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ごみ捨て場の主

これまでに失ってきたもの達へ花束を贈ろう

途方もない道程で出逢い

そして去っていったもの達へ

この部屋は君たちに安らぎを与えられなかったかもしれない

君たちにとってあの時間は忘れ去りたい過去かもしれない

それでも私は時たまそれをとり出し吐息とクロスで丁寧に磨く

あの時あの一瞬にある輝きを捨てずにとっている

それは懐古主義だとそれはエゴだと罵ってくれ

底のすり減ったフライパンが壁にかかるこの部屋で

私は紛れもなくごみ捨て場の主なのだから