見出し画像

【小春の着付教室】第38号●着付小物の使用方法

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

前回の組み合わせで出てきました着付け小物の使用方法をお伝え致しますね。いよいよ着付けポイントに入って参ります。
特に衣紋を綺麗に抜けなくてお悩みの方はよ~くお読み頂いて、早速練習されてくださいませね。

イメージするだけよりは、やはり実践!
これをすぐにできる方と、明日、明後日・・・と先送りされてしまう方ではやはり違います。

そうは言っても、毎日お忙しく過ごされている方にとりましては、思うように時間を確保することは難しいですよね。
お気になさらず、時間が取れる時にもう一度注意点などを確認ながら進めてくださいませね。

準備

着付けの上手な方は、準備が上手です。
準備せずに進めると、衿を決めてから・・・

「あれ~(汗)、コーリンベルトが見つからない!(大汗)」

のように、片手で衿元を押さえ、もう片方の手で、小物を探てに動き回ってしまう。
これでは探していた着付け小物が見つかる頃には、衿元が崩れてしまいます(涙)

崩れてしまっていることに気付けば、崩れているところを直しますでしょう?
ねっ!同じことを2回することになるのです。
時間がかかってしまいます。
必要な小物は、1ヶ所に順番に揃えておきましょう。

共通手順

どのような着付小物を使っても、流れは一緒です。
まずは、流れです。

1.長襦袢に袖を通します

2.長襦袢の衿先を左右揃えます

3.胸の位置の左右の衿を片手で持ちます

4.もう片方の手で背中心を持ちます

5.前後に動かしながら衣紋の抜き加減を決めます

6.衿合わせをします。まずは下前、そして上前

この衿を決める時に、これからご紹介する着付け小物を使用します。
その時のポイントをお伝えしますね(*^^*)

現在お持ちの、またはご使用中の着付け小物のところのみお読み頂ければ充分です。まずはイメージをしてみましょう。そして実践です♪

それでは早速「6.衿合わせをします。まずは下前、そして上前」の詳細をお伝え致します。


コーリンベルト

下前を決めましたら、コーリンベルトで留めます。
留め位置が重要です(^^)
衣紋が詰まってしまうという方は、今よりも少しだけ下の位置に決めてみてください。

下前を留めたら後ろを通しまして、上前の留め具は右の身八ッ口に仮止めしておきます。こうすると作業がしやすくスムーズです。

続いて上前の衿の位置を決め、留め具をつけます。
この時の注意点は、左右同じ位置に留めるということです。
これは簡単なようで意外と難しく、そのように留めているわ!と思っていても確認すると下前の方を高く留めてしまっているという方が多いです。

左右の留め位置が違ってしまうと、背中心がズレやすくなってしまいます。長襦袢の背中心がずれても、あまり気付かないものですが、刺繍半衿や柄の入っている半衿ですと、時間の経過、そして動きによって位置がずれてしまっていることに気付きます(汗)
「あれっ?ずれたかも・・・!」と、外出先のお化粧室でドキッ(^-^;

着物でも同じことが言えます。
着物の背中心が左側にずれてしまう方は多いと思います。わりと町中でお見かけしますよね。
背中心の確認不足が原因でもありますが、コーリンベルトの下前の留め位置が高いためで起こっているとも考えられます。

コーリンベルトの上前の留め具を留めたら、左右同じ位置に留めていることの確認を必ず致しましょう!

着物ファンデーション

下前の衿を決めたら、衿の流れに沿ってたどり着いたきものファンデーション金具の位置で留めます。留め具を手にしてゴムを引き延ばしたり引っ張り上げたりせず、その位置で留めることが大切です。

上前も同様に、衿の流れに沿わせて位置を決めます。
コーリンベルトの時と同じで、必ず左右の留め位置の確認をしましょう。

コーリンベルトに比べ比較的簡単に整えられます。
きものファンデーションの中心が正しく身体につけられている場合はスムーズな流れとなりますが、中心がか友のどちらかにずれてしまっていますと、クリップの位置が左右同じ位置になりません。
気になりきものファンデーションを動かし正しい位置に直したりしますと衿が崩れてしまいます。

きものファンデーションを付ける際は、左右のクリップの位置を確認しておくことをお忘れなく(*^^*)

留め具付き伊達締め

下前を決めましたら下前に留める方の留め具で衿を留めます。
続いて上前も同じように留めます。
左右両方をクリップで留めますと伊達締め部分が前に垂れ下がっている状態となります。クリップのみ着物についている、とても変な状態です(笑)

続いて衿合わせを確認し、垂れ下がっている伊達締めの中心を身体の中心に当て後ろへまわし持ち替えて締め、前に戻し処理します。

留め具付き伊達締めを長襦袢で使用される場合、クリップの位置が邪魔をして重い通りの衿合わせにしにくい場合があります。

それでもどうしても留め具付き伊達締め長襦袢にご使用されたい場合は、留め具についているゴムを最大限に伸ばす、または大きめサイズを購入されるとスムーズに整えられます。

腰紐・伊達締め

下前の衿を決め、続いて上前を決めます。
その後、紐または伊達締めをかけます。

バストを包む衿合わせ

衿を決める作業を終えたら、胸元を確認してみましょう。お紐や伊達締めをかける前に衿合わせと衣紋を確認いたします。

衿合わせはいかがでしょうか?

・開き過ぎていませんか?
   ⇒老けて見える

・窮屈ではありませんか?
   ⇒首回りが苦しく気持ちが悪くなる

・衿が立っていませんか
   ⇒首が短く見える

いずれも美しくありませんね。
ゆったりとしつつも、乱れた感じのない衿合わせを考えてみましょう。

「何だか変かも・・・!?」

そう思いましたら、その感覚は間違っていません。お好みの衿合わせに整えましょう。
まず、バストを包み込んでいる衿合わせになっているかを確認してみましょう。

*バストトップが長襦袢の衿に覆われていますか?

上前は、右手でバストトップ位置の半衿を持ちます。
下前は、左身八ッ口から、右と同じ位置の半衿を持ちます。

左右同じ位置を持ちましたら、衿を少しだけ持ちあげるようにしながら、
バストを包みこんでみましょう。この作業はとっても大切です(*^^*)

注意点としまして、慣れないうちは衣紋を詰まらせてしまいがちですので、
耳たぶの下から後ろは、絶対に動かさない!という気持ちで作業しましょう。この意識を持つか持たないかで全く違ってきます。

これは感覚となりますから練習の回数を重ねて頂きまして、ご自身でつかんでくださいね。必ず出来るようになりますから(*^^*)

この時に衣紋が抜けていないことに気付きましたら、手にしている左右の衿の位置を衿先の方へ少し移動させて持ち、もう一度行います。
長襦袢全体を後ろへ移動させるようにずらすことで衣紋が抜けます。衿のみを動かしても元に戻ってしまいますから、長襦袢全体を後ろにずらすことが大切です。

この作業を行うことで自然と衿が寝てきます。首がすらりと見え、衿が首に刺さる感じもなくなり、衿合わせが上品に落ち着きます。

おわりに

衣紋を綺麗に抜けない・・・(涙)
これは着付けを始めた方、ほぼ全ての方が経験されることです。
ええ(^^)!もちろん私も例外ではありませんわ。
衣紋が綺麗に抜けたと思ったら、他の個所が綺麗に整えられていなかったり・・・(^-^;

何かしらひとつふたつと気になる個所があり、満足できない日を繰り返します。
そして練習を重ねた甲斐あって、ようやく全て「カンペキかも♪」と思える日が訪れるのです(*^^*)

着付けの流れは簡単に覚えられますが、このようなポイントは慣れです。感覚です。経験です(^^)!
常にいろんなことを考えながら、手を進めてくださいね(*^^*)

詳しいポイントは次回に続きます。

■次回予告

*長襦袢:衣紋と衿合わせ

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?