![雪の家](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/9195382/rectangle_large_type_2_7cfc2140cccf838eae036596f71ca880.jpeg?width=800)
愛する人の心が一番素敵な家だから
年末年始に千葉テレビで冬のソナタの一挙放送をしています。
晴れやかな気持ちになりたい新年に相応しいドラマなのか非常に悩ましいところですが、大好きだったドラマだけにどうしても見てしまいます。
冬のソナタはチェ・ジウ演じる主人公チョン・ユジンとぺ・ヨンジュン演じるイ・ミニョン、ふたりの恋の物語です。
高校で知り合った初恋の人を事故で亡くしたユジン。
10年後、幼馴染と婚約した日に現れた、初恋の人と瓜二つの男との出会いから遠い思い出にしたはずの初恋が動き出し…といった内容です。
日本で放映された時の韓流ブームの熱量はすごいものがありました。
当時、中学生だった私は母と一緒になって毎週夢中になって見ていました。
そして今や大人になった彼らと同い年。そりゃドラマの主人公が若手の理事として騒がれていたり幼馴染同士で婚約したりするわけです。
時の流れに驚きながら大掃除もそっちのけで再放送を見ているとある台詞が心に残りました。
ドラマの初めの頃です。
一緒に仕事をすることになったばかりのユジンとミニョン。
婚約したてのユジンに対してミニョンが新しい家はどんな家に?と聞いたところ、特に考えていないと答えるユジン。新婚なら家のことを考えるものじゃない?と訝しむミニョンに対するユジンの返しが愛する人の心が一番素敵な家だから。というものでした。
結婚してマイホームではないものの「家庭」を持った今だからこそ、この台詞の意味がよくわかります。こんなに良い台詞あったかしら、と思うのですが、中学生の自分の心には残らなかったのでしょうね。
平日は東京のシェアハウス、
週末の半分で夫が守ってくれている茨城の賃貸アパート
残りの半分で長野の古民家
過ごす時間の割合で言えば7対2対1になります。一番長い時間を過ごす東京のシェアハウスが自分にとっての家と呼べるのかというと違和感があります。あくまでここは一時の仮住まい。
では夫の待つ茨城の家。2年半、夫と毎日生活したこの家に帰りたくなるかと言えばそんなこともないのです。週末この家の鍵をあけて玄関扉をくぐったときに特段「帰ってきた」という気持ちにはなりません。
でもそれは自分で鍵を開けた時に一人だから。
おかえり。
の声が廊下の先、リビングから聞こえてきたとき反射的に出てくる
ただいま。
その一言が、ただのアパートを家に早変わりします。
夫が東京の実家に帰る週末は、茨城ではなく東京で会います。新宿の人混みの中でも、カフェで待ち合わせしていても、やはり顔を見て話をすると一瞬にして安らぎを覚えます。
そして極め付けだったのが現地集合型で夫婦旅行をしたときのこと。私はその週末は一度も帰宅していませんがそれでも夫に会った瞬間「ただいま」と思わず言ってしまいそうになりました。
別居婚を謳っているものの、ほんとはいつも一緒に棲んでいるのかもしれない。
私の家はどこでもなく、この人そのものだったこと。それは多拠点生活が教えてくれたことのひとつでした。
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