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【小春の着付教室】第24号●長襦袢:寸法(2.裄丈)

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

引き続き長襦袢の寸法で今回は裄丈についてです。
着物姿でお袖口から長襦袢が出てきてしまう・・・。恥ずかしいわ!と思ったことのある方もいらっしゃると思います。
前回の長襦袢丈よりも詳しく知りたい個所ではないかと思います。

それでは、早速参りましょう(*^^*)

裄丈(ゆきたけ)

着物寸法で裄丈(ゆきたけ)という言葉をよく耳にすると思います。

  *裄丈 = 袖幅(そではば) + 肩幅(かたはば)

となります。
寸法として大切なのは、裄丈ではありません。
着物や長襦袢コート等の反物から、初めてご自分のサイズでお仕立てをする際には呉服店の方に採寸をして頂くことになります。
お誂え(あつらえ)ですね(*^^*)

この採寸の時には裄丈を測ります。この裄丈は着物寸法です。
そしてその裄丈から、袖幅と肩幅を割り出すのです。袖幅よりも肩幅の方が狭い寸法が一般的で、この方が着姿が美しくなります。

この時の割り出しが重要なのです。

袖幅と肩幅を足した長さが裄丈寸法となるのですから、裄丈さえ合うようにすれば良いのでは?と思われるかもしれません。
きっとそう思われる方の方が多くいらっしゃると思います。

それでは更に詳しくお伝え致します(*^^*)

袖幅と肩幅を気にする理由

ご自分の寸法通り(裄丈基準)に仕立てたのに、何故か振りから長襦袢が見えてしまう・・・とお悩みの方はいらっしゃいませんか?
袖口ではなく振りです。

着物寸法から割り出された長襦袢の寸法でないと、振りから長襦袢が見えてしまう、ということにもなります。
「裄丈」だけでお仕立てをお願いするのはキケンです。私は絶対にお勧めしません。着物寸法の袖幅と肩幅を伝えます。

※注意※
着物と比べ、長襦袢の袖丈(そでたけ)の方が短い場合も振りから出ます


着物と長襦袢を一緒に仕立てを出す場合ですと、揃うようにお仕立てをしてくれますから心配は要りません。
しかし、今は分業作業での仕立ても多く(海外での仕立ても)、その場合は必ずしも寸法に配慮してくれるとは限りません。

ですから、仕立てをお願いする側の私たちが、しっかりと寸法を指定しなくてはいけないと思っておいた方が無難です。
せっかくお仕立て代金をお支払いをしたのに、満足できない仕立て上がりでは悲しすぎます。

「私は着物の寸法、お仕立てにこだわりがある」をアピールしておくのもひとつの手です(*^^*)

肩幅

肩幅は、必ず着物と同じ寸法にしなくてはなりません。肩幅が着物寸法と同じでないと、振りから長襦袢が見えてしまいます(^^;)

袖幅

袖幅は、着物寸法よりもマイナス1センチ~2センチ。ここのマイナス部分が着物の袖口から出てこないようにするための控えとなります。

わたくし着付け師*小春*の寸法

▼私の着物寸法は
◎肩幅31センチ ◎袖幅33センチ

▼長襦袢の寸法は
◎肩幅31センチ ◎袖幅32センチ

ねっ(*^^*)
肩幅は一緒でしょう。着物と長襦袢は同寸です。
袖幅は長襦袢の寸法を1センチ控えています。1センチ控えていることで、袖口から出てきません。

もし長襦袢の寸法が、仮に・・・

◎肩幅32センチでしたら身八ッ口のところから少し長襦袢チラッと覗いてしまいます。

◎肩幅30センチでしたら、お袖(袖幅)が肩側に寄りますから振りから長襦袢が出てしまいます。

少しの寸法の違いで、着上がりにも大きく影響してしまうのです(涙)
袖幅と肩幅の割り出しは、呉服店のこだわりや採寸してくださる方の好みが大きく反映されます。担当してくださる方を心から信頼できる場合には、不安材料となるものは何もありませんが、購入までの流れでこの方にちょっと・・・思われることがあった場合には、この裄丈寸法からの割り出し方を思い出してみてくださいませ。
寸法ってとても大切なのです。

仕立てをお願いするとき、呉服屋さん任せにせずご自分でしっかりと寸法を伝えることが出来ますと、どの呉服店で購入しても私の寸法(マイサイズ)でお仕立て頂けますので安心です。

マイサイズで仕立て上がっても、呉服店や和裁士さんによっての着やすさ、着にくさはあります(汗)
万が一着にくいお仕立てだったとしましてもこの部分は着付け技術でカバーできますが、寸法の違いだけはどうすることも出来ません。お召しの度にため息が出てしまうことは避けたいですね。
寸法の知識があれば、寸法による着にくさを解消することが出来るのですから、ぜひご自分の寸法を再確認してみましょう。

袖丈(そでたけ)

袖丈は標準が49センチ。
なんて中途半端な数字なのでしょう!と思いますね。
これは鯨尺(くじらじゃく)で1尺3寸(いっしゃくさんずん)となるため、センチに直すと49センチになるのです。
和裁は、鯨尺がもともとの基準です。それをセンチで割り出すので中途半端な数字となります。

◎1尺3寸=49センチ

和裁士さんやご年配の方、鯨尺についてお詳しい方にとりましては、着物の寸法はセンチよりも鯨尺で表現する方がピンと来るかもしれません。

振袖や未婚の方の訪問着などは袖丈が長くなりますね。振袖はお召しになる方の身長から割り出します。

訪問着などでは、1尺5寸(56.5センチ)袖丈の着物をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
私も結婚する前に作った訪問着はそうでした。
昔は普段着物の小紋は49センチでも、改まったところでお召しになるお着物は少し袖丈を長く仕立てていました。
そして結婚してからお袖を49センチに直すことは一般的でした。
既婚女性は袖丈の長い着物は着ることはしません。
もしも、お袖の長い訪問着などがありましたら、機会がありましたら49センチの袖丈にお直しされることを検討してみてはいかがでしょうか。

ただ、寸法直しのお仕立て代がかかることですから、出来ればかけたくはないですよね。
私のように身長の低い方は袖丈が長いことは見た目に分かりやすいので「若い時に仕立てたものね」となってしまいますが、身長が高い方の場合は、袖丈が長くても割と気付きにくいものです。袖丈の長さが気にならないようでしたら、そのままでお召しになっても良いかもしれません。
着物でお出かけ中に、心ない人がメジャーを持って測りに来るなんてことは絶対にありませんから大丈夫です(*^^*)

ただ、既婚者は短いお袖の着物を着るものなのだということを頭に入れておくと良いと思います。

▼長襦袢記事

いかがでしたでしょうか?
着物寸法の裄丈から割り出す袖幅と肩幅の寸法についての大切さが伝わりましたでしょうか。

メジャーを持って、ご説明に伺わせて頂きたいくらいです(*^^*)
寸法についてはご本人様の着物や長襦袢で測りながら説明した方が絶対に理解しやすいですものね。

後はインターネットでもいろいろと調べられますから、寸法についてもう少し詳しくお知りになりたい方は、情報収集してみてくださいね(^_-)-☆

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*長襦袢:寸法について(3.指定寸法)

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


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