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【小春の着付教室】第33号●腰紐

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

腰紐の種類

腰紐(こしひも)とは布で作られた幅と長さのある着付けに使用するお紐のことを言います。
着付けのどこに使用しても腰紐と言います。着物の裾合わせ後にかけるウエスト、腰の部分にかける紐のみを腰紐としているのではなく、胸紐にも仮紐にも隠し紐にも腰紐を使用します。

腰紐のみの着付けは、着付け便利小物を使用しない昔ながらのオーソドックスな着付けとなり、腰紐のみの着付けは基本中の基本となります。
着付け師さんを目指す方でしたら、この腰紐だけの着付けは体感しておかれる方が良いです。お持ちでしたら、腰紐のみの着付けもお試しくださいね。着付けにとって大切なことを多く学べます♪

腰紐の種類は、素材の違いがほとんどですね。
 *モスリン
 *正絹
 *ポリエステル
 *綿
 *麻

第32号の着付け小物の回でご紹介していますが、腰紐の種類は沢山あります。着付けを習い始めの頃はいろいろとステキな着付け小物を揃えたくなりますので、せっかくなら可愛らしいものを購入したくなります。

しかしここで目的を考えてみてくださいませ。
滑りやすかったり扱いにくい腰紐でしたら、着付けにくさを感じたり着崩れを起こしやすくなりますのでストレスとなってしまいます。

私がお勧めするのは、モスリンの腰紐。緩みませんからね(*^^)v

腰紐の役目はとても大切です。
せっかく締めたのに緩んでしまったら、意味がないでしょう。
緩まない紐選び、これは重要です。

正絹ももちろん良いのですが・・・。
正絹の絞り柄の入っているタイプはとても可愛らしく心動かされますが、紐の中に芯が入っているタイプの場合はお勧めできません。
使用回数が増えていきますとその芯が平たい状態ではなってしまい、コロコロと厚みも気になります。その芯が邪魔をして結び目が大きくなってしまう場合もありますので、出来れば避けたいお紐です。
着物着用の度に中の芯が元に戻るようにアイロンがけして伸ばすくらい手間をかけられる方にはこの限りではありません。

ポリエステルは、もうお分かりですね。ポリエステル素材は滑りやすく解けやすいことが多いため、着付け初心者さんにはキケンな腰紐とお伝えしています。
でもね、可愛い紐がありますので、魅かれます(*^^*)
長襦袢や着物の着付け以外で、この滑るという点を活かした使用方法もありますので、一概に悪い紐とは言えません。

麻素材は夏の季節、気温の上がる日には大変お勧めです。モスリンは毛ですから熱をこもらせますので気温の高い季節には暑く感じます。そのようなお悩みをお持ちの方は麻の腰紐をお試しくださいませ。素材が変わるとこれほど快適に?と驚かれると思います。

目的によって、しっかりと使い分ける!
大切ですね(*^^*)

モスリンの腰紐

モスリンは、毛100%素材です。
一度締めるとゆるみませんので、しっかりと押さえられます。

長さは並尺と長尺タイプがあり、ふくよかさん体型でもお紐の長さを心配することなくお着付けできます。購入の際には忘れずに長さを確認します。メーカーや種類によって並尺も長尺もそれぞれ違う長さとなっている場合が多いため注意が必要です。長すぎても短すぎても着付けしにくくなります。

紐の幅は細めのタイプ、5センチ位の幅広のお紐もあります。幅の広い方がお身体への負担も少なく快適に過ごせますが、厚みがあり過ぎるモスリンですと結び目が大きくなってしまいますので程々がお勧めです。

使用後にはアイロンをかけるなどして綺麗にシワを伸ばしておきますと、次回着用の時に気持よく着付けができます。アイロン掛けが面倒でしたら、しわを伸ばしながら丁寧に畳むと良いですね。
出張着付けに伺った際に、クチャクチャ、シワシワの悲しい状態になった腰紐を手にすることもあります。
せっかく広い幅があるモスリンのお紐ですのに、細く固まってしまっては体への負担が軽減できません。
腰紐をかける際には頑張って広げはするのですが、悲しいことにやっぱり広がらないのです(涙)
お手入れ、管理も重要です(^_-)-☆

正絹の腰紐

正絹は可愛い絞りの柄の腰紐が一般的ですね。
先ほども書きましたが、絞り柄タイプはしっかりさせる為に芯を入れて作ってあるのでしょうが、結び目が大きくなりゴロつきますので芯はいらないと思っています。でもね、芯がないと薄手の正絹生地ですから、細くなってしまうでしょうし。
体への負担を思うと・・・。
んん~。どうでしょう(汗)

この他にも、帯揚状態(笑)になっている楊柳の腰紐もあります。
これを初めて見た時には、「これ何?帯揚にしては長すぎるし・・・」と
誰もが思うことでしょう。
こちらはレーヨン素材もあります。
これもちゃんとした腰紐なんですね~♪

ポリエステルの腰紐

ポリエステルの腰紐は、帯結びの隠し紐に使ったり、お太鼓結びの仮紐に最適です。はい、帯結びの仮紐にお勧めのお紐です(*^^*)
長襦袢や着物の着付けに使用するときにはやはり滑りが気になりますので、滑らない紐が良いですね。

ポリエステル素材でもサッカー生地のお紐ですと、滑りにくくなりますので、着付けにお勧めです。結び目が細くなりますので、この点はモスリンよりも良いかも!と思っているくらいです(*^^*)

腰紐の必要本数

他の着付け便利小物との兼ね合いがありますので、必要本数は人それぞれです。何本必要とは一概には言えませんが、便利小物を使うにしても、2~3本は用意されることをお勧めします。持ってて安心!の腰紐です。
腰紐のみで着物を着付ける場合は、

・補整に1本
・長襦袢に1~2本
・着物に2本

が必要になります。
補整にウエスト補整のきものファンデーションをご使用でしたら1本不要となりますし、帯結びで仮紐としてのお紐が必要でしたらプラスもう1本、長襦袢丈がピッタリでしたら長襦袢には1本で良いですし、長襦袢丈を調整しなくてはならない場合は2本必要となります。

腰紐をお持ちでしたら

着付け便利小物を使っての着付けは流れが楽ですし、着ていてもとても楽に過ごすことができます。腰紐をお持ちでしたら、着付け便利小物を使用しない腰紐のみの着付けも出来るようにされておくと良いです。
そうすることで着付け便利小物に移るとき、その使い易さや快適さを実感することができますし、腰紐(お紐)の役割もよく理解することができます。

裾合わせ後にかける腰紐は、掛け方や締め加減がとても難しいのです。感覚をつかむには、まずはご自分での体験が必要です。
また衿合わせも同じですね。胸紐としてのお紐(腰紐)だけですと掛けにくかったり、崩れやすく感じられます。
それを崩れることなく過ごせるよう、引き加減、結び加減などを考えたり、腰紐に便利小物を加えるとどのように助けられるのかを研究しながら進めますと、とても良いお勉強となります(*^^*)

腰紐の結び

腰紐の結び方、処理方法は、使用する箇所によって異なります。

・結ばなくてはいけないところ
・結んではいけないところ

があり、着付け教室や先生によっても考え方は異なります。
私の方法は着付けの流れの時にその方法をお伝えしますね(*^^*)

おわりに

私は自分の着付けの時には、全て便利小物を愛用しています(*^^*)
腰紐は一本も使いません。
あっ!お太鼓結びの仮紐には、ポリエステルの腰紐を使用しています。

しかし出張着付けでは、ほぼ全て腰紐を使用しての着付けをさせて頂いています。レンタル品にコーリンベルトがついていないことも当たり前の為、腰紐と伊達締めだけで、崩れないように着付けるのです。

今は、人様への着付けなんてしないし、この先もするつもりはないわ!と思っていらっしゃる方、「私には関係ないわ!」と思わないでくださいね(*^^*)

着物を着ていると、必ず周りの方からお声がかかるのです。

「ねえ~♪ 今度着物を着せてくれない(^^)?」って。

その時に便利小物だけで着付けていると慌てます。
周囲の方が全て、ご自分と同じ着付け便利小物を持っているとは限りませんでしょう。

腰紐での着付けは当たり前なのです。腰紐だけで着物は着られるものなのです。ですから、初めのうちから少しずつ腰紐の着付けに慣れておくことをお勧めします。
着付けの練習10回に1回は腰紐のみで行ってみる、これだけでも充分ですから、ぜひお試しくださいませね(*^^*)

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*コーリンベルト

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


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