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B'z 稲葉浩志作品展「シアン」からみるその歌詞がもつ魅力と仕事に活かせるポイント

カラオケのときの稲葉憑依力を高めるため、その歌詞にある裏側も学ばないといけないということで、GW最終日に稲葉浩志作品展「シアン」に行って参りました。

イベント情報
(5月28日まで開催中とのこと)
ニュース記事
(割と反響があるみたいです)

何を隠そうB'zは本当に好きで、同じ1988年生まれで今年35周年!笑
僕自身は今年35周年の人間の中では経験しているライフイベントが多めで割と波瀾万丈型の人生だと言い切れますが、その波が立っているときにその歌詞に本当に支えてもらっていたなという実感があります。カラオケの時にもいろいろいじりながら盛り上げに活用するときもあります。

ときに、僕の中でのB'zの魅力はライブでの表現力と稲葉さんの歌詞の2つだと思っています。これはおそらくファン層の中でも割と稀有なパターン(普通は見た目とキャッチーな音楽)ですが、逆に上記の2つにはかなり詳しいはずです。

その視点でレポートすると同時に、稲葉さんの歌詞の魅力を自分なりに改めて言語化していきたいと思います。

レポート

開催場所はまさかの東所沢。そして東所沢から徒歩10分のミュージアム。そこそこの大雨で10分歩くとそれなりに足がびしょびしょになりしんどいですが、2001年千葉マリンや2003年渚園のB'zのパフォーマンスのことを考えるとこれしきのことは大したことではありません。

気分的にはこんな感じ

入ってみると撮影OKの空間と撮影NGの空間があります。撮影OKの入り口に飾られていたこのイントロダクション。展示の理由を「第一に自己顕示」と言い切る稲葉さんの清々しさと飾らなさが素敵です。

撮影NGの空間では、稲葉さん直筆の歌詞ノートが展示されており、有名曲からファンの間で人気の曲まで、その歌詞ができあがるまでの思考プロセスが赤裸々に記されています。これが本当に「稲葉さんの歌詞深読み野郎」「曲ができるまでの過程を想像しながら音楽聞く野郎」にはたまらなく貴重なコンテンツで垂涎モノでした。

例えばですが、

RUN

「よくまぁここまで俺たちきたもんだなと少し笑いながらお前タバコふかしてる」

という(個人的には)超有名なフレーズで始まるこの曲は、僕がその魅力だと感じる「男同士の友情の強さ」を表現しているわけですが、
歌詞ノートにも、そのプロセスが赤裸々に記されていました。
男同士の友情が男女間の恋愛を凌駕する瞬間をどう表現するか、という思考のプロセスは、どこを切り取っても素敵で、歌詞には採用されていない
「打ちひしがれた胸の奥を見せ合う瞬間」のようなフレーズは、心に響きます。

愛なき道

ファーストソロアルバム「マグマ」のラストを飾るこの曲。
名古屋個人の解釈だと、結婚を検討していた彼女を重たいと思い振ってしまう男が、思い切り自分を正当化しようとしている感じの曲なのですが、
さすがに歌詞には採用されなかった一節に「デューティーフリー」ってのがあって、なるほどそういう考え方もあるなと面白かったりしましたw

これ以外にも無数に面白いものはあるのですが、、
過去の歌詞メモだけでなく、「今ある言葉の引き出し」も展示されていて、それもそれで35歳の自分世代にははっとさせられるフレーズだらけでした。一部を抜粋します。

・変化の兆しのないその生き方に愛想をつかして笑うでしょう
・煽るのやめてもらって良いですか?楽して怠惰に生きる私は、置いていかれるのでしょうか
・いい空気だけを残して死ねたらいい

展示会としても、完成度が高くよかったです!

この方の歳の取り方かっこよすぎない?汗
「最初は特に伝えたいことはないという絶望的な状態だった」なんて話も

踏まえて稲葉さんの歌詞の魅力を抽象化して語りたい

稲葉さんはおそらく、「自分が伝えたい表現」と「リスナーが聞きたいお話」の接着点を見つける天才だと思います。
以前(まさかの)ミスチル桜井さんとの対談があったときも、自分たちのファンはどんな曲が聞きたいのか?という議論が出ていたことを記憶していますが、プロダクトアウトとマーケットインのバランス感覚が優れているんです。これは本当に尊敬ポイントです。

で、リスナーが聞きたいお話というのが何かという話になってくるんですが、稲葉さんは「そこはかとなく不器用でダメなところが多いけど真っすぐな男の発想や考え」を表現するのがうますぎるんです。日本人の納税額トップに位置するカッコ良いあんなに完璧な人なのに、です。

無数にあって最高なんですが純粋想起で思いつくところで言うと例えば、

・「好きか嫌いか それだけじゃ甘いや 青臭いやつが 置いてけぼりくらうよ」(Liar! Liar!)
・「もっとボクに優しく笑いかけてほしい なるべくボクひとりだけに どこがいいのあいつのどんなとこに惚れてるの きっとだまされてるマイダーリン」
・「わかってるわかってるって 早かったり下手くそだったり やたら気が利かなかったり そりゃ他に男もできるわ」(DEEP KISS)

加えて他のアーティストに少ない魅力。それが友情にまつわる表現力です。
やはり音楽はその性質上、恋愛や社会情勢に振れることが多いですが、彼が歌う男同士の友情は、友人と盛り上がった飲み会のあとに聞きながら帰るには最適なのです。

・「時の流れは妙におかしなもので 血よりも濃いものを作ることがあるね」(RUN)
・「みんな生まれも育ちも違ってるし べったりくっつくのは好きじゃない いざというとき手を差し伸べられるかどうかなんだ だからなんとかここまでやってこれたんだ」(Brotherhood)

このせいもあってか、このシアンというイベントの客層は普段のライブと異なり男性が多かった気がします。

最後にもうひとつ。絶望的な人状況にいる人の救い方・励まし方です。僕が一番好きな一節がこれ。

「光を求め歩き続ける 君の情熱がいつの日か 誰かにとっての光となるでしょう」(光芒 / 2006)

光芒はファンの中でも人気の曲で、4分間ひたすら絶望的な状況であることをくらーく激しく歌った後、最後にこのメッセージを投げかけるのですが、
決して「光を求めていればいつか見つかるよ!」とは言わないんです。光を求めて行動をすることが「誰かにとっての光となるかもしれない」という、凹んでいる人にとっては斬新な励ましなのです。確かにそうかも!と思えるわけです。発見があるんですね。

んで、会場で彼も少し種明かしをしていました。歌詞は「アンテナの張り方」だと仰っていました。
結局そうなんですよ。良質なアウトプットは良質なインプットからしか生まれない。私も良い仕事をするためにたくさん勉強しないとなと前向きになる展示会でした!!

他にも、彼が語る「自由とはというテーマで伝えようとしていること(自由と責任の話)」だったり、「FRIENDSシリーズの奥深さ(果たして愛とは何なのか)」だったり、「言葉の組み合わせで秀逸になりすぎているフレーズ(感動的な足取りとか)」だったり「頻出してくるSoul的な概念」など語れりたいことは本当に多々あるのでこの記事に反響があったらそれぞれで2000字ずつは書けるので書いていきますw
もちろん素敵な愛情の曲だったり世の中に問いかけている曲だったり前向きにアスリートや仕事する人を励ます曲も良い。全部素敵です。笑

いつかB'zの仕事がしたいです!(未遂になったことはあるのですが)
ただ単に好きなだけでなく、ちゃんと世の中との接着点を見つけていくことができるはずです。
なんでもやるしできる方だと思うので、案件ある人お声かけくださいませ!

ではでは!

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