採用されない企画書は、「紙くず」にすぎない(田坂広志『企画力』PHP文庫Kindle版,2009年)

『採用されない企画書は、「紙くず」にすぎない』

著書の冒頭のこの言葉に、衝撃を受けた。

そして、自分が企画を提案する時、この覚悟を持って企画にあたるようにしている。

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『企画力とは、「人間と組織を動かす力」のこと』

『プロフェッショナルの世界において、「企画力」とは、 「企画を立案する力」のことではなく、 「企画を実現する力」のこと』

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と続く。

立案しても実現できなければ、企画ではない。
実現できない企画は、「紙くず」に過ぎない。

厳しい言葉だが、たしかな事実でもある。

大学時代、ESSという英会話サークルで、「渉外」という役職に付き、関東・関西の大学にあるESSが参加するディスカッション大会の主催を行った経験がある。

この経験が、企画の仕事への興味を持つ入り口だったと思う。

社会人になり、ワタミで外食店長を務めた後、外食の人で不足に課題を感じ、人材の仕事に転職を考えていた時、

本部でその仕事やらないかとお声掛け頂いて、本部で採用したアルバイトさんを人手の足りない店舗へ派遣し、互いによい評価であればそのままそのままその店のアルバイトさんになってもらうという企画のリーダーを担当した。

店長経験を踏まえて、お店の課題をなんとか解決したいとの思いからこの企画を実現させた。

ただ、その企画をスタートする前の企画会議、
上司にこの言葉を言われ、そして、この言葉は僕にとって、今でも企画する時のもう一つの心構えになっている。

『この企画、美しくない!!!』

論理的に考えた。
チームメンバーに事前にプレゼンして、何度も書き直した。

それにも拘らず、この一言をいただいた。

言われた時は、意味が全くわからず、どこが美しくないのか教えてほしい、何が間違えているのか具体的に言ってほしいとさえ思った。

しかし、今ならわかる。

論理的にはたしかに穴はなかったけど、
共感を生まない企画になっていた。

店長経験があって、お店のことわかっているはずなのに、
お店に想いが至りきっていなかった。

この著書にもある。

企画には、「企み(たくらみ)」がなければならない。

その「企み」をどう物語り、共感を生み、人と組織を動かせるか。

この一点が、難しくもあり、挑戦しがいのある営みと思っている。


仕事で「企画」をする人に進めている1冊です。



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