【論文紹介】多発性骨髄腫の治療 DRd療法

MAIA試験

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa1817249

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1470204521004666?via%3Dihub#fig2

初発自家移植非適応の多発性骨髄腫患者さんを対象としたレナリドミド+デキサメタゾンに対するダラツムマブの上乗せ効果を比較した試験。

フォローアップ期間中央値が28ヶ月の時点(NEJM 2019)で、再発または死亡がDRd群で26.4%に対して、Rd群は38.8%

フォローアップ期間中央値が56.2ヶ月の時点(Lancet Oncology 2021)で、median PFSはDRd群が未到達、Rd群は34.4ヶ月

ダラツムマブを使用することで感染症のリスクは上昇するため、注意は必要だが、非常に有効な治療であり、いまは日本中どこでも(特に自家移植が難しいご高齢の患者さんに対して)当たり前のように使われている治療法だと思う。

良い治療法を早い段階から使うのが長期的に見ても良い結果が得られる傾向にあり、いまは移植適応でも複数の臨床試験で使われるようになってきている。幹細胞採取への影響も大きなものはないようなので、今後は移植適応の患者さんにも初発時からCD38抗体が使われるようになっていくのだろうと思う。

医者になったころは多発性骨髄腫の治療は非常に限られていたが、最近ではCAR-T療法も出てきているし、本当に治療の進歩がめざましい疾患である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?