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seiransato
蓮
「気持ちいい言葉って触ることができるって知ってる?」
「手で?」
「違うよ。」
あたしは何処に行こうとその言葉を探している。
特に唇からではなく、脳内から発せられる言葉は触れられる。
あたしは知っている。
誰もが言葉に触れたいんだ。
感触を求めたいんだ。
あたしができること、うらやましく思っているだろう。
でも、それは見つけても誰にも渡さない。触らせない。
あたしだけが触れて、愛でて、育てて、触れる。
「もういい?なにで触るか分からないでしょ?」
「・・・」
「つぶやかなければよかったかな、あなたに」
あなたは分かっているくせに。
あたしも分かっているくせに。
カタチが崩れる前に、もう一度触れておくか