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「一汁一菜」から生まれるミニマリズム。—衣食住を最適化する—

2020年になってから、シンプルに生きていきたい、と思って生活を少しずつ調整している。そんな中出会った本。

ほとんどを電子書籍にして、紙の本をどんどん手放しているのに紙の本として買ってしまった。筆者の意見や主観が多い、という意見もあるし、自分もそう思うのだが、それでもこの時代に、一汁一菜でよいのではないか?というメッセージは力強く心に響いてくる。

自分が少しずつ歳をとって、高カロリー食だと胃食道逆流症が悪くなるということが効いているからかもしれない。しかし、寿司・焼肉・ラーメンが好きな若年男性としては、頭をレンガで殴られた感じの衝撃だった。コンビニですぐに安価な食料を得ることのできる時代。自分もつい菓子パンやカップ麺に手が伸びる、という時期が長かった。しかし、体験として、コンビニで買ったものというのは摂取するのが完全に作業化してしまう。

健診で異常を指摘された人の外来を担当している。LDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールが高い、という人やHbA1cが高い、という人が訪れる。きっとこんなにも生活習慣病が問題になるのは、ここ100年くらいの話なんだろう。それ以前は一部の特権階級しか太ることができなかったのではないだろうか。飢餓から解放されたと思えば、栄養過多と睡眠不足による健康問題が生じているなんて。人間の欲望こそが病気をつくるのでは、と思う今日この頃である。

さて、本書を読んでからカップ麺や菓子パンを避けて、極力シンプルな食事を心がけている。外食もほとんどしなくなったし、通い詰めていた食べ放題も辞めた(これは本当に良くなかった)。空腹を感じてから食事をするようになった。そうすると自然に1日2食になり、集中力が増し、痩せていった。

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服も、毎朝選ぶのが面倒で、しかも何故かお気に入りと好きでもないのに着ている服があって、何のために服着てるんだ?という思考になり、好きでもないのに持っている服を全部捨てた。するとGUの黒のスキニーパンツとユニクロの紺のモックネックセーターが残った。安いし長持ちするし、デザインも洗練されていて、ファーストリテイリングは本当に最高の企業だなと思う。結局同じセットを数着買って、同じセットを着回すスタイルに落ち着いた。服を持たなくなったので洗濯物をため込むことがなくなった。起きてマットレスを畳んで、すぐに着替えてしまえば目も覚める。

何より、いつもお気に入りの服を着ているという気持ちよさ。それだけで「今日の服の組み合わせあんまりピンとこないな」とか「あの人ぼくのことダサいと思ってないかな」とか無駄な思考がなくなった。

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生活水準を上げなければいけない、みたいな強迫的な考えは一体どこから来るのだろう。無言のうちに、そういった考えが入ってくるのが都会の恐ろしさだなと思う。この仕事をしていると、いくらでも非常勤求人があって、年収1000万を超えていくのは容易いことだ。しかし、生活水準をいかに下げて、可処分時間を増やしていくかが、ぼくにとって大切なこと。

一般家庭に生まれたのは、ぼくの強いアドバンテージだなと思う。比較的生活水準を保ちたい思いが小さくなる。2020年は、どれだけ生活水準を落とせるかチャレンジしてみようと思っている。東京都心に住みながら、ミニマルライフコストを10万円以下にできないか、というチャレンジなのだが、絶対に成し遂げたい。

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身長185cm、体重79kg。毎朝5時に起きて豆を挽き、ハンドドリップでコーヒーを淹れて読書から朝をはじめ、毎日同じコーディネートの服、こだわりのある水筒に白湯を入れて持ち歩き、生活水準を下げることを目標にしている、次世代シーケンサーの解析を生業とする男。しかも21時には寝る。

結婚はまだまだ先になりそうだな。。。

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