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○日本語教育・日本語教育学評論

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日本語教育と日本語教育学などで折々に感じたことを発信しています。
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#CEFR

「日本語教育の参照枠」の理念!?

 「日本語教育の参照枠」の「理念」を改めて見てみました。下の【「理念」らしきものの抽出】です。 *以下が、「日本語教育の参照枠」の「最終版」です。https://www.bunka.go.jp/.../hokoku/pdf/93476801_01.pdf  「理念」はこれだけで、後はCEFRのレベル記述の焼き直しだけです。ここまで、見てみての感想。 1.「捉え直し」って何?  以下の2つめの引用箇所((2))で以下のように言っている。ここの「捉え直し」って何? この「捉え

複言語・複文化主義をめぐる議論について

 複言語・複文化主義について、あちこちで議論されていますが、CEFR(2001)やCEFR(2020)でちゃんと定義されていますね。何だか、そこから先は、Japanese-contextで、それをどう解釈しどう生かすか(生かす部分と生かさない/生かせない部分があると思う)の議論をするのが「筋」だと思う。 CEFR(2001)から A further characteristic of plurilingual and pluricultural competence is

みんな、ThresholdやWaystageを知らないor忘れている — そして、みんな話題についての言語技量も知らないor忘れている

 CEFRを旗印とする?現在のCouncil of Europeによる外国語教育改革の運動は、1970年代から始まっています。当初はユニット・クレジットシステムの開発がめざされました。その際に、ガイドラインとなったのが、vanEk and AlexanderのThreshold levelとWaystageです。そして、Threshold levelとWaystageは、2020年のCEFR Companion volumeでも、ちゃんと!?言及されています。  そして、この