【小春の着付教室】第12号●肌着:身八ッ口
こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。
身八ッ口の処理
背中の処理が終わりますとシワはすべて両脇へ移動していますね。
それでは今回はその脇を綺麗に整え、快適に動けるように致しましょう。
1.後ろの生地を前の生地で覆う。
(タックを取る感じでもOK!)
2.肌襦袢の脇の縫い目を下げる。
(身八ッ口のもたつきをなくすため)
3.下げ過ぎてしまったら、少し上げる。
(身八ッ口を引き上げ、ゆとり分を待たせる)
身八ッ口(脇)にはゆとり分を
肌襦袢の袖付け部分をビリッて破いてしまったことはありませんか?
裂けてしまったこと(汗)
・・・。
・・・。
そんなことある訳ないじゃない!
と、そう思いますよね。
たぶんそのような経験をされた方はいらっしゃらないかもしれませんが、私はあるのです。しかも新しい肌襦袢。初めて袖を通したその日に(涙)
理由は、
●身八ッ口のゆとりが少なかったから
●無理して腕を上げてしまったから
です。
先ほどの手順の「3」が重要
着物をお召の時は、お上品に振る舞いますね。
ですから、腕を上げるということはまずないと思います。
でも、動きやすく着付けておく方が良いですよね。
咄嗟に、止むを得ず・・・ということも、普段の着物生活では充分に起こり得ることなのです。
悲しいことを起こさないためにも、先程の手順「3」がとても重要なこととなります。
脇より後ろの生地を前に引きます。
この時後ろのシワをなくすために整え済みと思いますが、脇よりも前側に生地を引きます。
そして、引いたその後ろの生地の上に前の生地を覆います。この部分は重なっています。
この重なり部分が多くあり過ぎますと、脇がゴロゴロした違和感がずっと続いてしまい不快状態となります。
そこで背中の処理のときにお伝えしました背にタックを取ることがお勧めとなります。
脇一ヶ所に生地が溜まってしまわないように、若干背の方に戻すようにして脇寄りでタックを取ります。七五三の肩揚げのようなイメージです。
こうするだけでスッキリします。厚みなく整えられることでゴロゴロした感じもなくなります。
そして、このままでは脇はタプタプと生地の内側に空気が入っている状態ですので、脇縫い線を引き下げます。下げる際は重なり部分がずれないよう気を付け、重なったままの状態を保ちながらしっかりと引き下げます。
しかし、下げたままの状態では脇下にゆとりが全くありませんので、ほんの少し引き上げておきます。
こうするだけで脇のゆとり分を確保できるのです。ほんの少しだけで大丈夫です。引き上げ過ぎてしまいますと先ほど処理した意味がなくなってしまいますのでね(*^^*)
引き加減は着物で過ごしていくうちに感覚で分かってきます。肌襦袢の仕立てや大きさによっての違いも感じ取れるようになります。
確認は着物を着上げてから
肌襦袢の時点ではどのくらい引きが快適なのかは分かりません。着物を着上げてから腕を動かしてみましょう。引っ掛かりがあるようでしたら身八ツ口から肌襦袢生地をつまみ、少しだけゆっくり引き上げます。帯結びがきつめですと引き上げにくい状態ですので、無理に引き上げたりせずゆっくり状態を確認しながら行うと安心です(*^^*)
整いましたらここで再度腕を動かしてみましょう。先程に比べ窮屈感が無いという変化を感じ取れましたら、あとはお好みで加減してくださいませね。
引き上げ過ぎてしまいますと戻せませんので、要注意です。
腕を動かしたときに、肌襦袢の袖(袖付)に負担がかからないよう動かしやすく整えることはとても大切です。「お着物だから窮屈」と動きが制限されてしまうのではなく、「お着物でも快適!」となります。
少し引き上げるだけで肩への負担も軽減されます。着物を着ると肩が凝るという方はこの肌襦袢の身八ツ口の処理方法が原因である可能性もあります。
快適に、そして咄嗟の動きにも負荷のかからない着付けで楽に着物生活を楽しみましょう(*^^*)
先ほどの裂けてしまったお話(汗)
「どうしてそのような事態に??」って気になりますでしょう?
それはですね・・・。
家の中でね・・・。
ちょっと物を移動させている時に、腕を上高く上げた時!でした。
ビリッと!(涙)
・・・。
そうなのです。
着物を着た時には、やはり腕を高く上げてはいけないのです。
おしとやかに、ですね。
この時も、もちろん身八ッ口のゆとりは持たせていました(つもりです)。
でも、もう少しゆとりを持たせていたら・・・と、ちょっと(いえ!大分)悔やまれました(涙)
もう30年ほど前の出来事ですから、、私自身着物での振る舞いが初心者さんだったということですね。この出来事以降そのようなことは全くありません。はい、懐かしい出来事、教訓でした(*^^*)
皆様もどうかお気を付けくださいませね。
それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
■次回予告
*肌着:ウエストの補整
※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。
● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ
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