エルデンリング ナイトレインの発表についての所感と不安
エルデンリングナイトレインが発表されました。
https://www.famitsu.com/article/202412/27477
https://www.youtube.com/watch?v=x3QShHqQHQc&t=1s
正直エルデンはだいたい一区切り、現在動いている企画は無い~みたいなニュアンスの事をDLC発売後にどこかで言っていた気がするので、今回の発表はかなり寝耳に水と言うか、驚きばかりが先行しています。
正直なところで言うと、期待4割、不安6割、程度の心構え。
●そもそもなぜエルデン続編
基本的に想像での話となりますが、まぁ間違いなく中継ぎタイトルという事だとは思います。
今までのフロムは2015のブラボ発売以降
2016ダクソ3
2017ダクソ3DLC
2019セキロ
2022エルデンリング
2023AC6
2024エルデンDLC
と言った感じで密期と閑散期を交互に繰り返しつつも一本一本のクオリティをしっかりと確保した形で今の評価を得るに至っています。
個人的な予想では明らかな閑散期に入るイメージだったので少なくとも1年はリリース無し、あるいは簡単なAC6のDLCなどで繋ぐかなぁと思っていたのですが、社内の方針かどうかは解りませんが、そういった隙間の期間を避けて今回中継ぎのタイトルをリリースする方向性を取ったんだと思います。
メインのスタッフなどは次期主力タイトルに回っていると思いますし、インタビューを見る限りだと次世代の人員育成や既存のスタッフにより重要なポジションでのゲーム制作へ関わる場として用意された感じもします。(エルデンのバトル担当の方がディレクターとのこと)
極論を言えばエルデンの素材と知名度を使って次の大型タイトルまでの隙間を埋められるようなチャレンジングな作品をリリースして場を繋ごう。
と言う感じ。
正直エルデンの名前が付いていればかなり売れるだろう、という感覚は理解できますし、次世代を育てつつ、時期メインタイトルまでの中継ぎ要因として一種のマルチゲームを展開するというのは選択肢としては十分理解できますし、予想しない択なれど十分強い択であるなぁというのは確かです。
●不安
ただ不安が多い。
今回文章にしたのもこの不安を共有したいところが大きい。
端的に言うとかなりらしくないタイトルだと感じていて、一時期のACネクサス時代の粗製乱発感が蘇らないか、たぶん大丈夫だろうとは思いつつ少し不安になったりもします。
・ゲームシステムについて
いわゆる一時期流行った(今も?)マルチプレイのサバイバルバトルロイヤルゲーム(マップの外側が縮小していきその中で生き残るやつ)をかなり踏襲している様子があり、日中の要素ではハクスラ的な部分も多様に見られます。
別にフロムを讃えるために言うわけではないんですが、基本的にフロムのゲームシステムはフロムが作り他が真似るといった感じの一種先進的、リーダーシップとなる物であることが多く、ソウルライク、セキロライクといった後発ゲームや、ACライクと言う言葉はあまり無いものの、メカカスタマイズアクションと言えばACがはじめに出てくる率はかなり高いとは思っています。
そんな中での今回のシステム的な試みは基本的に他所で培われた物を面白そうなところを引っ張って来てつなげたような構成であり、3人マルチプレイを前提としている点を含めてもすごくフロムらしくないという感覚が強いです。
まぁ新しい試みなので、そうなるのはやむなしな部分もあるかもですが、フロムには常に新しい物を生み出す立場でいてほしいというファン心理もあったりします。
・過去作からの登用
これもらしくない。
フロムは基本的に過去作と繋がってるかもなぁ……?
みたいな匂わせはどんどん出してくる一方で明確に過去作のキャラクターや要素を出すことは月光剣などの一部スターシステム的なものを除いては結構稀で、今回の物がファンサービスを意識したものなのか、それともモデル流用などにより工数を削減するための施策なのかは解りませんが(ものが違うのでそもそも流用できるのかもわからない)、どちらにせよらしくない感じが目立ちます。
まぁ、シナリオ的にエルデン本編との接続は無いし、カオスなパーティーゲームとしてのファン要素+少しの工数削減などが目的とすればokも出るものなのか。
・開発期間が短い
基本的にフロムは開発力はそこまで高くはない、と思っている会社です。
複数のラインが動いていることは解りますが、上記のように一定期間リリースの無いタイミングが続いており、昨今の開発費高騰などのあおりも受けて、むちゃくちゃ売っているし、有名だし、良い物を作るけれど、されど盤石でもないし、最強でもなし、自社単体で何でもできるわけではない、といった感じのポジション。
本当にDLC終了時点であまり企画が立ち上がっていない状態であったのならば一年強程度の開発期間しかなかったことになり、日々納期のデーモンに脅かされDLCでも納期のデーモンが暴れまくっていたフロムの作品にしてはあまりにも短期的な投入になると感じています。
正直ここのところは一作一作が間違いなく傑作という高い信用を勝ち取るに至った経緯もあり、中途半端なものを出して評価に傷をつけるぐらいならリリース無しの期間でも待つよ、と言った気持だったりしますが。
そこ辺りは社内の事情なんか全く知らない外野のたわごとにしかならんでしょうね。
●ぶっちゃけ楽しみな部分
苦言ばかり並べましたが正直なところゲームシステムとしては好きなんじゃないかと言う感じがしています。
端的に言えば日中は汎聖杯に潜り武器ハクスラとレベル上げ、夜はボス戦のサイクルを3回繰り返して、その後恒久強化に使える血晶石がもらえる。
みたいな感じのローグライクに近い構造のゲーム性のようなので、まぁ好きっちゃ好きなんですよね。
フロム作品ってレベルさえ上げればいくらでも楽になるものが多いので正直レベルを上げることに躊躇しがちなんですが、制限時間がある中で探索リソースをどのように工面するかを考慮しつつ、買い物やレベル上げに共通して使えるルーンの扱いなどもどのようにリソースを振り分けるか通常のソウルライク以上に生きる構造になっていると思います。
アクションゲームとしては間違いなく面白い下地をお出しされたなという感覚はあるので、あとはその面白さだけでしっかりとした評価を勝ち得るか否かと言ったところ。
一応ソロでもできるらしいですし。
正直買うか買わないかで言うと未知数なところだったりします。
ストーリー的にはそこまで意味のある作品にはならないでしょうし、フロムの深く味のあるダンジョン探索などを期待することもおそらくはできないと思っています。
フロムゲーに求めていたものとは全く違うものがお出しされる感覚は間違いなくあるんですよね。
願わくば世の中にとって需要を満たした評価される作品として着地しますように。
またフロムの冬の始まりとなりませんように。