『十二の風景画への十二の旅』<人間の魂の反映として>見られた十二の風景画による物語
発行年/1984年
前回の『十二の肖像画による十二の物語』に続く企画『十二の風景画への十二の旅』です。
現代アートにおいて、風景画というのはその役割を終えた感があります。かつて大抵の風景画は、画家がどれだけ感情移入するかといった点が大きな命題でした。見たものにどれだけ迫ったとしてもそこには必ず画家の心情が込められており、風景画の美しさはその心情の美しさだったと言えるのではないでしょうか? そこから現代絵画への移行について、辻邦生さんは『十二の風景画への十二の旅』の「物語のは