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【小春の着付教室】第5号●裾よけ

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

肌着の内容が続きますが、飽きていませんか?
飽きていましたら、ゴメンナサイ。
でもね、肌着ってとっても大切なんです。
表に見える美しさも大切ですが、その美しさを陰で支えてくれている見えない部分はもっともっと大切です。どうぞお付き合いくださいませね。

裾よけの役割

裾よけは肌着です。汗を吸収したり着物での裾さばきを良くしたりしてくれます。裾よけを着けるからこそ、歩くときに長襦袢と着物が綺麗な動きをしてくれますので歩きやすい裾さばきとなるのです。見た目も美しい!

気温の上がる季節には一枚でも着るものを省きたくなりますので裾よけを端折りたくなりますが、裾よけの役割を理解しておきますと外せないものと気付きます。裾よけを着けない着付けとなりますと、汗で長襦袢が脚にまとわりつき膝から太股あたりでゴニョゴニョと何とも気持ちの悪い状態となりより汗をかいてしまいます(^^;)

気温が低く空気が乾燥している季節ですと静電気の発生が気になりますので、素材選びや静電気防止対策などをされることで気持ち良く肌気を着けることが出来ます。
静電気は長襦袢や着物にまで影響を与えてしまい、見るからに静電気で裾がまとわりついている着物姿となってしまいます。


小春好みの裾よけ

裾よけは裾さばきをよくしますが、素材によってその良さを実感しにくい場合もあります。滑りの悪い綿製品の場合、実感できないかもしれません。またポリエステルなど静電気が発生する素材も同じです。
初めて購入される方は、自分好みの裾よけを慎重に選んでくださいませね。

私が愛用しているのは、ベンベルグ(キュプラ100%)の裾よけです。肌触り良く、裾さばきも良いので長く用しています。

着付けを習い始めたころは、着付学院の教材の裾よけでした。ポリエステル素材でゴワゴワした感じでしたが、こういう物だと思っていましたので深く考えることはしませんでした。35年ほど前のことです。今でしたらその様なことはないのでしょうが、その頃のポリエステルの質はあまり良くなかったのだと思います。
その後、出会った「ベンベルグ(キュプラ100%)」の裾よけとの付き合いが30年くらいです。長いですね(*^^*)
その頃は白以外に淡いピンクの裾よけもあったのですが、今は無いようですね。残念!見つけられませんでした。

▼私が愛用している裾よけ

▼ピンクは見つけられませんでしたがカラータイプを発見!


裾よけのウエスト部分は晒

ウエスト部分は晒(さらし)になっているのが一般的ですね。着け心地の良さや肌触りの良さを考えますと、やはり綿100%に限りますものね。
ちょうどウエスト部分ですから、汗を吸収させるためにも綿100%素材というのは大切なポイントとなります。重要です。
購入の際には、ウエスト部分の素材の確認もお忘れないようにご注意くださいませね。

着付ポイント

裾よけは、裾が窄まるよう(裾すぼまり・裾つぼまり)に着付けます。
裾よけの裾が広がってしまっていますと、裾よけの上の長襦袢、その上の着物の裾も広がりやすくなってしまい、美しい裾窄まりの着物姿になりにくくなってしまいます。

かと言って、あまりにも窄まり過ぎては、歩きにくくなってしまいますね。
この加減は慣れですので、着付けの際にいろいろとお試しくださいませね。ここを気にしながら着付けをしますと、微妙な加減をご自身で理解でき、その微妙な加減を自由に楽しめるようなってきます。

裾よけの着付け

晒部分は腰骨からウエストに当たるようにします。
そして裾よけを着けましたら晒部分はアンダーバストまで広げ上げます。こうすることにより晒が汗を上手に吸ってくれます。このお蔭で、長襦袢や着物への汗移りを少なくしてくれるのです。せっかくの晒部分を広げなければもったいないのです。
また、晒を広げることにより晒が一ヶ所に固まることがなくなりますのでウエストがスッキリし、ホッソリした着物姿にもなります(*^^*)

① 上前を決めます(右腰骨にかかる位置)
②下前と入れ替えます
万が一、幅がたっぷりしていて、処理に困ったら下前を左腰骨の位置から前に折り返し調整します。
※脇で折り返すことにより、裾よけが足を包んでしまい、歩きにくくすることを防げます。結果、歩きやすくなります。
下前の紐は引き抜きます。

③左右の紐のついているところを持ち、少しだけ引き上げます
※こうすることで、裾窄まりになります。

④紐を後ろへ回し持ち替えて、きつく締めずに前に戻します
※裾よけは手のひらが入るほどゆるゆるにしておきます。決して紐をきつく締めたりしませんように。緩くても腰で引っかかりますので下がってくることはありません。
更にウエスト部分は補整の紐や着物の腰紐でしっかりとかかえ支えられる部分ですので、きつくする必要は全くないのです(*^^*)

⑤紐の結び位置は、中央を除き左右のどちらかにします
※中心で結ぶと結び目がおはしょりに響きます。紐の太さや処理の仕方によってはお腹が出て見える為、スッキリした気姿にするためにも左右のどちらかにしましょう。私は、必ず左側に結ぶと決めています。理由は後日。

裾よけの紐をきつく結び過ぎて、気分が悪くなってしまったということはよくあります。着付けを習い着物をご自身で着られるようになり初めてのお出かけのときには特に裾よけの紐をきつくしてしまいがちです。気合いが入るのでしょうね(笑)
お出かけ先で裾よけの紐のきつさにより具合が悪くなることもありますので、充分に注意したい着付けポイントです。

再度お伝え致します(*^^*)
裾よけはゆるくても、その上に結ばれる紐などでしっかりと押さえられますから、きつくする必要はありません。緩くても心配はいらないのです。
裾よけの紐はゆるゆるで~(*^^*)

裾よけの紐はくれぐれもきつく結ばないようにご注意くださいね。
肌に一番近い紐となりますので、きつかった場合は着物を脱ぐときまで不快です。
手のひらがすっぽり通るくらいでも大丈夫です(*^^)v
「え~~~!?」と思われた方、一度お試しくださいね。

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*肌襦袢

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


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