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書評|アーロン・S・モーア著 『「大東亜」を建設する 帝国日本の技術とイデオロギー』 ――「総合技術」の失敗とその幻影――
本書評は筆者が共同運営する、建築研究会メニ―・カンファレンスにて、2020年4月に執筆したものである。 原文は以下を参照されたい。 「総合技術」の失敗とその幻影日本の近現代史を考えると、戦後の民主主義的な社会の成長に対し、戦前の帝国主義的な国家の失敗は対比的に描かれがちである。非合理的で抑圧的な国家主義が、敗戦によって合理的で自主的な民主主義へと大きく転換したといったように、先の大戦が歴史の断続として浮かび上がることが多い。これに対し本書は、戦後と戦前の二つの時代に通底す