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空について

見上げた先の、どこからが空なのだろう。

家のベランダから延ばした手の先はもう空なのか。

山のてっぺんから見下ろした雲の浮かぶところは空なのか。

太陽の通り道。

雲の遊び場。

月の寝床。

距離も高さも右も左も意味を持たない自由な世界。

いや、そこでは自由ですら意味を持たないのかもしれない。

空は誰の物でもないし、誰の物にも成り得ない。 

この星を優しく包み込む絶対的な無関心。

この星で何よりも広大なからっぽ。

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