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雪国に行ったことない人間が、-25℃のモンゴルから生きて帰って来れた装備紹介

 私は2023-2024年の年末年始をモンゴルで過ごしてきました。南国(モンゴル比)の住人にとって、真冬のモンゴルにいくにあたっての最大の問題は服装です。
 モンゴルの首都ウランバートル12月の平均気温が-19℃という世界です。最高でも最低でもなく平均気温が-20℃近いというのがおそろしい。聞けば、ウランバートルは標高1300mに位置しているのもあって世界一寒い首都らしい。ロシア国境近くのフブスグル湖周辺になると、標高も上がるので更に倍寒いとか。氷点下自体全然体験したことがないもので、-20℃の倍寒いと言われてもまっっっったく想像がつきません。どう考えても福岡で揃えられる装備では足りないと思いますが、ウランバートル上陸初日に凍死しないためにも最善を尽くします。
 真冬大吹雪の東北や北海道に行く方、北極圏にオーロラを見に行くぞ!という方はもちろん、真冬のモンゴルに行きますという非常に奇特な方は参考にしていただけると幸いです。 ちなみに私は元々、どちらかというと寒がり側の人間でしたが、真冬のモンゴルに10日間いただけで完全なる暑がりにジョブチェンジしました。帰ってきてからずっと日本暑いです。

 最初に気をつけていただきたいのですが、モンゴルは真冬非常に天気が安定していて、暴風や大雪になることはまずないという前提で装備を整えましたし、実際暴風雪に見舞われることはありませんでした。-20℃以下かつ吹雪が当たり前です、という地域に行く方には、これから紹介する装備よりグレードがいいものにした方が良いかもしれません。

真ん中のおじさんみたいな格好では日本人には寒すぎるので、参考にしないように。

装備の紹介 日本で準備したもの

 その1 ユニクロ ウルトラウォームハイブリッドダウンロングコート 確か14000円くらい

ホコリかぶっていたので外で風通し中

 持っている装備の中で一番の切り札。ユニクロで売っているダウンの中で一番厚くて温かい。そして、私が持ってる冬物コートで唯一膝丈である。ダウンだけどミシュランマンにならないデザインと、フードの中に毛布みたいなファーがついているのが大変気に入っている。しかし福岡のユニクロでは取り寄せないと買うことは出来ない。試着が出来ないのはめちゃくちゃデメリットだと思う。約3年前東京にいた頃、最高気温が2℃で雪も降るみたいな予報があった時に店舗で購入したが、着るとあまりにも暑いので3回くらいしか活躍していないし、その度汗だくになっている。流石、ウルトラウォームでハイブリッドなロングダウンである。
 
福岡では真冬の夜、綿ババシャツ1枚の上にこれを着て近所のコンビニまで指定ゴミ袋を買いに行ったことがある。上記の活躍回数に入っている。
 こんな南の島ではあまり活躍しないが、真冬のモンゴルではむしろこれでも足りないほど寒いかもしれない・・・と心配になった。しかしこれ以外にないのでその辺は中に着ていく装備で何とかする。

感想:意外とこれ1枚でコートは十分だった。ダウンが厚めで、首元や耳など覆える面積が多かったからだと思う。日本と違って暑いと思うことはなかったが、寒すぎて死ぬ!ということもなかった。
 そして、極寒の環境では膝くらいまでの長さがあるロングコートであることも大事だと知った。薄くなりがちな太ももの防寒の面でももちろん、特にモンゴルの田舎では、草原(雪原)で青空トイレをしないといけない場面が多々あるので、お尻まで隠せるロングコートであることは重要。草原トイレは、ウランバートルしか行かないという人はしないので心配しなくて大丈夫。服にこんな判断基準があるなんて、日本では全く意識したことがなかった。当たり前である。
 モンゴルでもこういったダウンや厚いコートはどこのモールでも大量に売られており、日本のものより厚くて品揃え豊富。でも、日本から1着は着て来ないと空港を出た瞬間凍死すると思われる。チンギス・ハーン国際空港はとても小さな空港で身支度出来るような店がほとんどなく、品物も街中に比べるとかなり高い。
 これから極寒の地に向かう皆さんは、めちゃくちゃ高価なものでなくてもいいので、ユニクロで一番厚い膝丈くらいのダウンの厚さと長さを基準に、顔や首回りまで覆えるようなデザインで気に入ったものを着てくるといいと思う。 
 モンゴルで買う場合、ノースフェイス、ユニクロなどのブランドは海賊品が多いので、ブランドものを買う時はデパートや外国人向けのモールで買った方が安心(友人談)。

その3 ケベック ロング(スノーブーツ)

ワークマン、安い。

 モンゴルでは降雪は少ないものの、寒すぎて11月に降った雪が春先(だいたい5月終わり)まで溶けずに残るから雪靴は必須!!と友人に言われた。福岡では全く必要ない代物であり、当然持っていない。福岡で雪靴を買えるところなんて、必死に考えても博多駅の石井スポーツかモンベルくらいしかないと思う。めちゃめちゃ高そうだし、行って買えなさそうな値段だったとき(しかも旅行後活躍の機会0の可能性大)に心が折れるので、ネットを探したら、ヤフオク!でケベックロングというワークマンのスノーブーツが新品で即決2000円(送料込)で出品されていた。ワークマンって雪靴も取り扱ってたんだ・・・即落札。
 ブーツ部分はダウンのように中綿入りになっている。履き口を折り曲げるとボヘミアン風の模様が出てくるが、-20℃の環境で折り返してオシャレには履かないと思われる。友人曰わく、足元は下にタイツ2枚と靴下を2枚履くらしいので、普段24cmの私はMサイズ(男女共通サイズ)24.5~25cmを購入。言うまでもなく福岡で履くには暑すぎる。

感想:2000円以上の仕事をしてくれたと思う。  
 
履き口を折り曲げておかないと着脱が大変だったので、結局-20℃以上の場所では折り曲げて履いた。オシャレ~~
 
一応ちゃんと滑りにくい加工がされているものだったが、冬の間溶けない雪が踏み固められてアイスバーンまみれのウランバートル街中では全く歯が立たなかった(文字通り)ようで、普通にツルツル滑った。ただ、一度も足元が寒いと思ったことはなかった。歩き回って一度汗を吸うと全然乾かなかったので、靴用の乾燥剤を持って行けば良かったなと思った。それでも中敷きが外れる仕様だったのはありがたかった。
 皆さんが旅行用に雪靴を買うときは、温かさ重視で長靴くらいの長さがあるものがおすすめ。モンゴルでは私も友人もモンゴル人も皆道で滑っていたので、滑りにくい性能を過信するのは危険。北日本出身の方は、雪の日に履くいつもの靴で十分だと思う。
 現地でもタウンユースデザインの雪靴からモンゴルの伝統的なブーツまでいろいろな種類があり、街中だったら簡単に手に入れられる。しかし、これまた日本から履いてこないと空港で購入は難しいので、空港出た瞬間転倒すると思う。ワークマンの安いのでもいいから絶対日本で一足用意するべき。

その4 ワークマン メリノウール60% 総パイル極厚手靴下

 メリノウールは保温&保湿作用に優れているが普通のお店で買うとめちゃくちゃ高級。ワークマンで一番厚いものが一足780円で売っていたので、とりあえずその店にあった4色全部1個ずつ買った。これで2日間は2枚重ね出来る。

感想:スノーブーツが温かかったので、メリノウール2枚重ねは流石に暑すぎた。普通の靴下+メリノウール靴下の2枚履きでちょうどよかった。モンゴルでも動物毛素材の靴下は大量に売ってて、しかも安い。ちょっと変わったバラマキ土産にもオススメ。

その5 ワークマン メリノウール100%長袖ラウンドネックシャツ

 靴下と同じくメリノウール素材100%使用の肌着。綿100%の下着は絶対NG、汗を逃がしてくれる素材が絶対にいる!と言われたので購入。手洗い平干し必須なので扱いはちょっとめんどくさいけど、肌触りが抜群によく、むれにくくとても快適。ヒートテックを直接肌の上に着ると肌荒れを起こしてしまう体質なので、こいつの働きに期待したい。

感想:ウランバートル街中での散歩など、普通の汗をかく量なら全く問題なかった。しかし、ツアー中ちょこっとハイキングした後だと汗が吸いきれなかったのか車に戻ってから冷えてきたので、慌てて車内で脱いで乾かした。
 「極寒の環境で吸いきれなかった汗が冷えたまま着てると確実に風邪をひくので、ヤバいと思ったらすぐ脱いで乾いた服を着た方がいいです」と現地のガイドさんに事前に教えてもらってたのだが、本当に教えてもらって良かったと思う。乾燥しているので、体温の奪われる早さも早い気がした。
 極寒の地でハイキングのように体を動かす予定がある方は、登山で着るような汗を逃がすメッシュインナーを絶対に用意した方がいいと思った。私のようにいつでも車に戻って着替えできる、という旅ではない方は特に!

その6 "REPAIR-TECH"洗えるフュージョンダウンライトパンツ

 雪靴でちょこっと出たとおり真冬のモンゴルではタイツ2枚と靴下を2枚、さらにその上にパンツを2枚またはパンツ+スカートを着用するらしい。極寒の地でスカートをはくというのは意外かもしれないが、屋内はセントラルヒーティングがガンガンで暑すぎるため、屋内でパンツだけ1枚すぐ脱いで過ごすスタイルもおすすめらしい(脱いでもタイツ2枚と靴下2枚が残っている)。
 雪国初心者がスカートは危険な気がしてパンツを持って行くことにしたが、タイツ2枚の上にパンツをはいて、さらにまたその上に重ねてはけるパンツなど持っていないので買わないといけない。試着しまくって、いつものパンツの上にそのまま履けたサイズをGETした。実に男性Lサイズだった。夫が普段買うのと同じサイズ・・・ちょっと泣きたい。
 ただのパンツでは防寒性能に不安があるので、ダウンパンツを購入。小さな穴があいても塞がってダウンが出ていきにくいという、よう分からない技術が採用されている。しかも収納袋付きで、限界まで圧縮して荷物に詰め込むことも可能。めちゃコンパクトで活躍の予感だったので、この後追加で同じパンツの色違いをもう1本購入した。
感想:普通のパンツよりは間違いなく温かかったが、強めの風がふくとあっという間に体温奪われて結構寒かった。本当に寒かった時はダブルダウンパンツをはいたので、2本持ってきて良かったと思う。福岡では履けないほど暑い。

その7 ウィンドシールド・ボルカ レギンス

 ワークマンにはタイツが全くなかったので、2枚着る系のタイツは全てレギンスを購入した。

感想:たぶんないよりは温かかったと思う。しかし防風機能は、ある程度以上の風が吹くとほとんど機能しなかった。静電気が起こりにくい素材だったのでバチバチならず脱ぎ着が快適だった。友人の家では暑すぎたので、パンツ1枚どころかこれすら脱いだ。

その8 メリノウールバラクラバ

ワークマン公式オンラインショップより引用。
かぶるとイスラム教女性風になれる。

 いわゆる目だし帽。これもワークマンで2000円くらいで購入したもの。メリノウール100%でチクチクしなくてよい。薄いのであまり役に立たないと思っている。最悪全部首まで落として使おうと思っている。

感想:今回の旅で持ってきて本当に良かったものベスト3には入る。役に立たないと思うとか言ってごめんなさい。
 ダウンに付いているフードをかぶるだけでは隙間があって、どうしても風は入ってきちゃうので、耳にピタッと密着するタイプの防寒具があると防寒性が上がった。意外とデコが寒いのと、鼻丸出しだと鼻の中が凍って痛くなるので、デコと鼻を覆うように使った。結局目出し帽の鼻息当たる部分は凍るけど、鼻の中が凍るより1000倍マシ。
 
福岡だとバイク乗り以外の目出し帽は不審者認定だと思うが、モンゴルでは同じように目出し帽をかぶったり、フードをかぶったり、深めの帽子をかぶったりしてる人が大半なので、全く怪しくならない。写真撮影する時は全部首まで下ろしちゃえばただの黒いマフラーになるし、これはこれで暖かかった。現地ではカシミヤ素材はじめ、いろんな素材の目出し帽をたくさん見かけたので、極寒の地に行く方は絶対に1枚目出し帽を準備するべき。

その11 ヒートテック 極暖1枚、裏綿素材のもの1枚、ノーマル4枚
 説明不要ユニクロのヒートテックを持てるだけ持って行った。

その12 ユニクロ スフレヤーンタートルネックワンピース 1着
 冬物のセーター系衣類。本当は2,3枚持っていこうかな…でもかさばる…と友人に相談したら、「モンゴルは乾燥してるからほとんど汗かかないし汚れない。ニットは1枚ワンピくらいの長さのがあれば大丈夫。同じ服着てるとかモンゴル人誰も気にしない。お風呂も3日に1回くらいしか入らないし。」と言われたので、信じてニットワンピは1枚だけ用意した。
感想:本当に友人の言う通りだったと思う。丈が長いとそれだけ暖かいし、ゆったりサイズだったので下に大量に着込むことも出来た。そして10日間1度も洗濯しなかったが全然臭くならなかった。現地でも動物毛100%のニットワンピをたくさん見かけたので、日本で手に入れられる化繊混ニットでは寒そうで心配だったら現地で追加で買うと良いと思う。私はユニクロので十分だった。

 以上が日本で用意した防寒グッズです。その他服系で持って行ったものは、
・下着の替えセット×4日分
・ノーマルな丈と厚さの靴下×4足
・厚手目の裏起毛スウェットパンツ(パジャマ想定)×1本

・長袖のフツーのロンT(パジャマ想定)×1枚
・長袖裏起毛トレーナー×1枚
・Vネックのニットブラウス(オフィス用のちょっとキレイめのやつ)×1枚
・ごく普通の手袋×1組

こんな感じ。シャツ、トレーナー系は友人の助言通り、3通りくらいの着こなししか準備しなかった。
 ちなみに現地で手に入れるため、マフラーは日本に置いていくという英断を下した。
 
ここまでやっても本当に不安だったが、奇跡的に到着日と翌日のウランバートルは-10℃まで気温が上がったので街中を普通に歩くことが出来た。現地人曰わく、「地球温暖化ヤバい!」と騒ぐレベルらしい。それでも川は全て凍ってたし、まゆ毛やまつげは5分に1回立派なつららが出来た。そんな中友人監修のもと、モンゴルでもいくつか防寒具を調達した。

モンゴルで買ったもの


その① GOBIのカシミヤ100%大判ストール(セール品。50%Offで80000トゥグルグ

この美しいブルーを見よ

 いきなり本命手に入れた。説明不要、繊維の宝石カシミヤストール。
 100cm×160cmとかなり大きい。私は大判ストールにピラピラ(フリンジ)がないのが欲しいな~と思いながら探していたので、セール品コーナーで見たときは運命感じた。注目すべきはこの見事なブルー。鮮やかすぎず地味すぎないドンピシャ好みのブルー、と思ったが、日本に帰ってきたら結構鮮やか寄りだなと思った。ここまで鮮やかなブルーは、日本のカシミヤ製品では珍しい色である。定価でも約7000円は激安すぎ。文句なし即購入。
 こちらはGOBIというブランドの製品。ウランバートル一等地のちゃんとした店で買ったので安心。

 使用した感想:チョー温かいし肌触り最高!!ツアーに行くときは、ウランバートルの友人の家に忘れるという大ポカをしでかして活躍出来なかったが、ウランバートル街中(日中-15℃~-20℃)で軽く首に巻くだけで暑いくらいポカポカ。日本で超寒がりの友人の家に泊まった際、試しに友人に使ってもらったが、「いつも震えながら帰る道で一瞬たりとも寒いとも思わなかった。カシミヤを買うためにモンゴル行く価値あるっていうのがよく分かった」と大絶賛だった。
 日本だと、最高気温4℃くらいまでであれば、下着+普通の服+カーディガンにこのストールをかぶるだけで余裕で外歩き回れる。福岡の冬の日の99%はヒートテックも冬物コートもなしで過ごせるようになった。
肩にかける、首に巻く、膝掛け、昼寝毛布などいろいろな使い方で活躍中。寒くなくても肌触りが抜群にいいので、つい使ってしまう。

その② GOBI GAZARのカシミヤ100%ミトン手袋(約60000トゥグルグ)

見た目は可愛いミトンだが・・・

 日本から持ってきた薄手袋では歯が立たなかったため購入。なぜかモンゴルの人は手袋をする文化がなく(皆さんダウンのポッケに手を突っ込んで歩く)、種類はあまり多くなかったが、手の甲の三つ編み模様が可愛くて気に入った。購入してから、カシミヤ生地が二重重ねの構造になっていることに気付いた。

中からもう1枚手袋が出てくる

使用した感想:コイツはすごい。-20~-30℃のフブスグル湖でデカい氷を持って遊んでも、全く手が冷たくならなかった。ヤバすぎ。同じくらいの気温の中、初日の出が出るまでの動画を3分間ずっと回せたのもこの手袋のおかげ。カシミヤだけあって、肌触りもサラサラフワフワ最高。日本で耐寒の手袋買おうとなると、スキーで使うようなめちゃくちゃゴツくてぶ厚いものばかりになってしまうので、-20℃でも余裕で耐えられるいかつい性能でも可愛いミトンを3000円で手に入れられて嬉しかった。
 福岡ではいつどのタイミングで使っても常に手にカイロを握らされてるような状態になるので全然使っていない。もうこれは記念品である。

その④ЯНМАЛのヤク毛100%レッグウォーマー(12000トゥグルグ)

スーパー長いです。

 日本ではほとんど見かけないヤク毛製品、あってもすっっごく高いけど、モンゴルでは非常に一般的な素材で、普通の服と変わらない値段で手に入る。このヤク100%レッグウォーマーで600円くらい。めちゃくちゃ安い。
 模様がいかにも北国らしくて可愛い。このレッグウォーマー、オーバーニーソックスぐらいの長さがあり、友人は「オスカル丈」と呼んでいた。ヤク毛100%でこの長さ、この値段、日本では絶対に買えない代物である。
 これは、友人が現地の人に教えてもらったという靴下専門店で購入。たぶん「ヤンマル」というんだと思う。確証持てないので買い物袋とお店の外観写真を掲載する。遊牧民文化の地域なので、住所という概念が一般的ではなく紹介が大変。

店内にはひたすらいろんな靴下があります

感想:影のMVP。このレッグウォーマーがなかったら、フブスグル湖で足が凍って死んでた可能性がある。ヤク毛はカシミヤとは違い、ちょっと毛が硬くてゴワゴワめだが、超温かい。
 ジャパニーズテクノロジーズたちのみだと、足部分はちょっと風がふくと一気に体温を奪われて冷たかったが、ヤク毛のレッグウォーマーで覆われている部分は風が吹いても雪が付着してもずっと暖かかった。日本のテクノロジーも頑張ってたけど、やはり最後に勝つのは現地の知恵なんだなと思った。動物毛はとにかくすごい。ダウンパンツのさらに上に被せて履いたので、ゴワゴワも全然気にならなかった(ヘッダー写真参照)。
 応用編として、Tシャツなどを着た上から腕に通して、事務のおばさんアームカバー最強スタイルVer.になるのも、特にモンゴルのシャワー上がりで濡れた足に通したくない時、非常に暖かく有用だった。友人にはそんな発想無かったとビックリされた。

意外と変ではない

 ただし日本の冬、外で履くともう暑すぎるので、今はもっぱら本当に寒い日室内であまり動かない時に履く。オスカル丈の必要は全くないので、つま先だけ出して、足の甲から覆うスタイルで履いている。長いといろんな使い方が出来ていい。

これも同じ店で買ったもの。日本で使うなら、こういうショートソックスタイプが使いやすそう。
モンゴルらしさ満点で安い(200~400円)のでバラまき土産にもおすすめ。日本でも北国だったら外に履いていけそう。

その⑤国営デパートのカシミヤコーナーで買ったカシミヤ100%ポンポン付きの帽子
(60000トゥグルグ)

デザインも日本でよく見かけるタイプの帽子

 目出し帽だけでは心配で、国営デパート(ノミンデパート)に山ほどある帽子の中から、耳まで覆えて向こうが透ける一歩手前くらいの一番薄かったものを購入。安い。どちらかというと、日本に帰ってきてから使う予定ではあった。
 
 感想:目出し帽をかぶっても耳が寒いときは本当に役に立った。目出し帽の上に軽く被せるだけでホカホカ。どちらかというと福岡に帰ってきてからの方が活躍してる。向こうが透ける一歩手前とはいえカシミヤなので、福岡では十分すぎるほど温かい。自転車に乗っても耳が痛くならない。

その他日本から持ってきてよかったもの


・靴に敷く用カイロ

 モンゴルでカイロは手に入らないので持って行かないといけない。特にモンゴルでは、密閉状態の場所に貼るタイプはめちゃくちゃ暖かくて役に立った。私は足以外冷え症ないので持って行かなかったが、寒がりの方は背中とかに貼るタイプのカイロも持って行くと良いと思う。

・薄手の長袖シャツ、着慣れたズボン
 都会ウランバートルの建物内はどこもセントラルヒーティングが効いていて、セーターでは暑すぎるくらいの気温になっている。
 友人のアドバイスではあるが、ヒートテックとかではない着慣れた長袖Tシャツやトレーナーは2,3枚くらい持ってきた方がよい。
 寒いときの重ね着要員や、汗をかきすぎた時の着替えにも使えたので、数枚あって無駄になることはなかった。下も、スウェットや普段着慣れている普通のパンツが1、2本あるとよい。
 部屋は死ぬほど乾燥していて、全然絞ってないタオルやテーブル平置きのTシャツも1晩で乾くので、大量には持ってこないで大丈夫。

持って行った方がよかったな~と思ったもの


・半袖シャツ、半ズボン
 セントラルヒーティングがすごいという話は先ほどしたが、特に友人の家は室温が30℃近くあり、室温調整が一切出来なかったので友人は半袖半パンで過ごしていた。30℃はさすがに暑すぎる部類だが、モンゴルの一般的な建物はどこも室温25℃前後はある。窓は開くものの、特にウランバートルは石炭の燃焼による深刻な大気汚染であっという間に部屋が煙臭くなるため、綺麗な空気に慣れている日本人には厳しいし喉が痛くなる。私は友人から半袖を借りれたが、ホテルに泊まる人は室温がどのくらいになっているか分からないので、暑すぎるときのために上下共に夏用の寝間着を1着持って行った方がいい。

・サンダル
 決してリゾートで履くようなやつではない。
モンゴルに限らず外国では玄関がなく、部屋の中で靴を脱ぐという概念がない。友人の家ではちゃんとドアの前で靴を脱ぐので部屋の床も当然綺麗だったが、ツアー中泊まったゲルやホテルの部屋は、靴についてた泥がカーペットに付着してカピカピに固まっていることも多々あった。
 スリッパでは心もとなさそうだったので、ベランダ出るときのサンダルを持ってきたらより快適だったろうな~と、お風呂やお手洗いに行くときや寝るときにスノーブーツをいちいち着脱しながら思った。

・風邪薬や解熱鎮痛剤を多めに
 モンゴルは外と室内の気温差がとんでもないため、慣れているモンゴル人ですら冬は100%風邪をひくらしい。しかし、モンゴルで日本の医薬品は全く手に入らない。当然大量に持って行くつもりだったが、解熱鎮痛剤を1回1錠と勘違いして12錠2日分しか持って行かなかった。風邪とは全く関係なく標高差で頭痛を感じた際使い切ってしまい、発熱したときに友人の貴重な貴重な日本薬のストックをいただくハメになってしまった。本当に申し訳ないと思っている。旅行日数分は持って行くべきだった。

持ってこなくても良かったなと思ったもの


・サングラス
 目の雪焼け対策で持って行った。車移動が大半だったので、そんなに必要なかった。長時間外に出て、雪原をトレッキングをするような方は持っていた方がよいのかも。

・貼らないタイプのカイロ
 ポケットに入れるタイプは外気温に容赦なく熱を奪われて役に立たなかった。

・日焼け止め
 雪焼けするかと思ったけど、ずっと目だし帽を被っていたので焼けなかった。どうしても気になる人は、顔用だけを持って行けば良いと思う。

人によるかな~というもの


・薄いダウン

着ようと思えば赤いダウンの下にも着れる

 私が持って行ったのは、小さく折り畳めて袖を外してベストにも出来るタイプのダウン。
 自称最強赤ダウンとは別で薄手のダウンがあった方がいいと言われて持って行ったけれど、ウランバートルの街中では着なかった。 
 ウランバートルを出て、ツアー中泊まった薪ストーブしかないゲルで、ちょっと寒いけど赤ダウンじゃ暑いよな~~と思った時には着た。
 あとゲルにはシャワーやお手洗いがなく、一度外に出て歩いていかないといけなかった。水場までの徒歩30秒のためにいちいち分厚いロングダウンを着ていくのは面倒だったのでこれを着た。ものすご~く寒がりで心配な方や、-20℃平気で下回っていくようなところでゲルに泊まるという非常にニッチな旅行をする時は荷物に余裕があれば入れておくとよい。なくても別に死にはしなかったと思う。ちなみに袖を外すことは一度もなかった。

・マスク
 今は治ったが昔は喘息もちだったので、大気汚染が深刻だと聞いて念のため持って行った。幸い喘息になることはなかったが、街中煙臭かったのと普通に大変風邪が流行っていたので、あって良かったと思う。コロナももう気にしないと思うので、必要ない人もいると思う。
 ただし目出し帽なしで頑張る場合は、鼻の中が凍結してチクチク痛くなるのでせめてマスクはしてた方がいい。友人によると、現地で不織布マスクはなかなか手に入らないらしい。

 実際外に出かけるときの服装は、
・顔
 ウレタンマスク
 目だし帽
 寒いときはカシミヤの帽子
・首
 カシミヤストール (ツアー中は、セーターのハイネック部分と目だし帽で何とかした。十分だった。)
・トップス
 下着
 ウールラウンドネックシャツ1枚
 ヒートテック1枚
 長袖Tシャツ、トレーナーを1~2枚
 ハイネックワンピース
 ユニクロ赤ダウン
 計5枚(下着除く)
・ボトム
 下着
 レギンス2枚
 普通の靴下&メリノウールソックス
 スウェットパンツまたはダウンパンツその1
 さらにダウンズボン
 ズボンの上からヤク毛のレッグウォーマー
 計7枚(下着除く)

 靴下を靴ではなくボトムに入れた理由は、レギンス2枚を履いた後、パンツ2本分の前に靴下2枚を履かないとパンツの裾が分厚すぎて靴下を上げることが出来ず詰むから。私は最後に靴下を履くのが習慣になっていたため、着替えの度に何度も上のパンツ2本を脱ぐ羽目になった。

・靴
 ウランバートル街中ではブーツのみ
 ツアー中特に寒いときは足用カイロを入れたブーツ

 着替える際も注意点があって、極寒地の室内はセントラルヒーティングが効きまくっているので、日本の出かける前と同じ感覚で服を着替えると本当に暑くて後悔する。着替えはあらゆる準備(メイク含む)を済ませて、出発直前5分前とかに行うことをおすすめする。

これが全て着た完成系(マフラーは友人宅に忘れた)

 友人監修のお陰で、ツアーで一緒になった友人の職場の方からは、「すごい完璧な防寒対策!現地の人みたいだね!寒いところ慣れてる?」とたくさん褒められた。現地の人みたいに見えたのは、友人に勧められるまま現地の人が買い物に行くような店で買ったものを着てたからだと思われる。

まとめると、
・日本では普段着の上下に追加で、ぶ厚めのダウン、ヒートテックや雪靴、長めの丈のセーターなど大物(?)やカイロを用意する。
・現地では動物毛素材の小物を中心に調達する。
目出し帽は絶対1枚買っとけ

 荷物に余裕があったら、現地でヤク、ウールやカシミヤの服を爆買いしましょう。日本のおしゃれセーターやヒートテック靴下が着れなくなるくらい本当に温かく快適です。

 もう日本は春。うちにもヒメマルカツオブシムシがどこからか出てきて大変です。虫害だけは本当に心配なので、モンゴルで買った防寒小物たちは、大量のムシューダを入れた布ボックスに収納、ガムテープで封印しています。
 突然極寒の地に行かないといけなくなり困っている方、参考にしていただければ幸いです。