『ある生涯の七つの場所』100の短編が織り成す人生絵巻/霧の聖マリ第一回 黄いろい場所、赤い場所からの挿話1〜3
辻邦生さんの作品には連作短編というものがあり、中でも一番壮大なのが『ある生涯の七つの場所』だということをこちらでお話しました。
全作を再読したのちにご紹介するのが本当は一番なのだけれど、それだと読了に『春の戴冠』よりも長くかかってしまうので、少しずつご紹介していきたいとおもいます。
その前にまず概要をお話いたします。
1.『ある生涯の七つの場所』その全体像についてこの作品についてご理解いただくには、何よりあとがきにある辻邦生さんご自身の説明をお読みいただくのが間違いないと