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集英社『塞王の楯』を読んでいます。

タイトル通り、まだ読み終わってはいません。
しかし、期日が今日なのと、
4割読んだ時点でメッチャ面白い作品だという事は分かったので、
他の方にもお勧めしたいと思い、見切り発車ではありますが感想を書かせて頂きました。

(時代小説とはいえ、堅苦しい言い回しなどはなく読みやすい作品ではあるので、感想の為にサクっと読んでしまってもよかったのですが、じっくり読みたくなってしまったので。)

この本は、読書の秋コンテスト開催後の発売だったので、そもそもノーマークの本でした。

書店のレジに向かう道中、なんとなく新刊や話題図書のコーナーの平積みされている本に視線を向けながら歩いていた私は、シュリンクのツヤに包まれ、『サイン本』とラベルが貼られた本を発見した。

へー、どんな本かな?と思ってチラッと本の頭上のPOPを見たところ、なんとな~く見覚えのあるタイトル。
「あ、noteの課題図書にあったやつだ!」そう思って、その本を手に取ってレジに……向かいませんでした。

既に、noteのコンテスト用に本を2冊購入しており、コンテストとは無関係な本を持ってレジへ向かう途中だった為です。

その代わりに手に取ったのは、本の横に置かれたパンフレット。
書籍の割にはちょっと珍しく宣伝用のパンフレットが作られており、冒頭16ページまで試し読みが出来るらしかった。

帰りのバスでパンフを取り出し、載っている序章を読んでとても後悔した。
いや、この本、滅茶苦茶面白そうな予感がする!買って帰ればよかった。


あらすじ

どんな攻めをも、はね返す石垣。
どんな守りをも、打ち破る鉄砲。
「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説!

越前・一乗谷城は織田信長に落とされた。
幼き匡介(きょうすけ)はその際に父母と妹を喪い、逃げる途中に石垣職人の源斎(げんさい)に助けられる。
匡介は源斎を頭目とする穴太衆(あのうしゅう)(=石垣作りの職人集団)の飛田屋で育てられ、やがて後継者と目されるようになる。匡介は絶対に破られない「最強の楯」である石垣を作れば、戦を無くせると考えていた。両親や妹のような人をこれ以上出したくないと願い、石積みの技を磨き続ける。

商品説明より

故郷が戦で負け、逃げ惑っている時に、お城の石垣を造る職人拾われた主人公の匡介。家族の中で自分だけが生き残ってしまった為、戦から人を守りたい想いが人一倍強い。
そんな主人公が、最強の楯=破られない石垣を作ろうと奮闘するが……。といった話です。


この本をおススメしたいと思った理由


①情景が思い浮かぶ
②武将の話ではなく、石垣職人の話という新しい視点
③専門的な知識や用語を分かりやすくかみ砕き、それとなく話に混ぜてある
④(だからと言って)延々石垣についての話ではなく『お話』である
⑤不必要に登場人物が増えない。必要なシーンに必要な登場人物が出る
⑥読んでて面白い

こう見ると小説というのは『⑥読んでて面白い』の力だけあればいい様に思えるが、その面白いを作るのは①~⑤によってつくられた話の基盤だったり要素だったりするのだろう。

そう考えると、数多ある言葉の山から、自分が作りたい話に向いている単語を切り出し、理論と長年培われてきた感によって、上手に積み上げて小説を創るという作業は、石垣造りに通じるものがあるような気がします。

と、いい事いった風でよく考えると謎の〆でこの感想文は終わろうと思います。


他のおススメ本

最後に、恒例なので書いておきます。
集英社から出ているおススメの本は、
『エミリー』嶽本野ばら
『ZOO』乙一
『マナーはいらない 小説の書きかた講座』三浦しをん




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