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連載 YMCAキャンプ100年 #01 Founding Fathers

1920年、六甲山の山麓で始まったとされるYMCAキャンプは、
今年で100周年を迎えます。

連載#01 Founding Fathers

“この三十年間に、日本における組織的な夏期キャンプは、施設に於いても、指導の方面でも非常に発展して来た。戦前には、多くの少年少女が夏になると盛んにリュックをかついでキャンプに出かけたものである。”

手元に、古ぼけた一冊の本がある。

Russell L. Durginによって書かれたこの序文の冒頭には、計り知れない歴史が含まれている。

YMCA青年指導叢書として「キャンピング(増田健三著)」が出版されたのは、ちょうど1920年から激動の30年が経過した年、日本が一夜にして民主主義国家になった5年後、1950年のことである。

 “これからの日本にとっては、民主主義になりきる以外に、国として立って行く道はない。これからの日本人としては、民主主義を我がものとする以外に、人間として生きて行く道はない。”
                     ー 民主主義(文部省, 1947)

民主主義は中学・高校で、青少年たちに教えられた。

"まだ敗戦の記憶が新しく、GHQの統制下にあり、日本で最も多くの人々が、最も真剣に民主主義に向き合わざるをえなかった時期 ”
                ー 民主主義<1948-53>中学・高校 社会科教科書エッセンス復刻版
                  (西田亮介、2016)

に、日本のキャンプは再出発をしたのである。

私はキャンプ100年を紐解くにあたり、まず戦後の歩みからスタートしたい。

戦後日本キャンプの、“建国の父たち”の思いを汲みとることで、
これから私たちがしなければならないことが自ずと、浮かび上がるはずだからである。


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