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ロードバイクのメッカにブロンプトンで

梅雨の合間を縫って、筑波山に出かけてきました。筑波山はロードバイクでヒルクライムの練習をする人たちのメッカのひとつでもあります。ブロンプトンは「スポーツサイクル並に走れる」とはいえ、基本はシティサイクル。ヒルクライムに挑むのは若干無謀なチャレンジですが、思い立ったが吉日です。

つい先日、ブロンプトンの純正ペダルを取り外し、メイド・イン・ジャパンの「三ヶ島製作所 Urban Step-in A」に交換したこともあり、ビンディングペダルでの試走も兼ねたロングランでした。

ペタル(三ヶ島標記)の詳細はこちらをどうぞ。ブロンプトンのコンパクトさを損なわない、ワンタッチで取り外し可能な片面ビンディングペダルです。そのうち、このペタルのインプレッションも書きます。
http://www.mkspedal.com/seihin_annai/seihin_jitensya_pedal-01.htm

ブロンプトンを輪行カバーにつつみ、東京都内からJR土浦駅まで輪行。
午前9時半に土浦駅に到着しました。
日曜日ということで人影もまばらです。

JR土浦駅から筑波山までは、筑波鉄道筑波線の廃線跡を再利用したサイクリングロード「つくばりんりんロード」を通っていきます。土浦駅の北側、高架下のこの赤い道路が起点となります。

このサイクリングロードは土浦駅~岩瀬駅を結ぶ約40kmの平坦な道路で、とても軽快に走ることができます。筑波山を臨む景色も素敵で、これだけを目的に走りに来ても楽しいですね。
土浦駅を出てから約4kmは住宅街の中を抜けていきます。地域の住民の方々の生活道路となっており、歩行者も多いので、スピードの出しすぎには要注意です。

虫掛休憩所です。このように、廃線跡を利用したサイクリングロードなだけあって、駅舎を利用した休憩所が道沿いに点々と用意されており、トイレやベンチを探す必要がありません。便利です。
また、この虫掛休憩所には駐車場もあり、ロードバイクを自家用車に乗せてきた方々が、ここで愛車を降ろして準備をしている光景も見かけられました。

田園風景の中をずんずん進みます。アップダウンが皆無なので快調ですが、今日の目的はヒルクライム。脚力を温存しゆっくり進みます。

つくばりんりんロードは、途中、戦国時代に小田氏治の居城として有名だった小田城址を通ります。
小田氏治といえば、「出ると負ける」ことで有名な、戦国時代でも一・二を争うほど戦下手な戦国武将です。そのわりに家臣からの信頼は厚く、敵に奪われたこの小田城を何度も奪い返したりするなど、「常陸の不死鳥」の異名をとる(萌え)武将として、(一部コアな戦国ファンの)人気を集めています。『のぼうの城』よりさらにハードな小田氏治の人生、どこかで映画化されたりしないでしょうか。
現在の小田城址公園はわずかに本丸跡地を示す石碑が残っているのみで、当時を偲ぶ面影はありません。
米作に適した平野が広がるこの土地は、きっと当時の戦国大名たちにとっても垂涎の土地だったのでしょう。

さて、いよいよ筑波山が見えてきました。男体山と女体山の二つの峰を持つ、特徴的な姿をしていますね。
つくばりんりんロード全体から見るとまだ半分ほどの行程ですが、国道125号線と交わるあたりで右に折れ、「大池公園」に向かいます。

大池公園です。この先が筑波山の登り口のひとつ「平沢」に繋がっており、ここから「不動峠」を目指します。
このあたりから急速にロードバイクの方々の姿が増えてきます。

「平沢」からいよいよ峠道にアタックです!

……登り始めて5分もしないうちに、ギアは1速に入っていました。写真を撮る余裕もなし。

辛い。斜度6~8%程度で、全長4kmしかないこの峠道なんですが、ブロンプトン自体の登坂性能の低さ(車重の重さ+変速数の少なさ)もあり、息が切れます。途中、何度もロードバイクの方に追い抜かれていきますが、そんな中、私に声をかけてくれる方も。

「私もブロンプトン持ってるんですが、それでここ登る人初めて見ましたよ!」

……すいませんやはり無謀でした。
とはいえネットを見る限り、ブロンプトンで不動峠まで登っている方もいる模様。健脚自慢な方は是非チャレンジを。

かくいう私は。

転倒しました。

すいません、昨夜の雨で路面が湿っていたのと、道路脇にコケが茂っていたのとで、見事に車輪をとられました。ブロンプトンで不動峠まで足をつかずに登るアタック、初挑戦は完全敗北です。
幸い車体も私もケガはなく、とりあえず再び不動峠を目指します。

山道の途中から見える景色は素晴らしいです。
そして不動峠まであと500mというところで……

「斜度10%」の非情な表示。心が折れます。ここからは降りて自転車を押していきました。日に2度の敗北です、ジャック兄さん。

標高294m、不動峠です。ひと息いれて、表筑波スカイライン方面へ向かって再び進みます。

表筑波スカイラインは、筑波山の尾根沿いにアップダウンを繰り返す道です。不動峠を登る道よりは楽ですが、すでに脚力を消耗している体には、この道もなかなかきつい。

県道42号線との交差点、「風返し峠」に到着です。正直「もう、ゴールしてもいいよね?」的な気分はありましたが、せっかくなので、自転車で登れる最高到達点である「つつじヶ丘ロープウェイ」駅を目指します。

直後に後悔。

「つつじヶ丘ロープウェイ」駅はこの山の上で、風返し峠~つつじヶ丘の間はまさしく「激坂」でした。距離は1.5kmとわずかですが、斜度は10%以上あったでしょうか。

休憩を入れつつじっくり登ります。

正午12時半、なんとか「つつじヶ丘ロープウェイ」駅に到着です。

ロープウェイ駅に接続しているレトロなレストハウスで昼食休憩をとりました。食堂は窓からの眺めもよく、気持ち良い休憩ができました。

名物だということで「納豆カツ定食」を注文。「カツ・of・納豆」ではなく、「納豆・on・カツ」の定食です。納豆がカツに乗っています。

納豆とカツが連携して「こってり味」で攻めてくるところを、大量に付属しているカラシ・大根おろし・梅干などのさっぱり薬味で迎え討ち、しかるのちにご飯と合わせる、という一大スペクタクルを繰り広げることができるメニューでした。
※普通に美味しかったです。

筑波山の山頂に向かう場合は、ここで自転車を預けてロープウェイ(or徒歩)という形になりますが、午後からの天気が怪しかったこともあり、この日はこのまま下山します。

風返し峠から県道42号線へ。写真左の「筑波山神社」と書いている方面の道が下りの道となります。
ここからあとはひたすら下り坂なので、爽快このうえないです。

とはいえブロンプトンは、軽い衝撃でもハンドルを取られてしまう繊細な自転車。スピードの出しすぎは大事故に繋がりかねないので要注意です。ポンピングブレーキで速度を抑えつつ、ダウンヒルを楽しんでいきましょう。

あとあと My Tracks の記録を見てみると、下り坂では時速44kmも出ていました。ちょっと危険域でした、反省。

筑波山神社の大鳥居が見えてきました。せっかくなのでお参りしていきましょう。ビジターセンターで200円払うと、終日自転車を預かってもらえます(私の場合は1時間程度しか滞在しませんでしたが)。

石畳の参道を歩きます。こういうときにビンディングシューズは辛い。

筑波山名物、ガマの油売りの口上をやっていました。大坂冬・夏の陣の時に徳川家康の軍に参陣していた僧侶が用いた膏薬ということで、由来を表示した石碑なども建っています。

お参りして帰ります。
さらに快調に坂を下り続け、つくばりんりんロードまで戻ります。

麓まで降りてきました。筑波山神社の大鳥居と、つつじヶ丘ロープウェイがうっすら見えます。わかりづらいですが写真右のほうです。
さっきまであそこに居たとは信じられないぐらい短時間で、麓まで辿りついてしまいました。

あとはひたすら土浦駅方面へ、「つくばりんりんロード」を戻っていきます。やっぱりこの道は走りやすいですね。脚力を使い切った後でも、ゆっくり走ることができます。

道沿いにハスの花が咲いていました。

午後三時、土浦駅に帰着しました。再びブロンプトンをたたんで、輪行で東京都内へ帰ります。

ブロンプトンでの初ヒルクライム体験は見事な敗北でしたが、もうちょっと脚力を鍛えてまた挑戦したいです。

今回のルートです。
http://yahoo.jp/mcByb1

#自転車 #ブロンプトン #筑波山

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