痣
セックスはいつも先に仕掛けられた
部屋を暗くすることが条件
響き渡る声と愛
溢れる思いとすれ違う心
気持ちはよいのだけれどそこには一方的な思いしか注ぎ込まれなかった
顔も心も見えない行為は
あなたの心の痣を癒すためだったのかもしれない
いや
本当にあったのだ
痣が
胸の上に大きな痣が
それを見られたくないという思い
分かるのだけど
私はあなたのすべてを見たい
痣も含めて
あなたのことを
愛してしまったのだから
そんなことを思いながら、短い時間の逢瀬は続いていった。いや、私にとっては短くなく、とても長く感じた逢瀬だった。
そのときは