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【店舗デザイナー】になる方法とお仕事内容を元インテリアデザイナーが教えます!

私の前職はインテリアデザイナーです。
店舗を設計していました。

『インテリアデザイナーになる方法』で検索すれば、たくさんの情報が簡単に得られます。
就職情報や学校の先生からの情報にはない、元インテリアデザイナーならではの内部事情をご紹介したいと思います。

あなたは、インテリアデザイナーになりたい!と希望し、設計を学べる大学や専門学校をリサーチしている段階でしょうか?
または、店舗設計会社へ就職希望し、企業をリサーチしている段階でしょうか?

学校では、インテリアデザイナーには店舗専門と住宅専門があると習ったと思います。
実は、店舗デザインの会社も専門分野に分かれています。この内情は、学校では習いません。

あなたが設計デザインしてみたい分野は何ですか?何をデザインしたいですか?

例えば、飲食店の設計デザインをやってみたいと希望しているのに、アパレルに強い会社に就職したら、あなたはジレンマを抱えるかもしれません。

将来、店舗デザイナーになりたい方のために、どのような事を勉強し、どんな会社に就職したら良いか、就職したらどんな仕事をするのかを詳しくお伝えします。

|インテリアデザイナーになる方法

インテリアデザイナーになるためには、特別に資格を取る必要はありませんが、図面が引けないといけません。

インテリアデザインの専門学校や大学の建築科、または美術大学に行き、建築や設計の基礎知識を勉強します。

デザイナーが使うVectorworks、IllustratorやPhotoshopは学生時代にマスターしましょう。Macを使えた方が有利です。

正直、学歴はあまり関係なく、この業界は個性的であることが好まれます。

学生時代にポートフォリオをストックしてプレゼンボードを用意し、個性をアピールできる力を育んでください。デザイン力はもちろん、個性、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力はとても必要になります。

クライアントとのコミュニケーションはもちろん、業者の職人達との密なコミュニケーションが、良いものを作ります。

|インテリアデザイナーとは

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インテリアデザイナーとは、インテリアをデザインする職業です。

インテリアと一言にいっても、一般住宅を設計する設計士と、店舗を設計するデザイナーに分かれます。
店舗はデザイナーと呼ばれ、住宅は設計士と呼ばれます。

どちらもクライアントからの依頼を受けデザイン設計し、住宅が建つまで、店舗がオープンするまでを手掛ける仕事です。

■店舗デザイナーとは

店舗デザイナーとは、店舗をデザイン設計する職業です。
クライアントは企業や個人店舗主になり、クライアントも店舗を立ち上げるプロです。
ここが、住宅デザイナーとの大きな違いです。

主に業界では、店舗設計を手掛ける会社は【内装屋】と呼ばれます。【建築屋】(建築会社)が建てた建物の内装を手掛けるからです。

路面店で全ての設計を依頼される事もありますが、仕事の割合的には少ないと思います。

内装屋の中でも、さらに分かれます。
設計施工会社は【施工屋】呼ばれ、デザイン会社が元請けで、施工会社はその下請けで仕事をする事もあります。

■施工会社

設計者、営業、現場管理、経理・総務の事務職が揃い、設計から施行までを請け負いますが、施行だけ受ける場合もあります。(下請け)
そのため、ある程度規模の大きい会社になります。

営業や現場管理の存在はありがたく、仕事を取ってくる事はもちろん、クライアントと施工業者の間に立ち、細かい金額の打ち合わせ、見積書の制作などを一手に引き受けてくれます。

現場管理が居るので、作業現場にずっと居なくてもよく(新人を除く)オープン立ち合いにだけ行く人もいました。

このように、デザイナーは設計に集中できます。

■デザイン会社

デザイン会社のデザイナーは、施工会社とは違い、営業も管理者も居ませんので全ての仕事をこなす事になります。

営業も発注も見積り制作などの細々した事務仕事も本職のデザインの他にこなします。

逆に言えば、一から全て仕事を見る事ができ、全ての決定権と責任があります。

デザイナーの仕事は多岐にわたり、店舗内装のデザインだけでなく、外装も受注する場合もあります。
商品ディスプレイや販促物のデザイン、POPデザインまで頼まれたり、コーディネーター的な仕事もします。
また、展示場の設置の仕事もします。

店舗オープンに関する全てのデザインを一貫して頼まれる傾向があります。そのため、デザイナーは図面を引くソフトの他、パースを書くソフトも使えますし、IllustratorやPhotoshopにも精通してます。

|仕事の流れ

施工会社、デザイン会社とも共通の流れです。
途中工程が何度も繰り返される事もあります。

店舗は住宅と違い現場作業は、閉店後に行いますので、徹夜作業になります。

店舗の特徴の一つとして、打ち合わせから提出、提出からOpenまでの期限は、極めて短期間になります。

これが、店舗デザイナーの仕事がキツイと言われる所以です。

|仕事内容

■打合せ

クライアントと打合せ
初回の打合せでクライアントの要望、イメージ、コンセプト、ターゲットなどの聞き取りをします。
おおよその予算を打診される場合もあります。

■プレゼンテーション
(レギュラークライアントまたはコンペ)

クライアントとの要望を踏まえ、デザイン・設計します。
ソフトはVectorworksで図面を引きます。

プレゼンの準備のために、プラン(基本図)コラージュ、パース、企画書を用意します。
コラージュではIllustrator、Photoshopを使用します。

Vectorworks、Illustrator、Photoshopは、施工会社、デザイン会社問わず、インテリアデザイナーが通常使用するソフトです。

パースは手書きのスケッチの場合や、3Dソフトを使う場合があります。
パースに関しては、各会社によって色々なソフトを使っていた印象です。

プレゼンの段階で見積書も提出しますので、事前に各施工業者に相見積もりを取ります。
この段階で業者を決め、施工の予約を抑え絶対変更不可の引き渡日(Open)を伝えます。

変更が多く工期がどんなに短くなっても引き渡し日の変更は絶対にありません。

コンペの場合は各社渾身の本格的なプレゼンボードや企画書を作ります。
レギュラークライアントの場合はもう少しラフになります。図面、スケッチだけで打ち合わせをする事がありました。
プランは2〜3プランを提出します。

■現調

図面を引く前に必ず現調に行きます。
建築会社からもらう図面は実際の寸法とは違う事が多々あります。1mm違えば什器は収まりませんので、絶対に必要不可欠な作業になります。

■図面製作(施工図)

現在はドラフターを使った手書きの図面はごく稀で、主にパソコンで引きます。

大規模な店舗の場合は、施工図の量がありますので、図面屋と言われる外注に出す事もあります。

ちなみにデザイナーはMac使用者が主流で、建築会社はAutoCADを使うでWindows使用者が主流です。

インショップの設計の時は、建築会社の引い建築図面をもらい(AutoCADからVectorworksに変換)それを元に現調し、図面を引きます。

クライアントにデータを送信する時は互換性がないので(ほぼ、クライアントはWindows)データを軽くし、JPGに変換してWordに貼って送る事があります。

見積書を作る場合を除いての、通常の業務でWordやExcelを使うことはありません。

■施工業者に発注

事前に見積もりを取るために、ラフプランや基本図を渡してますが、製作するための施工図を渡しまして、図面を元に業者と最終的な打合せをし、正式発注します。

ここで、見積の再調整が出る場合もあります。
気になる箇所がある場合は業者の元に出向きチェックする事もあります。

■現場設置

什器はおおむね本体を作り、現場で最終的な仕上げをします。 

Open前日の夜に設置工事に入ります。店舗の規模により工事日が2〜3日になる事がありますが、いずれも徹夜作業になります。
新店舗のショッピングモールなどの場合は、昼間作業になります。

什器設置が終わった後に、クライアントが商品陳列しますので、その手伝いをします。

■引き渡しOpen

Open後一般客が入り、その後解散です。

徹夜作業の後ですが、次の日休みになることはなく出社します。インテリアデザイナーは肉体労働でもあります。

|会社によって得意なジャンルがある

店舗デザイン業界は、アパレル、物販、飲食、化粧品にそれぞれ特化した会社があります。

クライアント、百貨店、各ショッピングモールとの長い付き合いの中で独自のルール、暗黙の了解が多々あり、超特化になりますので新規参入は難しいのが現実です。

例えば、現実的には、アパレルに強い会社に入れば、アパレルの仕事ばかりになるでしょう。

就職する際には、自分が手掛けたい仕事をよく考え、各社のホームページ、求人情報をよく見てその特徴を捉えてください。
各社、表向きには何に特化しているとは詠いません。

|まとめ

インテリアデザイナーになるには設計を学ぶ学校に入学し、施工会社やデザイン会社に就職します。

仕事内容は、クライアントからの要望を受けてデザイン設計する仕事です。
設計から施行、設置、Open引き渡しまでの仕事です。ディスプレイや展示場デザイン、販促物のデザインまで手掛ける事があります。

図面はVectorworksを使って引きます。
プレゼンや、販促物のデザインではIllustratorやPhotoshopも使いますので学生時代に習得しておくと有利です。

今の若い人は違うのかも知れませんが、私がデザイナーになりたいと親に言った時、私の親や周りの人は「何を夢のような事言っているの!」と取り合ってくれませんでした。
デザイナーという職業は、勘違いされる事があり、それが私の反対された原因かと思います。

デザイナーはアーティストではなく、会社に勤めるのならサラリーマンです。
クライアントの要望に応えてデザインするという職業です。

デザイナーになれる人は【なろうとした人】です。デザイナーになると決め、行動した人はなれます。

臆する事なく目指してください。
素晴らしい職業だと心から言えます。


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