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【小春の着付教室】第70号●着物:衿合わせ(3)

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

前回の続きで、背中心が決まり後ろの衿がピッタリ合った状態からお伝え致しますね。

まずは後ろの衿の確認

背中心が決まり、後ろの衿が決まると、次に下前側を決めますが、その前にちょっとだけ確認します。

後ろの衿ですが、着物の衿から長襦袢の半衿が出ていませんか?
長襦袢の衿が見えているようでしたら数ミリ控えまして、着物の衿からは見えないように整えます。
耳たぶから後ろは、この時点で完璧にしておきます。
この確認を終えてから次に進みます。

下前の衿を決めます

コーリンベルトで下前の衿を留めますが、コーリンベルトを使用されない方はコーリンベルト使用部分は飛ばしてくださいませ。

半衿の幅(出し具合)を決めコーリンベルトの留め具で留めましたら、その位置から下前のおはしょり分は全て上げてしまいます。「三角に上げる」ところですね。

そして右脇の腰骨に決めるおはしょりの位置は、既にお伝えしていますとおり高めにしておきます。
この部分はおはしょりのところで説明していますので、もう一度よくお読みになってみてくださいね。

内側に折り上げたところの折り線はヨレが出ないように綺麗に整えておきましょうね。変なシワが入ってしまったり、厚みがあったりしますと
モコモコ~になってしまいます。折り紙のように、丁寧に、綺麗にです。

ここは着上がり後には見えないところです。内側に入ってしまうところですが、処理の仕方では表に影響します。
手を抜かずに丁寧に整えることでスッキリした着物姿になります。

半衿の確認

コーリンベルトで止める前にお好みの半衿の幅は確認していますでしょう。コーリンベルトで留めた後にも、もう一度確認する習慣は必要です。

下前のおはしょりを整えているうちに、衿がずれてしまうのですね。
ですから上前の衿の整えに入る前に、もう一度下前側の半衿の幅を確認します。

上前の衿を決めます

下前が決まりましたら、次に上前の衿に入ります。
コーリンベルトのゴムベルトは背を通し右脇に持ってきます。そして身八ツ口に留め具を仮止めしておきます。

下前と同じように衿幅を決め、下前と同じ位置にコーリンベルトの留め具を留めます。

コーリンベルトの留め具は左右同じ位置に止まっていますでしょうか?
必ず確認を致しましょう。必ずです(*^^*)
ここで確認し忘れた場合、万が一留め位置の高さが違うと衿がずれてしまうこともありますので、確認を忘れないように注意しましょう。

留め具の高さが違っている方の多くの方は、左側の留め位置が高めです。
留め具の位置が高すぎますと、収まりがよろしくないため着心地が悪くなります。肋骨位置にあたっていますと、帯を締めたとき留め具が押され、違和感が・・・、いえハッイリ言って痛いです(涙)
着物を着るといつも痛い箇所がある方は、この留め具が原因となっているかもしれません。

下前のおはしょりをチェック

先ほど決めた下前のおはしょりは、上前を整えているうちに下がってきます。染の着物の場合は特に下がりやすいですね。

紬などの滑りにくい着物の場合は気にしなくても下がることなく保ってくれていますが、下前は下がってくるのが当たり前!と思っておきましょうね。
ですから上前を決めたら、必ず下前のおはしょりを確認する習慣をつけておくと安心です。
そして、下がっていることに気付きましたらすぐに直します。

左右の衿をチェック

最終チェックとなります(*^^*)
半衿、衿のバランス、合わせ加減をよ~く確認しましょうね。

そして「はい!これでOK♪」と思いましたら、衿合わせの胸の位置を片手でしっかりと押さえます。
そしてもう片方の手で腰紐、または伊達締めを取ります。
押さえているところが崩れないよう動きは最小限にし、充分に注意しながら腰紐または伊達締めを手にします。

余裕がありましたら・・・

この時、出来ましたら少しだけ手を加えましょう。このことをすることで衿元が崩れてしまうようであれば行いません。無理は禁物です(*^^*)

コーリンベルトのゴムベルトが背に渡っていますね。その内側の着物はタックやシワが寄っています。この部分、背中のシワなどを脇へ寄せられると、伊達締めの後の処理が楽になります。
ゴムの内側に指を一本入れて、背中心から左右にスーッと。片方ずつでもOKです。これだけでも背は綺麗になります。

出来たら・・・で良いので、少しずつ、そのような余裕が持てるようにしていきましょう。

しかし!やりすぎは禁物です。
ここで、あれこれとあまり手を加えようとすると、衿が乱れてきます。
お紐も伊達締めも掛けていない状態ですから、すぐにずれてしまいます。
ですから無理にはしなくて良いのです。

意識していることが大切です。
そのうちに手が勝手に動くようになります(*^^*)

おわりに

綺麗な衿元に憧れますよね。
理想に近付くために、ひとつひとつ丁寧に整えて、その都度確認すること。
どの個所の着付けでも、これは大切です。
後からでも直せるところと直せないところがありますので、その見極めも大切となります。

先程の背を整えることを今はしなくても、次のことはぜひ行ってみてください(*^^*)

左右の衿が決まったら、コーリンベルトの留め具を左右それぞれ手にします。下前は身八ツ口から手を入れます。
そして、コーリンベルトの留め具を持ち、少しだけ引き下げます。左右同時にです(*^^*)

これをすることで、衿の浮きがなくなり、落ち着きが良くなります。衿合わせで衿に折り筋を付けたその折りがビシッと決まる感じです(*^^*)
この方法を行ったときと行わなかったときの仕上がりの違いを実感してみてくださいませね。
魔法の指先だわ(*^^*)
と笑顔になると思いますので、ぜひぜひ(*^^*)

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*着付ポイント:衿合わせ(4)

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ




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