ごちそうさまでした
僕が鹿児島に移住した年の冬、名山の角に突如現れた旅と食堂kikiは、まだあまり鹿児島に友人がいなかった当時の僕にとって、何でも話せる唯一の場所だった。
ここで出会って仲良くなった人たちは数え切れないし、移住してからの僕の交友関係はkiki無くしてはありえなかったように思う。
そんな場所が、9月で無くなってしまった。
とはいえ、長くお店を続けていれば、色々なことが起こるし、お店を始めた当初は見えなかったものが、自然と見えてくるものだ。
移動が多く中々鹿児島にいることができないけれど、幾度となくご飯を食べに行ったし、県外から友達が鹿児島に遊びに来るときは、必ずkikiに連れて行った。
あの場所で、「あら、おぎくんおかえり」と言われることはもう無いのかと思うと少し寂しいし、kikiの最後に立ち会えなかったのはとても残念ではある。
最後にもう一度だけくちぶえサンドイッチを食べたかったな、なんてのは無理な話か。
本当に、今までごちそうさまでした。
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