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【経営戦略論】YouTube「中川先生のやさしいビジネス研究」オンライン講義(学部2単位相当)としての使い方

大阪大学経済学部・中川功一がお届けするYouTubeチャンネル「中川先生のやさしいビジネス研究」では、学部レベル2単位に相当する【経営戦略論】を、全22回の動画として配信しています。2020年度前期、私は担当する3大学(大阪大学・京都大学・立命館大学)での経営戦略論を、感染防止期間にわたり同動画を用いたオンライン講義とすることにしました。このnoteは言わばシラバスです。そこに至り、私はこのYouTubeを用いた科目を、学びの志ある全ての人への無料オープンカレッジとすることにしました。本noteをご覧いただき、経営戦略の学びにチャレンジしてもらえたら幸いです。

この動画を使うにせよ、参考程度にしてもらうにせよ、このコロナ禍のなかで私が教育者に願うのは、人々の経営リテラシーの改善のため、「使える経営戦略論にする」「学生が創造的に課題解決まで行う」ような講義がデザインされることです。オンラインながらも、なるべく学生に考えさせ、課題に取り組ませるような講義にしてもらえたら幸いです。

★再生リスト【経営戦略論】へのリンク★

この動画リストは学部15回分の講義用として作成されています。下部に載せた通り、各回講義に動画を1-2本配置するデザインとなっています。
また、経営戦略論を「使える」ようにすることを意図しているため、基本的にすべての講義は、視聴後に、実際にワークで手を動かして課題を作成してもらうことを想定しています。下記の動画リストとセットで、課題を付けています。この課題にオンラインで回答してもらい、可能な限り私からフィードバックをするという形式で講義は実施します。

★2020年度「経営戦略論」(立命・京大・阪大)受講生の皆さんへ、課題提出は以下のGoogleフォームにお願いします。

この講義のテキストは、井上達彦・中川功一・川瀨真紀(2019)『経営戦略』中央経済社.です。無くても動画だけでも学習に支障はありませんが、より深く学びたい人はぜひお手に取ってください。同書も、経営戦略を「楽しく学び」「使える技術とする」ことを基本精神として、志を同じくする早稲田の井上さん、広大の川瀨さんと作成しました。ご活用、ご参考いただければ幸いです。

第1回 経営戦略とは何か
★立4/7、阪4/9、京5/11★
(該当動画)
1.リーダーの仕事、経営戦略とは何か
2.経営戦略は「あるべき姿」から
(課題)
自由に1社を採り上げ、その会社のヴィジョンや経営者メッセージを調べ、どのような「あるべき姿」が語られているかをまとめてください。その「あるべき姿」の設定について、経営戦略の観点から、良い点・悪い点をまとめ、あなたならどのように修正するか、改革案を出してください。
※講師が指定して、特定の会社を検討し、皆で議論してもよいでしょう。

第2回 経営戦略立案の基本的な流れ
★立5/12、阪4/16、京5/18★
(該当動画)
3.知ってて当たり前!?SWOT分析の基礎の基礎
4.経営戦略・実践例「アサヒスーパードライ」
(課題)
特定の会社をひとつ特定し、標準的な戦略の立案ステップに沿って、SWOT分析を用いながら、これからの戦略を立案してください。あるべき姿→現状分析(SWOT分析)→アクションプラン
※スターバックスなど、なじみの深い企業の、特定の事業に限定すると取り組みやすいです。

第3回 競合関係の分析
★立5/19、阪4/23、京5/25★
(該当動画)
5.ポーターの一般戦略分析・前半
6.ポーターの一般戦略分析・後半
(課題)
特定の産業をひとつ採り上げ、企業間の競争関係を一般戦略分析で整理したうえで、その中の一社の経営者になったつもりで、ポジショニングを修正したり強化したりするための戦略を立ててください。
※アパレル産業など、企業間の競争状況がイメージしやすい業界がいいでしょう。

第4回 独自軸を用いた事業機会の発見
★立5/26、阪5/7、京6/1★
(該当動画)
7.独自軸でビジネスチャンスを見つける・前半
8.独自軸でビジネスチャンスを見つける・後半
(課題)
特定の産業をひとつ採り上げ、その産業の特徴を描くことができる独自軸を用いて、まだ大手競合が参入していない事業の隙間を見つけてください。
※第3回で採り上げた産業を継続して用いるのも有効です。別の視座から再度見直すことで、思考力や発想力が高まります。

第5回 ポーターの5要因分析 顧客の奪い合い構造(タテの3要因)
★立6/2、阪5/14、京6/8★
(該当動画)
9.ポーター5要因分析・前半
(課題)
特定の企業をひとつ採り上げ、その企業と顧客を奪い合っている3要因に存在するビジネスリスクを見つけてください。さらに、そのリスクを取り除くためにどういう戦略が使えるかを考えてください。
※外食産業企業などが、やりやすいです。私は講義室では餃子の王将をよく対象として提示しています。

第6回 ポーターの5要因分析 価値の奪い合い構造(ヨコの2要因)
★立6/9、阪5/21、京6/15★
(該当動画)
10.ポーター5要因分析・後半
(課題)
特定の企業をひとつ採り上げ、その企業と価値を奪い合っている2要因に存在するビジネスリスクを見つけてください。さらに、そのリスクを取り除くためにどういう戦略が有効かを考えてください。
ここは対象企業の設定が肝です。材料供給業者がわかりやすい製品を扱う企業がよいです。前回同様、外食はその意味でも使いやすいです。私は講義室では引き続いて餃子の王将を使います。

(ここでポーター5要因分析の定着度に応じて、第7回として復習編のポーター5要因分析総合演習をやってもいいです。私は、大学のレベルに関係なく、その年度の修学状況に応じて柔軟に対応しています。該当動画は11・ポーター5要因分析・戦略立案編 です。課題は「ひとつ企業を採り上げ、5要因を全部再度利用して、問題発見とその解決案までを描いてください」。講義室で運営する場合、ステップ・バイ・ステップでタテの要因、ヨコの要因と順に再解説して、手法の定着を図るといいです。)

第7回 企業内部状況の分析 前半
★立6/16、阪5/28、京6/22★
(該当動画)
12.トヨタはなぜ世界最強なのか
13.VRIO分析
(課題)
VRIO分析を用いて、特定の企業の内部資源の、競争力の高い所、低い所、きちんと組織化されていないところを見つけ出してください。
※データが集めやすく、わかりやすい会社がよいです。ユニクロやマクドはやりやすいです。

第8回 企業内部状況の分析 後半
★立6/23、阪6/4、京6/29★
(該当動画)
14.7S分析
(課題)
7S分析を用いて、特定の企業の内部状況を分析し、伸ばすべきところを伸ばし、問題のある所に改善策を立案してください。
※やはり内部状況のデータがある程度スマホ等で集めやすい企業がよいです。前回に合わせて同じ会社を扱ってもいいですし、まったく新規な会社でもいいでしょう。

第9回 未来の変化を予測する 時代の大きな流れをつかむ
★立6/30、阪6/11、京7/6★
(該当動画)
15.PEST分析
(課題)
PEST分析を用いて、10年後の未来の〇〇産業がどうなっているかを予測し、それに沿って新しい事業プランを立案してください。
※交通、物流、食、ゲームなど、身近なもので、かつ、変化が大きいであろうものを扱うと有意義でしょう。

第10回 未来の変化を予測する 顧客の変化を知る
★立7/7、阪6/18、京7/13★
(該当動画)16.ペルソナ分析
(課題) ペルソナ分析を用いて、10年後の〇〇社の未来の顧客がどのような顧客になっているかを予測し、それに沿って変革のための事業プランを作成してください。※大きく顧客が変わるであろう業界がいいでしょう。ラグジュアリー商品などは典型的だと思います。

第11回 ゲーム理論ベースの戦略論 相手の動きを予想する
★立7/14、阪6/25、京7/20:最終回★
(該当動画)17.ゲーム理論ベースの戦略論・前半
(課題) まず、あなた自身の会社を決めます(たとえばドトール)。次に、その会社の最大のライバルを特定し(たとえばスタバ)、そのライバル企業の社長の立場に立って、SWOT分析を行い、会社の次の戦略を立ててください(スタバの戦略を立ててください)。それを踏まえ、あなた自身の会社(ドトール)は、どのような戦略を実行すれば有効になるかを考えてください。

第12回 ゲーム理論ベースの戦略論 WIN-WINのデザイン
★立7/21、阪7/2★
(該当動画)
18.ゲーム理論ベースの戦略論・後半
(課題)
前回採り上げた2社の間に、WIN-WINをもたらしてください。
※ポイントは、抑止力をデザインできるかどうかです。そこの点をよく学生に求めて/学生はその点に留意して戦略を立ててください。

第13回 事業範囲の戦略 自社範囲の選択
★立7/28:最終回、阪7/9★
(該当動画)
19.得意領域に絞り込む戦略
20.事業範囲の選択の方法
(課題)
現代では一般的に絞り込み戦略がよく採用されますが、逆に垂直統合戦略を採用して成功した企業に、ニトリがあります。なぜニトリの戦略が有効であったのかを、分析し議論してください。
※講師の方へ、JINS、Amazonなどもいいでしょう。すこし内容が高度なので解説文章などでのフォローアップも必要かもしれません。

第14回 事業範囲の戦略 パートナーシップ戦略
★阪7/16★
(該当動画)
21.パートナーシップ戦略
(課題)
日本企業は昔から共存共栄をはかるパートナーシップ型の経営であったと言われています。しかし、そこに甘えの構造があると批判され、1990年代からは解体の方向に向かっていきました。皆さんは、日本が置かれた現状を踏まえ、今後の日本企業の企業間関係はどのようなものであるべきだと考えますか。感情論に陥らず、合理的な経営判断として皆さんなりの分析をしてください。
※学生の可能性を信じて、これからの日本の未来を構想させてみてください。教師の皆さんの予想よりもはるかによい回答が出てきますよ!

第15回 戦略硬直化のスパイラル
★阪7/30★
(該当動画)
22.経営戦略論 特別編1 戦略硬直化のスパイラル
23.経営戦略論 特別編2 戦略転換を成し遂げるには
(課題)
自分自身が「疑問なきYES」をしてしまっている(いた)事柄をひとつ挙げ、その変革のための戦略を検討してください。過去の事例であれば、どうやって変革を成し遂げたかを説明してください。

以上となります。

なお、オンラインではなく大教室で講義を実施していた2019年度までも、基本的に私は同様のインタラクティブな講義をしていました。最初の20分ほど私が解説したのち、3-5人ずつのグループで20分間課題にあたり、発表&フロアディスカッションを25分、解説とクロージングで10分(残りは事務説明やバッファ)という講義デザインにしていました。大切なことは、アクティブ・ラーニングとして、受講生が自分で考える時間を持つことです。その意味で、視聴後に課題に取り組んで、初めて学びは完成することを講師も受講生も念頭に置いていただくとよいでしょう。


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