『正義vsそうでないものたち』ゲーム・オブ・スローンズ ネタバレ感想
ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)(GoT)はファンタジー小説シリーズ『氷と炎の歌』を原作としたHBOのテレビドラマシリーズ。
先日、最終回が放送されました。
これからネタバレを含んだレビューをしますので、見る予定の人は読まないほうがいいかも。逆に、見る予定ないよ、っていう人は読んでもいいかも。
賛否ありましたが、とりあえず、僕は最高だった。
以下ネタバレしつつダラダラ書く。
正義vsそうでないものたち
最後は悪とそれを打ち倒す正義ではなく、
正義とそうでないものたち
という対比になっていたのがとてもよかったし、それがわかりやすかった。
自ら自覚している悪ではなく、正義を信じ込んでいる人間のほうが恐ろしい。
そういう、1人で正義を信じ続けるデナーリスと、ジョンやティリオンのように、自分が正しいのかどうか問い続け、答えを確信しなかった複数の人たち、という対比。
ジョンが「正しかったのか?俺がしたことは 正しかった気がしない」と問い、それをティリオンが肯定せず「俺”たち”がしたことだ。10年後また聞いてくれ」と返したところが特にそれを象徴していた。
絶対的正義のヒーローがアンパンチをして解決!正義執行!おわり!というわけではないので、お話的にはスッキリしない人が多いのも納得なんだけど。
特に、優柔不断でモヤモヤとした振る舞いをしていたジョンにはヘイトが集まっていた。
今までの王位には、自分の正義を信じる人が座っていた。ロバートも、ジョフリーも、サーセイも。もしデナーリスが女王になれば、また次の正義が国を襲うだろう。それが延々と続く。
その連鎖を断ち切る最後。
まさに物語の「最終回」というのにふさわしかった。
要するに、この物語のメッセージは、ツイッターでは脊髄反射で自分の正義を振りかざすんじゃなくて、ジョンのようによく考えてリプライしろっていうことだ。なんて現代的なテーマなんだ。
作り直しについて
「満足している者はいない それが良い妥協案である証拠かもしれない」
作り直しの声も多いが、僕は作り直しは全く望んでいない。
自分が求めた結末が訪れることのなんとつまらないことか。自分の意図しないこと、受け入れがたいことを受け入れるつらさ、というのも物語、人生の面白さ、深みだと思う。
画面が暗すぎる、とかはちょっとわかるけど…
どちらかというと、視聴者が求めているものを出した、という雰囲気を感じた。
最後の感動的なシーンでスタバのカップがでっかく映りこんでたらめっちゃ笑っただろうな、くらいしか別の物語を想像できなかった。
音楽
最終章の音楽については各話で長尺のものが多く、映画のようにそのシーンだけのものを用意したのかな、と感じた。
いずれにしろテーマ以外のモチーフが稀薄で、最小限の音付けになっている。
最終話のサム
サムが民主主義を提案して、有能な人たちに笑われる場面は、科学者などのそれを実際に見ているようでよかった。
サムはのちに教科書に載る人物になるんだろうな。っていう。
その他
最終章は、1話目から、大団円の雰囲気がめちゃくちゃ出ていて、見たいものを供給してくれて満足な気持ちと、これから誰が死ぬのか、どう崩れていくのかというドキドキする気持ちがあり。
すごい人がなんでもないときに一般人に刺されていきなり死ぬ、みたいな演出って好きなんだけど、ゲームオブスローンズでは全シーズン通してそういう展開はなかったなと。
序盤で一人くらいそういう死に方をしてもよかった気がする。
とにかく全体の感想としてはめちゃくちゃおもしろかった。
見てない人は、衣装と幼少期のブランのかわいさだけを目的に見てほしい。
シーズン8以外はアマゾンプライムビデオで見れます。吹き替えでも字幕でも。
吹き替えの森川智之さんのティリオンめっちゃすき。
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