いつかの空へ ~never ending love~

「よし。それじゃ、上空の帝戸の機体を偵察してみろ」
『雲の隙間から一機体発見。帝戸前衛機サンライズ006。粒子砲経口15ミリ搭載。内包粒子残り3ミリ。そろそろ交代する頃ね。……あ、今、昼間部隊と夕方の部隊が交代したわ。交代時間わずか0.1秒。流石は先輩たちね』
「なかなか良く見ているな。上出来じゃないか」
『ありがとう。少し自信持てた』
「降りてこい。出入り口に誰か来た」
『了解!』
酉嶋の視線の先には、デジタルモノクル(眼鏡)をかけた男子学生の姿が近づいてきていた。
スターナイトから降りてきた千鶴が、いつの間にか酉嶋のすぐそばに立っていた。
「で、誰なの?」
千鶴も出入り口のほうを見ている。
「なんだ、晴人か」
「え、誰?」
「ただの友達さ。千鶴のこと盗撮しているらしく、昨日、僕にお前の姿が写っている画像見せつけられたよ」
「ホントに!? やめてほしいんだけど」
出入り口のドアが開いて、その向こうから晴人が顔を出す。
「よう、酉嶋! ……って、えっ? 何か超コワい形相の女子が俺めがけて走ってきてr」
「あんたが晴人ね!? 許さないんだからぁ!!」
「うわああ――!! 酉嶋、助けてぇ!!」
遠目に、いちゃついているようにうかがえる男女の学生を見ながら、ため息混じりに酉嶋は言う。
「自業自得だろ……、ったく」
晴人と千鶴が模擬戦演習室002を出て行き、静かになった頃、酉嶋もその場を後にし下校した。


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