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活躍する現役ライターに聞く!案件を獲得するコツや愛用する仕事道具は?~兼業ライター 千鳥あゆむさん編~

本業ではwebディレクター、副業としてはライター5年目を迎えた千鳥あゆむさん。平日は本業に励まれているにも関わらず、月間に執筆する本数は40~50本だそう!

そんな兼業ライターをされている千鳥さんは、学生のときに趣味で執筆していた企画記事がきっかけでライターの世界へと足を進めました。

今回は、千鳥さんに、兼業ライターを始めた経緯や仕事を両立させるコツなどを伺いました!

ライターを始めたきっかけは投稿していた企画記事

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中学と高校の教員免許を保有しているという千鳥さん。学校の先生を目指して勉強していたなか、ふとしたことがきっかけでライターへの道を歩み始めることになったそうです。そんな千鳥さんがライターの世界へ足を踏み入れたきっかけになった趣味や一言とは?

ーーそれでは、千鳥さんがライターになったきっかけについて伺えますか?

もともとは、学生の頃にデイリーポータルZの「自由ポータルZ」という読者投稿コーナーに応募していまして、何回か記事を取り上げてもらったことがあったんです。それが、ライターとして記事を書き始めるきっかけになりました。

ーー「自由ポータルZ」では、どのようなテーマで書かれていたのですか?

たとえば、餃子の中身を二ラではなく、バジルやパセリとかいろいろな葉もので作ってみるといった内容です。それで、記事を取り上げてもらえるようになってから、「ライターに応募してみようかな」と思うようになりました。

そして、ヌートンというメディアにライターの応募をして、通ったのが大学院1年生の終わりのときです。それから、ライターとして記事を執筆するようになりました。

ーー学生のときにライターデビューされていたんですね!ライターの道を選ぶことに迷いはなかったのでしょうか?

正直なところ、ライターと先生、どちらの道を選ぶかとても迷いました。大学院を卒業したら教員として働く流れになるんですが、その時に合格していたのが中学校の国語の先生でした。ライターの応募が通ったときは、中学校の国語と社会、高校の国語と地歴・公民の免許も取得していたんです。

ライター応募に通ったのが大学院1年生の3月でしたが、教員は副業をほぼできないんです。公立の先生は許可を取れば副業が可能な場合もありますが、ネタ記事で許可を取る勇気はありませんでした(笑)。

ーー確かに。ネタ記事では副業を申請するのは、とても勇気が要りそうです。

「執筆業は副業に通りやすい」と聞いたことはあったんですが、「教科書関連の執筆でなければ難しいだろうな」と、その頃に不安になってしまいました。それで、「ライターになりたいから、民間の副業ができる会社に勤めよう」と方向転換することにしたんです。

ーーライターの夢というのは、千鳥さんにとって大きなものだったんですね。教員としては働かなかったのでしょうか?

ライターになることが決まった少し後くらいに、所属していた大学の附属小学校で「書写の非常勤講師を探している」という案内が来たんですね。書道の段位は保有していませんでしたが、中学校と高校のときに書道部だったのもあり、経験を活かせるかもと思いました。

「書写を教えられる人がいないので、やりませんか?」と、直接お声がけいただいて「ぜひやってみたい」と思いました。1年限定の非常勤講師という面もあるし、ちょうど就活するにあたって「先生にならない人生も残念だな」と感じていたんです。

折衷案として、非常勤講師は「ちょうど良い」と考えて引き受けることにしました。そして、大学院2年生の1年間は、小学校の5年生に書写を教えていました。

ーー小学校の授業で思い出に残ったことなどはありましたか?

私が受け持ったクラスが、少し指導が難しいクラスだったんです。授業を始めた当初は、立ち歩いてしまう子や教室の隅で遊んでいた子もいました。それが、1年後には皆ちゃんと座って授業を受けられるようになって、しっかり標準くらいの字を書けるようになった子もいたのは嬉しかったですね。

ーーおお!きっと、生徒さん達に千鳥さんの熱意も伝わったのでしょうか。

その子自身が1年を通して成長したのかもしれませんが、短い期間でもそういった児童達との関わりを持てたことは嬉しかったです。現場を経験したことで、「先生として働きたい」という心残りを感じずに、兼業ライターへの道を歩めるようになりました。

大学院教授の何気ない一言がライターの世界への後押しになる

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ライターを目指す理由は人それぞれにありますが、教員を目指していた千鳥さんの場合はどうだったのでしょうか?千鳥さん独自の方法ともいえる、ライターの勉強法にも注目です!

ーーライターとしてやりがいを感じるときは、どのような場面でしょうか?

企画記事などで読者さんから直接反応をもらえるときや、無記名記事でも、クライアントさんから直接感想をもらえると「役に立てているのかな」と嬉しく感じます。

ーー反応をいただけると励みになりますよね。千鳥さんはライターの勉強はどのようにされて来られたのでしょうか?

いえ、自分で応募してライターになれたので、特に書くことを学んではいないです。記事を書いてみようと思ったのは、大学院の教授から「書いている内容はともかく、文章が読みやすいね」と言っていただいたことがきっかけです。そのときに初めて、人から書いた文章を褒められました。本当に何気ない一言でしたが、当時は書くことが好きだったので背中を押してもらいました。

ただ、勉強と言えるかわかりませんが、一冊だけ参考にしている本があります。「悪文」という本で、新聞紙や週刊誌のなかの誤った文章を「ここが良くない」という内容で書かれています。「1文を長く書きすぎない」「句読点の位置が間違い」など、文章の誤りが指摘されていて、自分が怒られたような気分になりながら読んでいます(笑)。

あとは、ライターになる前に1年間だけインターンで教育系の記事をひたすら執筆していた時期がありました。その期間に、執筆することに慣れたように感じます。


ユーザーの「これがほしい」を形に変えるwebディレクター

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「在宅ワークができるようになってから、ゆとりが生まれた」と話される千鳥さんは、エンタメ系サービスのwebディレクターを担っています。コロナ禍後に変化した仕事スタイルについて教えていただきました。

ーーwebディレクターというと多忙なイメージがあるんですが、毎日どれくらいお仕事をされていますか?

私が所属する開発チームは、昼から20~21時まで働くイメージです。お子さんがいらっしゃる方だと、9~18時までにしたりとか、人によって働く時間も変わります。働く時間はさまざまですが、私の会社では基本的に残業をする人は少ないです。

ーー在宅で仕事をする日もあるのでしょうか?

コロナ禍になってから会社の方針が変わり、フルで在宅ワークがOKになりました。コロナ禍が落ち着いた後でも、在宅で働けるのが嬉しいですね。新卒1~2年目は通勤していたので体力が削られてしまって、ほとんど記事を書けませんでした。でも、最近は通勤せずに体力が残っているので、執筆が進むようになったと感じています。


兼業ライターとして月に40~50本書く生活スタイル

千鳥さん仕事環境

千鳥さんは、兼業ライターとしての道を歩み始めた当初から、直接営業やスカウトなどで案件を取得されていたそう。現在、千鳥さんが月に40~50本執筆されるために工夫されているポイントとは?

ーーそれでは、現在は兼業ライターとしてどのように働かれているのか伺えますか?

現在、コエテコbyGMOを含めてクライアント様は4社います。ライターを始めた頃に、偶然にも本のメディアさんからお声がけいただいて仕事につながったこともありました。平日はwebディレクターとして働き、休日に執筆活動をしています。

ーー案件を取得する際に、クラウドソーシングなどは利用しましたか?

いえ、クラウドソーシングは利用しておらず、企業様と直接取引をして案件をいただいています。これまでに利用したことがなかったので、ライターを始めてから「クラウドソーシングで仕事を探す方法もあるんだ!」と知りました。皆さん、色々な方法で仕事を取得しているんですね。

ーーwebディレクターとして働かれながら、どれくらいの本数を執筆されているのでしょうか?

1本あたりが短い時間で書き上げられるくらいの文字数なので、月に40~50本を執筆しています。現在は、リリース起こしのような記事を多く執筆しています。土日中心に執筆しているので、あまり大変だとは感じませんね。


趣味は、読書と同人即売会に出す本を執筆すること

ーー普段、千鳥さんはどのような本を読まれているのでしょうか?

エッセイと純文学系が多いですね。さくらももこさんのエッセイは好きで読みますし、最近は、こだまさんが好きです。こだまさんが書かれた本にはドラマ化されたエッセイもありまして、ずっと追って読んでいます。さらっと読めるので、良い気分転換になりますね。

ーー他にも、趣味などはありますか?

趣味は、同人即売会にたまに本を作って持って行っています。コミックマーケットのようなイベントで評論ジャンルというのがありまして、体験談をまとめて書いたりしています。以前は、友達と何人かで執筆してグルメ本を作っていました。「魯山人の料理を皆で作ってみよう」とか(笑)。

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ー思わず手に取ってみたくなるタイトルですね!

子ども達からも注目を集める!「取材」腕章がこだわりの仕事道具

千鳥さんが愛用している仕事道具は、取材時に起きたトラブルをきっかけに探し出したものだそう。取材時に子どもと関わることもある千鳥さんは、非常勤講師をしていた頃の経験を活かして対応しているとのこと。取材をするときの撮影方法についても、詳しく教えていただきました。

千鳥さん腕章

ーーそれでは、千鳥さんが愛用している仕事道具について教えていただけますか?

愛用している仕事道具は、取材に行くときに身に付ける腕章です。コエテコbyGMOの取材がきっかけでしたが、プログラミングの子ども達のイベントに行くと、保護者の方もカメラを持っていることが多いんです。そんな中で、私くらいの年齢の人間が立ち歩いていると、スタッフさんから保護者に間違えられることもあって。実際に、「そちら(関係者専用エリア)には入らないでくださいね!」と声をかけられることもありました。

それで、腕章をつけて取材であることをアピールするようにしています。あとは、腕章がついていると、子ども達が「取材だ!」とテンションが上がってくれるのも嬉しいなと思っています。

ーー取材の腕章は、初めて見たような気がします!

なかなか見つからなかったので、結構探しました。本当はイベント用のスタッフのユニフォームを貸し出してもらえたら有難いんですが、そのようなイベントはなかなかありません。運営の人や保護者の方に不自然に思われないようにと思って、付けるようになりました。

ーー大きなイベントを取材する際に、気を付けているポイントは何かありますか?

私がイベント取材をするときに気を付けているポイントは、2つです。1つ目は、お子さんと話すことが多いので、聞き取りやすいように話し方をゆっくりにすること。2つ目は、私は身長が170cmくらいあるので、膝をついて、目線をお子さんと合わせて喋るようにすることです。これは、小学校の非常勤講師をしていたときに他の先生から教わりました。

あとは、プログラミングのロボットを戦わせる予選を取材するときには、デジカメで撮影するので本当に近づかせてもらって接写で撮っています。あるいは、そのときだけスマートフォンでズーム機能を使っています。

食レポのような感情を爆発させる記事は苦手意識を持つことも

ーー兼業ライターをされていて、筆が乗らないときはあるのでしょうか?

本業の後は疲れてしまって、筆が乗らなくて「しんどい」と思うときがあります。集中力が切れてしまっているときには、諦めて一回仮眠をとるようにしています。仮眠をとった後には不思議と、作業時間も半分くらいの時間で終わるようになります。だから、最近は本業の後はなるべく執筆を入れないようにしています。

執筆するときにはYouTubeを流していた方が集中できるので、いろいろと流しながら仕事していますね。

ーー私も音楽が流れている方が集中できるように感じます。ちなみに、千鳥さんが自分の弱点だと思うポイントはありますか?

企画記事などで顔を出して、「わ!美味しい!」と感情を爆発させて伝えるような食レポ記事は少し苦手です。私の普段の文章は淡々としていて、感情を爆発させた記事が難しいんです。しかも、表情が固いのもあって、顔を出した企画記事などはなるべく引き受けないようにしています。

自分をさらけ出して、「イタイ人」だと思われたらと不安に感じてしまうんですよね。あと、女性ならではの悩みかもしれませんが、見かけを気にしてしまう部分もあって、顔出し系はどうしても苦手ですね。

得意ジャンルを作っていくことが今後の課題

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ーーコロナ禍が落ち着いたら、挑戦してみたい仕事などはありますか?

今はほとんど取材に行けていないので、屋外での取材をしたいと思っています。以前は街歩き系の記事などを執筆していたんですが、今はコロナ禍であまり受けられないのが残念です。企画系の街歩きの記事は、執筆していても楽しかったんです。

あとは、まだ自分のなかで「これがすごく得意」とか「これがすごく苦手」など、明確なものがないのが課題ですね。強いて言えば、知識がある教育系は比較的執筆しやすいですが、明確に得意とはいえないかもしれません。今後は「このジャンルだったら得意です!」と明確に言えるようなジャンルを作っていきたいです。

ーー今後の千鳥さんの活躍も楽しみにしております。本日はありがとうございました!


非常勤講師として学んだことは子ども達への取材にも活かせる

今回は、小学校の非常勤講師やwebディレクター、取材ライターなど幅広い職業を経験されてきた千鳥さんが培ってきた仕事術について伺いました。

多くの経験を重ねることは、「ライターとして記事を執筆する際に糧になるのだな」と感じました。兼業ライターは時間管理が難しい面があるかと思いますが、千鳥さんは上手に気分転換をしたり独自の勉強法を見つけたりしておられ、独自のスタイルを確立されているなと感じ、見習いたい部分がたくさんありました。

次回は、マルチに執筆活動をされている少年Bさんを取材させていただきます。
お楽しみに!

 


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