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日本学生支援機構の財務情報を調べてみたよ!その結果はいかに?

はじめまして。こーへいです。今日は独立行政法人 日本学生支援機構(以下Jasso)を調べたので、共有します。僕はここから多額の奨学金を貰っています。なので、その実態を調べてみるか!と思った次第です。この制度がないと、大学には通えなかったので、存在していてくれてありがとう。

この記事の目的は?

そもそも、奨学金は利子付きの制度があり、それって儲かっているっていうことなんですよね。どのくらい儲かっていて、どのくらい資産を持っていて、どのくらいの人がどのくらい借りていて、どのくらいの儲けを出せるのか知ってみたいなぁと思っています。あと、学校法人はちょっと調べたので、独立行政法人も調べてみようと思いました。あと、今まではPLが中心だったので、BSも見れると良いなぁと思っています(BSはイマイチわからないから苦労しそう)。

それと、ここに表示されるデータは全て平成28年度のものです。

貸借対照表どのような構成になっているのでしょう?

正直、B/Sの見方がイマイチ分かりません。なので、その辺の記事を参考に「こういうところ見てみた!」を発表します。まずは「資産の部」の「貸付金」という項目を見てみました。
「貸付金」とはこの法人が個人または法人に対して貸し出しているお金分の債権のことです。債権とはお金を特定の人から返済してもらう権利のことです。Jassoは学生に対してお金を貸し出しています。その貸出時にJassoは債権を発行して、それを資産として持っているのでしょう(ちょっと曖昧な理解)。
この貸付金の詳細は以下のようになっています。

第一種奨学金:2兆6419億1990万3269円、第二種奨学金:6兆4433億5213万7640円として貸し出されています。
Jassoは債権9兆0852億7204万0909円分保持しているということです。
貸倒引当金とは将来発生するであろう費用を予め計上しておくことです。今回の場合は奨学金を借りた人が何かしらの原因で返済が困難であること、不可能であることが既に予測されているということです。つまり、この△752億8467万0264円は既に返済がされないであろう金額を意味しています。いわゆる、不良債権というやつでしょう。

B/Sの資産の部は上述した貸付金がものすごい割合を占めています。下の表でどのくらい占めているのか見てみましょう。

総資産額9兆3829億0244万7319円のうち96%が貸付金なんです。
このお金に比べると、他の資産とかない同然なので、資産の部は以上にします。

ここからは負債の部・純資産の部を見ていきます。
まず、東京大学でも存在していた「運営交付費」は負債に計上されています。項目名は「資産見返負債」となっています。これは運営交付費の説明を見ると、どうしてこのような命名なのか分かります。簡単に説明すると、この負債は交付先の法人の目標達成度などに応じて、資産に計上する仕組みになっています。なので、「いずれ、資産になる」から「資産見返負債」と言われています。この資産見返負債は45億4505万6198円です。要するに、国からの支援はこれだけしか受けていないということです。残りの9兆円あまりはどこから調達しているのか、それは長期借入金です。Jassoは長期借入金に8兆1597億0563万1271円計上しています。
長期借入金は民間の金融機関などから借り入れたお金で、返済期間が一年以上のカネのことを言います。ここで一つの疑問が生まれました。

この8兆円、どこから借りているの??

調べてみると、記載がありました。簡単な表にしたので、見てみましょう。

この図はJassoが発表している資料にあった表(平成28年度財務諸表 (4)長期借入金明細)を分かりやすくしたやつです。
これらの項目は何なのでしょうか?一つひとつ説明します。

一般会計借入金、特別会計借入金とは国からの投融資を指します。運営交付費は法人を運営するための販管費等を賄うために補助されるものですが、これらは奨学金貸与業務を行うために国の国庫から調達しているものです。一般会計借入金は国の一般会計から、特別会計借入金は国の特別会計から融資を受けている点が違うと思われます。
財政融資資金借入金も国からの補助を指しています。財政融資資金から調達しているものです。財政融資資金とは財務省に良い説明がありましたので、引用します。

財政投融資とは、税負担に拠ることなく、国債の一種である財投債の発行などにより調達した資金を財源として、政策的な必要性があるものの、民間では対応が困難な長期・低利の資金供給や大規模・超長期プロジェクトの実施を可能とするための投融資活動です。

要するにそれぞれは国からの投融資であるが、その調達財源が異なるということです。

そして、この時点で分かる通り、Jassoの資金源はかなりの割合が国からの投融資であることが分かります。なぜなら、資産と負債・純資産の部の合計値は等しくなります。現状で資産は9兆3829億0244万7319円です。このうち8兆1597億0563万1271円が長期借入金です。とりあえず、グラフを見てみましょう。

なんと負債の部に占める長期借入金の割合は88%です。その長期借入金は全てが国から調達したものです。交付金を含めると、なかなかの額を国から調達しています。当然ですが。

Jassoは儲かっているの?どうなの?

結論から言うと、儲かってはいます。経常利益は44億1286万8032円です。そこそこ儲かっています。第二種奨学金は利子が付いており、その利子を得ることで儲かっています。
ちなみに、純資産の利益剰余金を見てみると、370億5413万8354円でした。着実にお金を積み立ていることが分かりました。
これを見た私「給付増やせよ!!!!!!」です。

総括

多くの資産を有するJassoでした。その多くを国から調達しており、私達の税金が財源となっている一般会計からの借入金もおよそ2兆6千億ほどとかなりの額でした。これらが本当に正しい奨学金として運用されているのか考えるべきだなと強く感じました。
私は社会人になったら、返済頑張ります。一気に稼いで一気に返したるで!

参考資料

平成28事業年度財務諸表の概要 https://www.jasso.go.jp/about/disclosure/zaimu/__icsFiles/afieldfile/2017/08/18/28gaiyou_1.pdf
財務諸表  https://www.jasso.go.jp/about/disclosure/zaimu/__icsFiles/afieldfile/2017/08/21/28fs_1.pdf
事 業 報 告 書  https://www.jasso.go.jp/about/disclosure/zaimu/__icsFiles/afieldfile/2017/08/18/28jigyou.pdf

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