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【小春の着付教室】第23号●長襦袢:寸法(1.長襦袢丈)

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

長襦袢の寸法について

長襦袢の寸法について考えたことはありますでしょうか?
美しい装いを望むのでしたら、寸法について知る必要があると思っています。
和裁の知識までは必要なくとも、ご自分の着物寸法は知っておかないとお誂えの時も仕立て上がり品を購入する際にも戸惑うことになるかもしれません。または後悔することになるかもしれません。
この機会に着物寸法について興味を持たれる方が増えますことを願っています(*^^*)

長襦袢の寸法は、着物の寸法から割り出しますので、まずはご自分の着物寸法を知る必要がありますが、着物寸法につきましては着物の内容の中でお伝えします。
今回は長襦袢丈についてお伝え致します。

長襦袢丈

レンタル一式の中に入っている長襦袢は丈が長めです。
あっ!これは私のように背の低い方が感じることですね。
お背の高い方には長襦袢丈が短めとなることもあるでしょう。

長襦袢の丈の長さは、特に問題なく着付けられます。
長ければ着付け時に短くすれば良いですし、短くて足が見えてしまっても袷(あわせ)や単衣(ひとえ)でしたら着姿には影響はしません。

夏物は透けてしまいますので、ご自分に合わせた長襦袢丈の着用が良いですね。夏着物の透け感から、長襦袢の丈の短さが分かってしまいますと恥ずかしいですものね。やはりご自分の寸法が大切になります。

レンタルの着物では、ある程度やむを得ないと諦めもつきますが、購入品に関しては諦められませんよね。
仕立て上がりのプレタ長襦袢でしたら、まぁ仕方がないと我慢もするでしょう。でも!お誂え品の場合は、せっかくお仕立て料金をかけてまでご自分のサイズに合わせて作ったのですから、悲しい気持ちいっぱいになってしまいます。
お店の方の言葉を信じお願いしたにしても、「何で寸法のことを知らなかったのでしょう(涙)」と後悔してしまいます。

長襦袢の丈が長いは場合と短い場合があるということが分かっても、実際にどのように寸法を知ったらいいのか、分からない方もいらっしゃいますね。

反物から仕立てる場合、ご自分の寸法が大事です。
仕立て後に長すぎた、または短すぎたとなりますと仕立て直しをすればお直しして頂けますが、お直し料金がかかってしまいますものね。
そうならないよう手帳にご自分の寸法を記載しておくと、いつでもご自分の着物寸法を伝えられることが出来ますのでとても便利です。

着物が好きになってきますと、これから着物や長襦袢がきっと増えていくことでしょう。
初めはプレタでも充分と思えますが、着物のことを知ってくるとやはりお誂え品の良さを実感してきます。そう思う日がきっときます。

その時に寸法についての大切さを知ったのでは、遅い場合があります。
だって、それまでに仕立てたものの寸法はご自分の寸法に合っていないサイズのままですから。
そうならないように、ご自分の寸法をしっかり把握しておくことをお勧めいたします。

長襦袢丈の測り方~その1~

私が学んだ方法をご紹介いたします。
ひとつ目は、身長から割り出す方法です。

*長襦袢丈=「身長」-「30センチ」

私は身長150センチですから、30センチ引いて長襦袢丈は120センチとなります。
でもね、私の場合はこれではちょっと長いのです。ですから長い分を更に引いて、118センチの長襦袢丈としています。

長襦袢丈の測り方~その2~

ふたつ目は、長襦袢から測る方法です。
お持ちの長襦袢の中で寸法が一番良いと思う長襦袢の丈を測ってみましょう。

1.長襦袢を広げます
2.背中心の衿つけから裾まで測ります

※測るのは、必ず背中心の縫ってあるところです

長襦袢丈の測り方~その3~

三つ目は採寸をする方法です。
呉服屋さんで長襦袢生地を購入すると、仕立てをお願いすることになると思います。
「お仕立てサービス」ということもありますしね。
いつもお願いしているお仕立て屋さんがあればそちらへお願いするでしょうが、ほとんどの方は購入先でお仕立てをお願いすることになるでしょう。

ご自分の着物や長襦袢を初めて作る方は、お店の方に採寸をお願いすると良いですね。その際は出来るだけベテランさん、着付けや着物寸法についてに詳しい方にお願いしましょうね。間違いがありません。

失礼な言い方ですが、寸法、採寸のことをよく分からない方にお願いすると、マニュアル通りでしたり配慮無いとんでもない測り方をされる場合があります。
すると、ご自分の寸法には合わないことも起こり得るので採寸はとても大切です。ですからベテランさんにお願いするのがお勧めです。

採寸方法は、

1.首の後ろに、骨のクリクリしたところがありますね
  そこがスタート!ちょうど衣紋が抜けるところです

2.一度、ウエスト辺りで止めます
  紐や伊達締めでキュッと締められますからね

3.そして、そのまま足元(くるぶし)まで測ります

着付け学院や地域、ご紹介してくださる着付けベテランさんの好みなどによってもよって裾丈が異なりますので一概には言えませんが、おおよそ、くるぶしにかかるか、かからないかくらいまでがお勧めです。
夏以外でしたら、少し短めでも大丈夫です。
私は気持ち短めにしています。

着物の裾から長襦袢は見えないようしますので、長襦袢は床すれすれの丈で作ることはありません。着物の裾線よりも控えた寸法で作ります。

ご自分の着物の裾がどのくらいの丈になるのか、また長襦袢の丈は長めがお好みなのか、私のように短め丈がお好みなのかをよく考えて長襦袢丈を決めましょう。

着物よりも控える理由

着物の着丈よりも長襦袢丈を控える理由は、動いた時に長襦袢が見えてしまわないようにする為です。

「やっぱりね~♪そう思ったわ!」ってお声が聞こえそう(^^)

当たりです(*^^)v ピンポ~ン♪

歩いている時や階段の上り下りなど、ご自分では気付かないところで意外と長襦袢って見えています。これは主に長襦袢の丈が長いためですね。
歩き方の癖、長襦袢と着物生地の相性、着付け時の着物の裾線の位置や下前の上げ方によっても変わってきますが、やはり長襦袢の丈が大きく関係してきます。ですから、ご自分の動きやすい丈にしておくのがベストです。

せっかく仕立てをお願いするのですから、ピッタリにしたいですよね。

中途半端なのが、2~3センチ長い場合です。
普通に着付けるのでは微妙に長いですし、丈を短くするほどでもないと思い込ませ(笑)ついそのままにしてしまいがちです。すると着物の下からチラッと見えてしまうのね(汗)

丈を短くすると、大分短くなってしまうし・・・と、中途半端な丈にイライラすることもあります。
あ、これは齢を重ねると身長が低くなってきますので、昔作った長襦袢の丈が長く感じてくるというお悩みも出てきたりします(^-^;

ですから、仕立てる際は長すぎることなくご自分にピッタリの長襦袢丈でお願いしましょうね。
齢を重ねる日のことを考えて若干短めにしておくという手もあります。私は短めが好みでしたので、若かりし頃に誂えた長襦袢の丈が長く感じる問題には直面しないかもと思っています。

着付け師*小春*好みの長襦袢

私が最初に購入したのは正絹の長襦袢です。母に買ってもらった二枚の着物と一緒に作ったものです。淡いピンク色のごく普通の長襦袢です。

その後、普段着用にプレタの仕立て上がり長襦袢を購入しました。購入したばかりの頃はこの長襦袢が着にくいという感覚はありませんでしたが、着付け技術が上達すると、自分の寸法に仕立てた長襦袢とは確かにどこか違うことがわかりました。
何故か着にくいのです。どこなのか分からないながらも、誂えたものとの違いがハッキリと分かりました。奥が深いですね(^^)

その後、真っ赤な長襦袢を東レシルックの反物で仕立てました。紬用に赤の襦袢が欲しかったの。
その長襦袢は今も着ています。自分の寸法に仕立てたものは本当に着やすいですので出番が増えます。

その後も色物やピーンときたひと目惚れの長襦袢を何枚も作ってきましたが、全て私のサイズで誂えていますのでいずれも大変着やすい長襦袢ばかりです。

少しの価格違いでしたら、反物から誂える方をお勧めします。(私の経験上ね!)
だって数千円の違いで、数年いや十数年、いえいえ私のように30年も着るのでしたら、着やすい長襦袢を一枚でも作っておかれると、何にでも合わせられて出番が多くなります。
着心地良く過ごせるのですから、結局良いお買い物したということになりますでしょう。

着にくい長襦袢は、たとえ高価なお品であっても出番はありません。あっても少ないでしょう。そのうち存在すら忘れてしまうかもしれません・・・(涙)

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*長襦袢:寸法について(2.裄丈)

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ



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