【視・観・察】 相手の『満足』はどこにある?
【視・観・察】
という人の深層心理を知るステップをご存知でしょうか?
新しい1万円紙幣に印刷されることが決定している
渋沢栄一。
彼の著作『論語と算盤』
に記されていることの一つです。
渋沢栄一といえば、
大蔵省の官僚としてエリート街道を登った後、
第一国立銀行(現みずほ銀行)
東京商法会議所(東京商工会議所)
東京証券取引所
などなど
現在も日本経済に大きな影響を与えている団体や会社の設立に
幾度となく関わり、
その後は教育事業や国際交流事業など
官民両方の立場で多くの人の人生を変えた偉人です。
多くの団体や事業を立ち上げるときには
それだけ多くの人と対面することになります。
そうして対面する人の種類も様々でしょう。
・年齢
・性別
・出生地
・考え方
すべてがバラバラであると思います。
そんな風に多くの人と関わり、
それを見事にまとめ上げてきた渋沢氏が語る
『人間観察の考え方』とはなんなのか?
■ステップ1. 相手の『行動』を【視る】
相手の『動作行動』を『視る』
ということです。
相手は普段からどんなことをしている人なのか?
コレをよ〜く視るわけです。
こうやって相手の動作行動を観察することで
相手の行動の特徴が見えてきます。
例えば、
●説明が丁寧な人だ
●いつも元気に挨拶する人だ
●遅刻を絶対にしない人だ
などなど
その人は普段からどんな人物として周りから評価されているのか?
という疑問が解消されていきます。
相手の客観的な印象が言語化されるのです。
このステップ1:【視る】では、
『この人の行動力は、信用信頼できるか?』
を判断することができます。
■ステップ2. 相手の『動機』を【観る】
続いて、
相手の行動の『動機』を『観る』
というステップに入ります。
コレは、
相手の動作行動からだけでは読み取れないような
『なぜあの人は行動するのか?』
という『理由』を追求して考えます。
例えば、
「毎日必ず遅くまで残業している」
という人が居たとします。
その人が残業している理由はなんでしょうか?
パターンを分けると
パターン1)残業代を稼ぎたいからダラダラ居残っている。
パターン2)仕事で実績を残したいから注力している。
パターン3)家庭環境が悪く、できるだけ帰りたくない。
などが考えられます。
『遅くまで残業している』という事実は変わりませんが
その『動機』は別々です。
このステップ2.【観る】では、
相手の『行動の理由』がなんなのか?
を知ることができます。
ココで良い印象があるならば、
『相手を信じてみようかな?』と思うキッカケになります。
一方、悪い印象なのであれば、
『この人とは合わないな』と思うキッカケになります。
■ステップ3. 相手の『満足』を【察る】
最後は、
相手の『満足』を『察る(みる)』
というステップです。
満足を察るとは何か?というと、
最終的に相手が『どんな状態となる』ことを望んでいるのか?
をよ〜く観察することです。
例えば、こんな人が居たとします。
☑ステップ1.『行動』を【視る】
毎日遅刻せずに出勤してバリバリ仕事をしている。
→●評価:真面目で仕事に誠実な人だ。
☑ステップ2.『動機』を【観る】
出世を望んでおり、仕事で高く評価されたい。
→●評価:向上心の強い人だ。
さ、最後で印象が変わってきます。
☑ステップ3.『満足』を【察る】
パターン1)自分の家族を経済的に支えて安心させてあげたい。
パターン2)組織を支配して、自分の言うことを聞く人間を増やしたい。
パターン3)出世した金で大豪邸を買いたい。
『最終的に満足している』状態がどれなのか?
で相手に対する印象が変わるはずです。
相手の満足というのは、
相手の『モチベーションの源泉』です。
『モチベーションの源泉が一体どこにあるのか?』
という質問に対する答えが見えてきます。
これはどれが善か悪かということではありません。
その最終的な満足に
『共感できますか?』
ということです。
ココに
共感できる!
というのであれば、
その相手とは長期的な関係を築くことができるでしょう。
一方、
共感できない、理解できない
というのであれば、
その相手とは今すぐに関係を断ち切るべきです。
ステップ3.『満足』を【察る】
という部分では、
『自分と相手の道徳心は、共感し合えるものか?』
といった感覚を研ぎ澄ませることが重要になってきます。
悪い例を上げるとすれば、
腕のいい詐欺師というのは、
ステップ1.『行動』を【視る】
ステップ2.『動機』を【観る】
までは難なくクリアして近寄ってきます。
しかし、
ステップ3.『満足』を【察る】
がデキれば、
その相手が自分にとって害をなす人間なのか否か
を判断することがデキます。
■自分に害をなす人間を『見抜こう』
様々な人達と対面してきた渋沢氏だからこそ
こうした人間観察の考え方を編み出したのでしょう。
渋沢氏のような
経済的活動の重要人物には、
自分の利益しか考えないような人間が大量に寄ってきます。
そうした人たちと対面する中で
こんな風に考えたら、
相手の深層心理を見抜くことができるな
という持論を得たのでしょう。
多くの実績を残した偉人の言葉は
やっぱり重みがありますね。
この【視・観・察】という考え方は、
私達の普段の生活にも活用デキる場面が
たくさんあると思います。
これから未来で関わっていく人たちが
●強く共感できるような人なのか?
●自分に害をなすような人なのか?
この考え方を使って
ジックリと見定めていきましょう。
悪い人と関わって
心をすり減らさないように
人生の時間を使いたいですね。
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