この方程式を解くことで、電子の波の変化を知ることができるようになります。シュレーディンガー方程式は波動方程式の形をしているため、物理学者にとってはなじみ深いものでした。ここで登場するのが波動関数といわれるものです。よくΨというギリシア文字で書かれます。この波動関数$${Ψ}$$が何を現しているか、量子力学における重要なテーマになっていきます