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拙作語り㊼『群雄列伝 下天の章・三 群雄割拠譚』<Ⅺ>

古代中国風の世界観で次なる王朝を興す者が決まるまでの争乱の時代を描いた一次創作小説『群雄列伝 下天の章・三 群雄割拠譚』。
詳しい話は過去記事(「拙作語り㉟」)を参照いただきたいのですが、今回は再掲分(=今迄にちゃんと本編本文を書いた部分)である篇ノ四前半部までのキャラクター目録みたいなものを再掲したいと思います。下天の人間以外にも天界・中庸界の非人間やら、馬をはじめとした動物やらも収録してます。その数の多さと話の長さゆえに、書きもれや抜けがあるかもしれません(自爆)。
 基本的に、名前、肩書き、所在、役どころや性格等、筆者の独断と偏見なコメント(おい)の順に書いてあります。

ア行

◆阿媚〈アビ〉
 維家当主・維敦〈イトン〉の愛妾。帝都・河南〈かなん〉へ上る野望を抱き、維敦を謀殺。のち露見し、河西〈かせい〉にて刑死。
 熟語のものが名前になっており、これ「こびへつらう」という意味らしい。勝気で短気で言いたい放題。しかし、最期はあっけなかったなぁ…と思ったり。根は悪い人じゃなかったんだろうけど。
 
◆アルハ
 北胡〈ほっこ〉の首長。専横的で思慮と情に欠ける北方の王である。西方の統治を任せていたドレンらが討たれ秦〈しん〉に出兵するも、読みの甘さから次々と苦難に見舞われ、おおいに痛手を受けたのち自分ばかり敵前逃亡し、追いかけてきた配下の将軍・フヘデに射落とされた。
 王にあるまじきダメオヤジ。そのダメっぷりを連ねたあとの、残念な最期でありました…
 
◆維繋〈イケイ〉
 河西〈かせい〉の維家 前当主・維敦〈イトン〉からみて祖父のいとこに当たる老人。現当主・玉鈴〈ギョクレイ〉とも親戚。実年齢は七十過ぎだが、肉体年齢および精神年齢は二、三十若い(笑)。今なおバリバリの軍人。
 玉鈴を当主に推した、じつは河西の実力者。彼女が独身で過ごしてるのを非常に残念がっていたが、夫・柳發〈リュウハツ〉そして息子・集箑〈シュウソウ〉の存在を唐突に知らされる。今回のところは、この程度のリアクションだが…
 
◆委順〈イジュン〉
 天界の竜族と下天の人間との血を引く幼女。母と実の息子との間に生まれた子で、この事実を知った竜族の長・竜王〈リュウオウ〉により鳥王〈チョウオウ〉の許へ連れて行かれる。しかし彼女を不憫に思った鳥王、そして太陰君〈タイインクン〉と薊軻〈ケイカ〉により命拾いした。現在は薊軻に預けられ下天に居る。
 この話にはヒロインと呼びうる人物が複数出てくるが、不幸度と運命性では彼女が一番ではないかと思う(地)。篇ノ四に入り、数え六歳となった彼女…ぼちぼち戦地に現れ始めてます(汗)。にしても、柳發の一言「媳婦」〈シーフ〉が気になる彼女だ。
 
◆維敦〈イトン〉
 河西〈かせい〉の維家の前当主。自身の郷里を愛し、帝都へのぼり新たな王朝を興そうという気概が無く、愛妾・阿媚〈アビ〉に毒を盛られて暗殺されてしまった。
 飼い犬に手を噛まれた、イヤ、心臓まで食い尽くされたような人です(悲)。玉鈴〈ギョクレイ〉の前夫でもあるが、親戚同士ということもあり形式だけの夫婦で係わり合いはほぼゼロだったらしい。実はその行動の裏に、あんな事情と心情があったとは…と、ちょっと改稿版では驚きがあるが(地)←そういえば、noteでは改めて書いてなかったかもだが、この『群雄下天・三』も『扶桑奇伝』同様に何度か改稿を重ねて現在に至っている;
 
◆郢宁〈エイチョ〉
 江沿〈こうえん〉の呉家当主・呉僵〈ゴキョウ〉の直臣。河下〈かか〉の伝家の息女・浹媛〈ショウエン〉とともに江沿を出た当主の子息・呉燎〈ゴリョウ〉を伝領との国境まで追いかけた。
 苦労人なオジサンです。この「宁」がンン年前のネット界では表示出来なかった(困)。なんでそういう字使うかな自分…いや、なにぶん昔のことで…当時はネットで公開するなんて考えてなかったし。
 
◆営論〈エイリン〉
 河下〈かか〉の伝家の家臣で、当主・伝晟〈テンセイ〉に従い、帝都・河南〈かなん〉に上ったが、伝晟暗殺に関与。災いを避けるため、西方に去る。そこで北胡〈ほっこ〉の圧政に苦しむ民たちの姿を目にして北胡掃討を志し、遂にそれを実現する。
 ちょっと無愛想な感じはするけど、武人然とした渋い青年将軍である。ちなみに、河下を出るときに子供がまだ無かったこともあって夫人とは別れたらしい。つまり現在独身(笑)…そっちのほうでも、今後が気になる(地)
 
◆掩哀帝〈エンアイテイ〉
 永〈エイ〉王朝第二十三代、最後の皇帝。河下〈かか〉から兵を率いて上りきた伝晟〈テンセイ〉により退位させられ、その後自決。毀棄〈キキ〉が仕えていた主人でもある。
 落陽の哀愁というか、悲哀を感じまくる人。永王朝の太祖という人は大した予知能力をお持ちだったが、彼もその子孫らしく、少なくとも自身の最期は見通していたようです。それが尚更悲しい。
 
◆燕享〈エンキョウ〉
 一人の君主が中心となって政治を行うのではなく民たちから選ばれた議士たちが合議の上で政策を決めていく河北〈かほく〉。その河北の議士うちでも中心的人物で、大総統と呼ばれている。燕律〈エンリツ〉の父。
 息子と違って出番ちょっとなので、書くこと思いつかない…(正直な気持ち)
 
◆偃月〈エンゲツ〉
 →太陰君〈タイインクン〉の項を参照されたし。
 
◆燕律〈エンリツ〉
 河北〈かほく〉の大総統・燕享〈エンキョウ〉の子息で、勇気と郷土愛あふれる若者。北胡の強硬な派兵要請に怒って一兵士として加わり、西進の途中で北胡の将軍・シレムを討ち、徴兵された河北の男たちとともに帰還。その後、河西へ連携を求める使者として向かい、維家当主の縁者である珠簾〈シュレン〉を妻に迎えた。
 この話って壮年でも中年でもいいだろうに史実(古代中国史)と違って青年層がバカ多ですけど、その中でも爽やか度が高いです。嫌味なまでに知識あるゾなこと言わないし、裏が無い!いやあ…。予想通りの愛妻家っぷりだし(おい)

カ行

◆陽炎王〈カゲロウオウ〉
 陽炎と光、風にも影響力を持つ天界の半神。名は水月〈スイゲツ〉。創草王・初禅〈ソウソウオウ・ショゼン〉を父に、風神の流れをくむ女性(風老〈フォンラオ〉の娘)を母に持つ。風老の孫、鳥王・金翅〈チョウオウ・コンジ〉と毀棄〈キキ〉の異母姉。下天に降された弟・毀棄を案じて あれこれと根回し、今も密かに見守っている。
 弟の覚醒を強く望むがゆえに、彼の嫌がるような世界へも引き込むべく、自ら策をめぐらす怖いお姉さん。しかし、本人はそれが愛情のつもりらしい…ぶるぶる。
 
◆華弘〈カコウ〉
 華弼〈カヒツ〉(後掲)の祖先にあたる人物。中庸界の方士・甲喜〈コウキ〉の下で修業していた過去を持ち、焔報紙〈えんぽうし〉を子孫へと もたらすことになる。
 何より、あの甲喜に弟子が居たというのが一番の驚き(正直な感想)
 
◆河伯〈カハク〉
 大河〈たいが〉の守護と統治とを天界の創草王〈ソウソウオウ〉ならびに水護王〈スイゴオウ〉より任された、下天に在りながら半神とも言うべき存在。河伯とは称号みたいなもので、本名は洪衛〈コウエイ〉。洪洵〈コウシュン〉=汀蘭〈テイラン〉の父。
 娘が帰ってきて、とりあえず一安心している様子のお父さんです。。
 
◆華弼〈カヒツ〉
 河西〈かせい〉の維家に仕える文官。本職は慶弔関係だったりするが、治水や農耕技術関連の部署にもよく顔を出しており、医学の素養も持ち合わせているらしい。馬宗〈バソウ〉や甘侑〈カンユウ〉とは同僚とも言えるが、彼らよりやや年少のため口調は控えめ。河北〈かほく〉と河西の連携における人的架け橋として河北の大総統の子息・燕律〈エンリツ〉に嫁いだ珠簾〈シュレン〉の義兄。河南のち宛江〈えんこう〉に移った女医・蒿矢〈コウシ〉は姉。
 呉家を除いた有力氏族の臣下でありながら中庸界の名前を口に出す希少人物、その理由が明かされた。全ては御先祖様ゆえに。。それにしても、姉や義兄が河南で医者をやってたとは。この人の縁者の数も、甘侑に勝るとも劣らぬほど多いのかもしれない。
 
◆桓娃〈カンアイ〉
 雷の威力を司る戦神の末裔たる半神、天界の雷夏王・桓帝〈ライカオウ・カンテイ〉の息女。雷夏王女〈ライカオウジョ〉とも呼ばれる。天界で「女たらし」と名を馳せる父に似たのか、いい男には目がない困った娘。兄の死をうけて新たに河下〈かか〉の当主となった伝渥〈テンアク〉に惹かれて下天に降りてきて、現在も彼の傍に居座っている。
 あらゆる意味で無敵っぽいが、そんな彼女にもコワイものはある(居る)ということが後で判明する…。
 
◆管朔〈カンサク〉
 管尚〈カンショウ〉(※後掲、すぐ下)の息子。いとこにあたる恵貞〈ケイテイ〉や甘達〈カンタツ〉らの兄代わりとなっている、頼もしい少年。
 お子様キャラうちでもお兄さんです。篇ノ四に入り、しっかり者度・お兄さん度がアップ。詳細設定だとね、篇ノ四(丁未)時点で十歳らしいよ。。
 
◆管尚〈カンショウ〉
 かつて帝都・河南〈かなん〉で廷尉〈ていい〉、永王朝終焉ののちは河西〈かせい〉にて司法官をしている。妻は蝉娟〈センケン〉、息子は管朔〈カンサク〉。謹悌〈キンテイ〉の兄で、甘侑〈カンユウ〉の義兄、恵貞〈ケイテイ〉と甘達〈カンタツ〉の伯父でもある。毀棄〈キキ〉と顔見知りで、こそ泥少年・洪洵〈コウシュン〉の処刑を取り止めた過去あり。
 働くおじさん。今後も出番はあるんです。。維家の家臣軍団、なんか無性に濃いです。明らかに他の勢力のそれよりも完成度が高い(墓穴)
 篇ノ四にて、大方の予想通りといおうか、毀棄&洪洵と再会してしまった。お説教の刑は、どうも時効になったらしい(微笑)
 
◆甘達〈カンタツ〉
 河西の維家に仕える文官・甘侑〈カンユウ〉の息子。母・謹悌〈キンテイ〉が箑〈ソウ〉を連れて来て以降、しっかり者に成長しつつある少年。
 いやあ、お子様キャラは可愛いです。彼もそう(笑)。篇ノ二での初登場時からすると、篇ノ四では成長ぶりが垣間見れる。
 
◆栞駁〈カンハク〉
 江沿〈こうえん〉の呉家の庶子・呉燎〈ゴリョウ〉に仕えていた青年。実は中庸界〈ちゅうようかい〉の星辰宮〈せいしんきゅう〉で飼われていた辰鹿〈シンロク〉で、江沿の城に囚われた伝家の息女・浹媛〈ショウエン〉を救うために方術を使ったことで主である中庸界の方士・寿考〈ジュコウ〉に居所が知れ、連れ戻されて行った。
 いくら庶子とは言っても、こんな人が何故に当主の子息の守役になっていたのか謎かも…(無責任発言)。実は、多分誰も知らない話だけど第二部・撥乱反正譚にも栞という姓をもつ人物が呉家の臣として登場している。うーん、それって…(筆者本人も汗)
 
◆甘侑〈カンユウ〉
 河西の維家に仕える文官。主に出納を扱っており、河西の財布の紐を握っているといっても過言ではない。その仕事柄ゆえなのか、文官と武官の違いはあれ親しい同僚である馬宗〈バソウ〉よりはいつでも冷静だし寛容、でもシメる所はきっちり締める。謹悌〈キンテイ〉の夫、恵貞〈ケイテイ〉と甘達〈カンタツ〉の父。
 思うに、彼の家族関係で結構な数です(地)。澄ました顔して、なかなかの策士かも。
 
◆毀棄〈キキ〉
 創草王・初禅〈ソウソウオウ・ショゼン〉の子息だが、幼少期育ちが悪かったせいで下天に捨て置かれている苦労人(人じゃなくて半神だけど)。陽炎王・水月〈カゲロウオウ・スイゲツ〉と鳥王・金翅〈チョウオウ・コンジ〉の異母弟。
 仕えていた掩哀帝〈エンアイテイ〉の死後、洪洵〈コウシュン〉と共に蘇〈そ〉の鄙〈ひな〉に隠れるが、陽炎王の指示でかの地に足を運んできた柳發〈リュウハツ〉に乞われて歴史の表舞台に再登場するや、あっちこっち飛び回り、弟分との別れもあったが河西の甘侑宅に子供たちの先生として落ち着いたらしい。
 苦労人ですが、ひどい悲哀ってほどのものを感じさせない。この浮沈の激しい生活を、どこか楽しんでいるのかも(汗)。異性、特に妙齢の美女は苦手らしい(かといって同性が得意ってわけでは…墓穴)。
 
◆吉地〈キッチ〉
 中庸界に在る、水晶宮の本来の主。本性は水晶球。百年ほど前に下天の宰相に嫁ぎ、三人の子を産むのと引き換えに人型を保つ力を失って中庸界に戻ってきた。現在も本性のまま水晶宮の一室に鎮座している。方士・鄒頌〈スウショウ〉の母。愛染宮〈あいぜんきゅう〉の桂思君〈ケイシクン〉とは同類なためか親交があったという。
 基本、言動などは回想でしか出てこないですけど…
 
◆羌進〈キョウシン〉
 秦を中心とする西方地域(梁領)の民。短期間のうちに弓術を習得し、北胡との戦いに加わる。
 自称「おいら」が、けっこういい感じ(謎)
 
◆杏林=華杏林〈カ キョウリン〉
 河西の維家に仕える文官・華弼〈カヒツ〉の長女。
 杏林とは、杏林伝説・キョーリン製薬で知られるように医者のことも指す。伯母が女医だったりするし、彼女もそういう道を歩む…のかもしれない。。
 
◆玉鈴=維玉鈴〈イ ギョクレイ〉
 河西の維家 現当主。前当主・維敦〈イトン〉の死後、維繋〈イケイ〉らに推されて当主となる。天界の赤性王〈セキセイオウ〉ならびに中庸界の桂思君〈ケイシクン〉により柳發〈リュウハツ〉と引き合わされて恋に落ち、男児・集箑〈シュウソウ〉を もうけている。
 為政者として、母として、一人の女として…いろんな肩書きを持つ忙しい人。ようやく未婚の母状態から脱却した女当主様である(苦笑)。
 
◆許凌〈キョリョウ〉
 帝都・河南で医師をしていたが、乙巳〈いっし:きのと み〉の秋の動乱を避けて郷里の宛江〈えんこう〉へ去った。河西の維家に仕える文官・華弼〈カヒツ〉の姉・蒿矢〈コウシ〉の夫。つまり、彼から見て華弼は義弟にあたる。
 奥様の蒿矢ともども、だいぶ先で重要な役回りがあるのだけれど…。
 
◆謹悌=管謹悌〈カン キンテイ〉
 河西〈かせい〉の維家 現当主・玉鈴〈ギョクレイ〉の身の回りの世話を引き受けている女性。維家の文官・甘侑〈カンユウ〉の妻、恵貞〈ケイテイ〉と甘達〈カンタツ〉の母でもある。
 夫や子供たちはもちろん、主人である玉鈴にも心を砕くスーパーウーマン。女主人が夫と子息ともども暮らせるようになって一安心してるハズのご婦人(笑)
 
◆誾耶〈ギンヤ〉
 →地母〈チボ〉の項を参照されたし。
 
◆クチュ
 北胡で天地や祖霊の声を聞く特殊能力者をシャマンというが、その先代。盲目の老人。
 壁に耳あり障子に目あり、なジジイ。「もう年寄りだから」って引退したのに、乙巳の年段階まだまだピンピンしてて怠慢ジジイだと思っていたが、丁未の年になったら影も形も見えません。。
 
◆景瑛=姜景瑛〈キョウ ケイエイ〉
 中庸界の養寿庵〈ようじゅあん〉で鼎俎奶々〈テイソ ナイナイ〉の手伝いをしている少女。女性版方士・方姑〈ほうこ〉としては半人前らしいが、伝晟〈テンセイ〉が認め毀棄〈キキ〉が驚くほど美しく整った容貌をしている。しかし少々変わり者。
 もっとも、中庸界の住人にマトモな奴は一人もおらんですが…。揃いも揃って、やりたい放題の変わり者です。。
 
◆薊軻〈ケイカ〉
 あちこちに現れては知恵を授けたり助けに入ったりしている謎の青年。百年ほど前の撥乱反正〈はつらんはんせい〉の戦いに加わった北方の若き将軍だが、訳あって以降年老いることもなく現在に至っている。天竜と下天の人間双方の血を引く幼女・委順〈イジュン〉を預かっている。
 毀棄〈キキ〉とも張り合えるのではないかと思える、隠れた苦労人…嗚呼。過去についても本編で語ってしまいました。実は後々響いてくるし。丁未の年も、あちこちにバリバリ出没しとります。。
 
◆桂思君〈ケイシクン〉
 中庸界の愛染宮〈あいぜんきゅう〉に住まう女性で、元々は樹精。本性は古樹なのだろうと思われる。天界の赤性王〈セキセイオウ〉と関わり、愛を謎に熱く語る中庸界きっての佳人。でも言動に少々浮薄なところあり。自らが縁結びした男女の間に生まれた集箑〈シュウソウ〉に目をかけており、北胡の進軍の情報を密かに伝えて阻止させた。
 下天に現れるときは大半薪売り娘に身をやつすが、そんな職業が古代中国にあったのかは疑問です(自爆)。イメージはメイド・イン・ニッポンの大原女〈おはらめ〉…京都~おおはら三千院~♪って、おい!!
 しかし、個人的には不空〈フクウ〉との微妙な関係やら、他の中庸界の面々とのこれまた微妙な関係に目がいってしまう。

◆恵貞=甘恵貞〈カン ケイテイ〉
 維家の文官・甘侑〈カンユウ〉と謹悌〈キンテイ〉の娘、甘達〈カンタツ〉の姉。好き嫌いハッキリしてそうな女の子。箏〈そう:十三弦の琴。古くは五弦または十二弦だったという〉の練習に励んでいる。
 今後に期待のお子様キャラ、そのX。篇ノ四に入り、再登場。従兄や弟同様、成長したようですなあ…。何より、彼女は終章まで引っ張るからね!大人に近づいた彼女の決断というのが・・・。
 
◆駃騠〈ケッテイ〉
 江沿〈こうえん〉の呉家が所有する駿馬。迅駛〈ジンシ〉と共に、江沿で一・二を争う名馬。当主の直臣を乗せ、当主の子息・呉燎〈ゴリョウ〉を伝領との国境まで追いかけた。
 迅駛ともども、「とにかく速そうなヤツ」と、速そうな熟語を探してきてそのまま名前にしてます(汗)が、こちらはンン年前はネット仕様ファイルでは保存がきかず表記不可な漢字だったorz。今は大丈夫になったみたいだけど。
 
◆洪衛〈コウエイ〉
 →河伯〈カハク〉の項を参照されたし。
 
◆甲喜〈コウキ〉
 天界の焔火王〈エンカオウ〉と繋がりがある、中庸界の方士。方士としての能力がどの程度なのかは疑問だが、情報通であることは疑う余地なし。空を飛び人語を操る獣・晧黔〈コウケン〉の主。
 他の大多数の中庸界の面々にはキチンと○○宮とか○○庵とか○○洞そばの庵蘆とかいう住所があるのに対し、彼にはどうもそれが無いらしい(汗)。更に、かつて弟子が存在していたことが明らかになってビックリだ(また言った<自爆)
 
◆晧黔〈コウケン〉
 中庸界の方士・甲喜〈コウキ〉のお供をしている、白地に灰色や黒のぶち模様をした獣。自力では飛べない主人を背に乗せ、あちこちに出没している。
 彼(?)もまた、ある意味苦労人です。人じゃないけど。
 
◆黄洸〈コウコウ〉
 →輔竜王〈ホリュウオウ〉の項を参照されたし。
 
◆蒿矢=華蒿矢〈カ コウシ〉
 帝都・河南で医師をしていたが、乙巳〈いっし:きのと み〉の秋の動乱を避け、同じく医師である夫の許凌〈キョリョウ〉の故郷・宛江〈えんこう〉へ去った。河西の維家に仕える文官・華弼〈カヒツ〉の姉。
 女医なお姉さまは、忘れた頃に本編に登場します。けっこう重要な役回りだったりするんだよね…医者だけに。。
 
◆洪洵〈コウシュン〉
 帝都・河南〈かなん〉のコソ泥少年で刑場へと引き出されたが、その歌い手としての優れた才能から当時廷尉〈ていい〉だった管尚〈カンショウ〉により処刑を取り止めにされ、毀棄〈キキ〉に預けられた。掩哀帝〈エンアイテイ〉の死後、兄と慕う毀棄と行動を共にしてきたが、河西で一旦別れる。帰還した兄貴分と共に西岳に戻るも、高熱を出して連れ去られ……。以下、汀蘭〈テイラン〉の項を参照のこと(汗)
 誰も予想しなかっただろう、彼の「その後」。筆者もびびってる!(自爆) この構想を立てた当時の自分の頭を疑ってるくらい(もっと自爆)
 
◆呉彊〈ゴキョウ〉
 江沿〈こうえん〉の呉家 現当主。五人ある子息のうち、長子でも嫡子でもない四男の呉燎〈ゴリョウ〉に期待する、「もしや偏愛症では」の悩める父。
 上記のような事情があるので、やがて後継者問題で揺れそうですね江沿は…(困)
 更に悩ましいことには、息子は五人居るのだけれども、揃って君主となるには何らかの欠点つか弱点つか短所があり、誰が継いでも先行き不安になるという厳しい現実(大困)。
 
◆呉燎〈ゴリョウ〉
 江沿〈こうえん〉の呉家 現当主・呉彊〈ゴキョウ〉の四男。中庸界の獣・彗孛〈スイハイ〉にかどわかされた伝家の息女・浹媛〈ショウエン〉を拾ったことから、従者・栞駁〈カンハク〉 は彼の許を去り、彼自身も江沿の宮城を出て中庸界の不空〈フクウ〉の許に身を寄せることになる。 その後、不空に付き従い、西方地域から北胡勢力を一掃する兵乱にも加わっている。
 悩める少年、迷える子羊です。基本的にイイ子なのだが、時にドSになるのが怖い(おい!)。にしても、彼の背負う宿命とは、どのくらい重いのだろうか…(困)
 
◆金翅〈コンジ〉
 →鳥王〈チョウオウ〉の項を参照されたし。

サ行

◆詩藻〈シソウ〉
 河西〈かせい〉の木匠〈ぼくしょう〉・襄徳〈ジョウトク〉(後掲)の妻。洪洵〈コウシュン〉の歌をこよなく愛する幼女・翠雨〈スイウ〉の母。
 お母さんは色々と大変なんですよね…しみじみ。。
 
◆シャマン
 北胡〈ほっこ〉で、先祖や土地、動物たちの霊などの声を聞く特殊能力者。占い師に近いかもしれない。盲目の老爺・クチュから、少女ボルテへと引き継がれた。
 たぶん「シャーマン」…巫女とか、系列はそれなんでしょうけど「シャマン」らしいです。
 
◆周恒〈シュウコウ〉
 河北〈かほく〉の議士の一人。初老くらいの年齢になっているかも。
 いまだ基本はチョイ出なので、筆者としてつっこみようが無いです(困)
 
◆集箑〈シュウソウ〉
 河西〈かせい〉の維家 現当主・玉鈴〈ギョクレイ〉と、柳王朝の末裔・柳發〈リュウハツ〉との間に生まれた男児。天界の赤性王〈セキセイオウ〉および中庸界の桂思君〈ケイシクン〉が仲を取り持った男女の息子であるため、この二人の愛し子でもある。維家の文官・甘侑〈カンユウ〉の邸で養育されていたが、父が現れ、河西へ移るに至って、父母と共に暮らすようになる。
 維箑〈イソウ:母方の姓〉でも柳箑〈リュウソウ:父方の姓〉でもなく、両親の姓の一部を取って合わせて新姓を興し名乗る、北胡軍を渡誼橋の上で単身食い止めた驚愕の童子。
 まだ数え四歳なのに、なにこの活躍ぶり!!(自爆) 天界そして中庸界と応援団の多い子です。太陰君とも繋がりがあるようだしなぁ…
 
◆寿考〈ジュコウ〉
 中庸界〈ちゅうようかい〉の星辰宮〈せいしんきゅう〉を取り仕切る、老人の姿をした方士。下天に出て悪戯して帰ってくる彗孛〈スイハイ〉といい、家出して戻らずに江沿で当主の息子の従者になってた辰鹿〈シンロク〉といい…問題児ならぬ問題ペットを複数飼っているという点では苦労人。しかし、占術に関しては信頼度が高いらしい。
 中庸界の方士、外見は青年でン百歳という人が多数派なのだが、こういうジジイも居ます。未来の見通しを立てることには結構優秀らしく、外見の若い他の方士にその辺語ったりもしています。
 
◆茱萸〈シュユ〉
 北胡の圧政を逃れ、雪嶺山脈〈せつれいさんみゃく〉に逃げ込み暮らしてきた西方の民。若い母親。解放軍が最初に出会う、山中の民である。
 茱萸とは、かわはじかみ。日本では「ぐみ」のこと。…姓まで考えて決めるに至ってない(自爆)
 
◆珠簾=紹珠簾〈ショウ シュレン〉
 河西の当主を出す維家から分かれた傍系・紹家の娘で、維家の文官・華弼〈カヒツ〉の義妹。遅くに生まれた娘な為、両親亡きあと姉・慎芝〈シンシ〉とその夫・華弼に引き取られて養育されていた。河西が河北〈かほく〉との連携を約束し、これに合わせて河北の大総統の子息・燕律〈エンリツ〉の許に嫁ぐ。北胡の進軍を、義兄から託された焔報紙により河西に伝えた。
 初々しい…そして、いじらしい。ちょっと卑屈だけど(困)。この話では、割と珍しいタイプの女の子です(地)
 
◆浹媛=伝浹媛〈テン ショウエン〉
 河下〈かか〉の伝家の息女で、現当主・伝渥〈テンアク〉の妹。長兄である伝晟〈テンセイ〉、三番目の兄・伝晏〈テンアン〉よりも、二番目の兄・伝渥によく懐いていたらしい。可愛いがために中庸界の獣・彗孛〈スイハイ〉にかどわかされて江沿〈こうえん〉に棄てられ、江沿の城で人質として囚われたが、呉家の子息・呉燎〈ゴリョウ〉らにより河下に戻ることが叶う。
 さらわれたり囚われたりと筋金入りのお姫様なのですが、そんな彼女も武家の娘。もう少し経つと女将軍になってしまうのだろうと思われます(汗)。今後、呉燎との関係はどうなるのか…うーん、気になる。
 
◆蕭憲〈ショウケン〉
 西方の民。老人。雪嶺山脈に逃げ込み暮らしてきた同郷の民の住まいを訪ね当て、彼らの協力を得るに貢献した。
 いい味出してるよ、この爺さん。。
 ついでだから付け加えておくと…本文中で自分のことを茱萸〈シュユ〉に「西域の地名に由来する姓を持つ、昔からのこの西方の民」と語っているが…春秋戦国時代頃の中国地図による、西方地域の蕭関から取っている。現在で言うと甘粛省なのかなあ、ここは。
 更に追記しとくと…かなり有名な話なのでご存知の方もおられるだろうが、史実に漢の高祖・劉邦に仕えた蕭何〈しょうか〉という人物が居る。彼の存在も頭にあってこの姓を選んだところもあるが、実は彼がどこの出身かは知らない筆者で申し訳ないorz
 
◆湘晢〈ショウセキ〉
 江沿〈こうえん〉の呉家当主・呉僵〈ゴキョウ〉の直臣。河下〈かか〉の伝家の息女・浹媛〈ショウエン〉とともに江沿を出た当主の子息・呉燎〈ゴリョウ〉を伝領との国境まで追いかけた。 同じ直臣の郢宁〈エイチョ〉よりも若いぶん、気弱な印象で口もチョット軽いかも…
 地味~に苦労人です。。
 
◆襄徳〈ジョウトク〉
 河西〈かせい〉の木匠〈ぼくしょう〉。木匠とは大工、指物師、彫刻家など、まさに「木の匠」のことであるが、筆者としては大工さんだと思っている(オイ)。妻は詩藻〈シソウ〉、娘は翠雨〈スイウ〉。
 お父さん自身が出てくることってあるのかしら…あったとしても、きっとだいぶ先(爆)
 
◆初禅〈ショゼン〉
 →創草王〈ソウソウオウ〉の項を参照されたし。
 
◆シレム
 北胡〈ほっこ〉が秦〈しん〉を含む西方地域を支配するために置いた司政府〈しせい ふ〉の役人で、欲深な小心者。ドレンの手下。西方の民衆が営論〈エイリン〉らに導かれ蜂起し、北胡の都・ノヤンにかろうじて逃げ戻るも首長・アルハに駆り出され、河北〈かほく〉から徴集された兵士たちを束ねる任務を負うが、西進の途中で燕律〈エンリツ〉に討たれる。
 因果応報ってか天罰てきめんって言うかなんだが、哀愁は漂ってくる。
 
◆慎芝=紹慎芝〈ショウ シンシ〉
 河西の当主を出す維家から分かれた傍系・紹家の娘で、維家の文官・華弼〈カヒツ〉の妻、珠簾〈シュレン〉の姉、杏林〈キョウリン〉の母。
 いわゆる良妻賢母型人材。妹が嫁に行くや、おめでた続き。さらに、粽作りが上手で馬鑽〈バサン〉などかなりのハマりようらしい。
 
◆迅駛〈ジンシ〉
 江沿〈こうえん〉の呉家が所有する駿馬。江沿で一・二を争う名馬。当主の直臣を乗せ、当主の子息・呉燎〈ゴリョウ〉を伝領との国境まで追いかけた。
 「迅駛」は、「非常に速い」という意味の熟語です。そのスピード感で、そのまんま名前にしてます(自爆)
 
◆晨風〈シンプウ〉
 江沿の呉家の厩舎に居た、この頃はまだ無名の灰茶の若駒。呉燎と浹媛〈ショウエン〉を背に、伝との国境まで走り通した。のち一時的に中庸界の不空〈フクウ〉の許で過ごすが、寿考〈ジュコウ〉の提案に従い、峡関〈きょうかん〉近くの村に預けられた。そしてその後、西岳〈せいがく〉山麓の小川に現れ、河西へ向かう柳發〈リュウハツ〉一行に拾われる。
 とうとう名前も付けてもらい、毀棄〈キキ〉の相棒としての駿馬・「晨風」として活躍。
 
◆晋良〈シンリョウ〉
 河西の維家軍、将軍・馬鑽〈バサン〉の下に属する兵士。彼が次三弓弩〈じさんきゅうど〉を使うとき、補助をつとめている。
 台詞もないし、きまじめ~な兵士ってな感じがする。。
 
◆辰鹿〈シンロク〉
 →栞駁〈カンハク〉の項を参照されたし。
 
◆翠雨=襄翠雨〈ジョウ スイウ〉
 河西〈かせい〉の木匠〈ぼくしょう〉・襄徳〈ジョウトク〉とその妻・詩藻〈シソウ〉の間に生まれた娘。洪洵〈コウシュン〉の歌をこよなく愛し、よくグズっては母親を困らせている。
 大活躍とまではいかないけど、それなりにキーパーソンです。。
 
◆水月〈スイゲツ〉
 →陽炎王〈カゲロウオウ〉の項を参照されたし。
 
◆吹吹〈スイスイ〉
 天界の陽炎王・水月〈カゲロウオウ・スイゲツ〉の従者で、猪の姿。どちらかというと直情的で、子供っぽいところがある。
 実は第一部・易姓革命譚から下天に時たま現われてはアレコレ根回しをしていた過去を持つ。全ては御主人の弟愛ゆえに(嗚呼)。
 
◆彗孛〈スイハイ〉
 中庸界〈ちゅうようかい〉の星辰宮〈せいしんきゅう〉で飼われている、犬ほどの獣。気分屋で悪戯大好き。河下の城から当主の妹・浹媛〈ショウエン〉を連れ出し、江沿〈こうえん〉に置き去りにしたことで、国境を接して睨み合う伝〈テン〉と呉〈ゴ〉の両家の間に緊張が走った。
 星辰宮の問題ペット。外見は結構可愛いらしいんだが、この性格…うーん。
 
◆鄒頌〈スウショウ〉
 中庸界の方士。柳擶〈リュウセン〉を「師傅〈シフ:先生〉」と呼ぶ割に、彼との関係にも謎が多い。母は水晶精、父は方士であったがため、方士としての能力は非常に高く、中庸界うちではそこそこの位置に居るらしい。しかし、外見はともかく性格と言動はヒドいもんである。
 中庸界の住人うちでも、とことんやりたい放題です。ひでえ、まじで。こんなに自由でいいのか!?現状でもひどいが、今後もっとどうしようもなくなるなんて…天界の貴子たる毀棄を突き落としたしなぁ(溜息)
 
◆清婉〈セイエン〉
 天界の創草王・初禅〈ソウソウオウ・ショゼン〉の妃で、毀棄〈キキ〉の生母。夫から向けられた疑惑に嘆き、深い眠りについてしまったという。
 そんな疑惑が…てな、お妃さま。。嗚呼。
 
◆陝靖〈セイセイ〉
 北胡の圧政から逃れ、雪嶺山脈に潜み暮らしてきた西方の民の一人。弾弓の腕前は結構なもの。
 うーん…好みが分かれそうなタイプではある(地)
 
◆陝朗〈セイロウ〉
 北胡の圧政から逃れ、雪嶺山脈に潜み暮らしてきた西方の民の一人。堂々とした体格に似つかない鋭い勘を持っている。
 たぶん前掲の陝靖とは兄弟か…少なくとも親戚同士なんだろうけど。雪嶺山脈中の西方の民の人物相関に関しての説明は、あまりしてないですからね…。後日どんだけ必要かって考えると以下略(汗)。
 各陣営に「軍気」が見える珍しい人が最低一人は居るものだが(笑)、西方の場合はもしかしたら彼なのかも…
 
◆赤性王〈セキセイオウ〉
 天界にて愛欲の感情を司る、赤い髪に赤い瞳、額に第三の目を持つ半神の女性。仲人志願というか、そんな感じかも…。玉鈴〈ギョクレイ〉と柳發〈リュウハツ〉を引き合わせようと最初に考えた張本人。
 天界の「やりてばばあ」。天界の住人に愛について語るだけでは足りなかったのか、下天でまで縁結び業を始めてしまった。こ、この御方…(汗)
 
◆蝉娟=魯蝉娟〈ロ センケン〉
 管尚〈カンショウ〉の妻、管朔〈カンサク〉の母。つつましき良妻賢母。
 これまで彼女の姓なんて考えたこと無かったけど…これがこういう書式なので考えてみました(墓穴)
 
◆箑〈ソウ〉
 →集箑〈シュウソウ〉を参照されたし。
 
◆創草王〈ソウソウオウ〉
 創造神の末裔で、ものを生み出す能力と第二の目を持つ、天界の半神。名は初禅〈ショゼン〉。陽炎王・水月〈カゲロウオウ・スイゲツ〉、鳥王・金翅〈チョウオウ・コンジ〉、そして毀棄〈キキ〉の父。
 「始める」「初め」という意味なら「草創」のほうが普通な気がするのだが、何故か当初から「創草」です。うーん…(悩)
 お父様が毀棄を下天に捨て置くに至ったには、どうも様々な事情と心情が絡んでいるようだ。しかし、彼が自ら下天に息子を迎えに来るのは一体いつになるのか。結局そこまで到底書けず、「いきなりエピローグ」的にラストだけメモ打って残してたんだけど(墓穴)

タ行

◆太陰君〈タイインクン〉
 天界の月がかつて下天の子のない夫婦に我が身を削って与えた娘・少偃月〈ショウ エンゲツ〉が中庸界を経て天界に昇って以降の呼称。下天に在った頃には撥乱反正〈はつらんはんせい〉の戦いに女性ながら謀士として加わり、虎賁〈コホン〉=のちに帝位に立つ永芳薫〈エイ ホウクン〉を補佐した。薊軻〈ケイカ〉および不空〈フクウ〉とは言わば戦友で、委順〈イジュン〉の名付け親でもある。月の化身的な存在であるためか、しばしば下天の動向に介入する。
 もと女謀士、現在は月女神。この御方も、かなりなもんです。色々と。
 
◆泰衡〈タイコウ〉
 中庸界の鬼籍宮〈きせききゅう〉に在り、天界の夜摩王〈ヤマオウ〉を補佐する方士。四つ目の犬狼・冢狛〈チョウハク〉の主でもある。生まれた時代は鄒頌〈スウショウ〉とほぼ同じ。
 まだまだ出始めという感じですが…(汗)。鄒頌とは言わば同期生なのだが、優等生と問題児くらいの差があります。…泰衡のほうが、模範的優等生ですよ。もちろん。
 
◆太母〈タイボ〉
 →地母〈チボ〉の項を参照されたし。
 
◆地母〈チボ〉
 天界に在る、大地と豊穣を司り、大地を支える巨大な竜とも解される竜女。半神ではなく神そのものと言える存在。名は誾耶〈ギンヤ〉 。中庸界の方士・柳擶〈リュウセン〉は彼女を信奉しており、彼女に乞われてかつての易姓革命の戦いに加わった。
 グレートマザー。時々出てきます。
 
◆鳥王〈チョウオウ〉
 竜蛇に対抗しうる、鳥の特徴を備えた半神。名は金翅〈コンジ〉。創草王〈ソウソウオウ〉・初禅〈ショゼン〉と有翼種の娘(前 鳥王〈チョウオウ〉の姪)との間に生まれた息子で、陽炎王・水月〈カゲロウオウ・スイゲツ〉の弟、毀棄〈キキ〉の兄。 かつての下天での易姓革命の戦いに加わり、飛鷹〈ヒヨウ〉と名乗って永家軍の軍師を務めた。子返しを望まれた委順〈イジュン〉を憐れに思い、彼女を助けたりもしている。
 心優しく、見目麗しい天界の半神です…でも戦闘能力は群を抜いてるんだなあ。鬼畜並みですよ。うーん、まんだむ(謎、そして…古ッ)。
 
◆冢狛〈チョウハク〉
 中庸界の鬼籍宮に在る、四つ目の犬狼。基本的に死期が迫っている人間にしか見えず、その前に姿を見せるのが一つの仕事みたいなものらしい。だが、ごくたまに彼(?)が『見える』目を持つ人間も居る。
 キーマンならぬ、キーウルフ?(おい)…主人である方士・泰衡〈タイコウ〉があまり下天に出向かないため、彼(?)もまた中庸界でうろついてるほうが多そう。あとでまた出てきます…でも、だいぶ後(汗)。
 
◆陳徂〈チンソ〉
 呉〈ゴ〉領との国境付近の警備を仰せつかる、伝〈テン〉家の臣。優美な青年系が何だか多いこの話にあって、ガタイが良くて肥えた中年と名言されているオッサン。
 態度は偉そうだが、役回りはジミ。
 
◆鄭欽〈テイキン〉
 営論〈エイリン〉の従者。物腰穏やかで良識的な将軍。
 なかなか鋭いことを言ってくれるのです、この人。で、西方での兵乱では将軍としての有能さも見せてくれました。うーん、まんだむ(謎)
 
◆鼎俎奶々〈テイソ ナイナイ〉
 中庸界の養寿庵〈ようじゅあん〉に住まう方姑〈ほうこ:女性版方士〉で、動植物や鉱物とその薬効について造詣が深く、薬を作ることが大得意。何を考えているのか良く分からない謎のオババ。
 中庸界の女性は若く美しい非人間が印象強いのだが、こういう婆様も居るのです。。
 
◆汀蘭=洪汀蘭〈コウ テイラン〉
 大河〈たいが〉の守護と統治とを天界の創草王〈ソウソウオウ〉ならびに水護王〈スイゴオウ〉より任された存在である河伯〈カハク〉を現在名乗る半神・洪衛〈コウエイ〉の子。幼い頃に父親により人間社会に放り込まれて以降行方不明になっていたが、鄒頌〈スウショウ〉の手で親許へ戻された。
 いやはやビックリですな、こそ泥少年が麗しき半神の乙女になってしまった。しかも、兄貴分・毀棄〈キキ〉を慕うがゆえに女性として成人したにも関わらず、彼のことを忘れてしまっている切なさ。うーん、どうしてくれよう(墓穴)
 
◆伝渥〈テンアク〉
 河下〈かか〉の伝家の現当主。兄・伝晟〈テンセイ〉が帝都に上ったのち討たれたため、十代半ばと若くして当主となった。兄・伝晟が自慢し、天界の面食い・桓娃〈カンアイ〉が見惚れるほどの「才気煥発・眉目秀麗」…才色兼備の男版みたいな人物である。
 その上、きょうだいへの思いやりあふれる言動…欠点あるのか?こやつ(地)
 
◆伝晏〈テンアン〉
 河下の伝家の子息で、現当主・伝渥〈テンアク〉と同年の弟。病弱であるが、伝渥のことを常に気にかけている様子で、時に無理もする。
 伝家は第一部(易姓革命譚)よりも昔から筋金入りの武人の家なのに、軟弱すぎる…(泣)。性格までもが、なよっちい。でも、このまま終わると思うなよ(意味深)
 
◆伝晟〈テンセイ〉
 河下〈かか〉の伝家の前当主。帝都・河南に上り、衰退する永王朝に幕を引いたが、新たな国作りに取り組もうとした矢先に外様の臣たちに襲撃され、討たれてしまった。中庸界の少女・景瑛〈ケイエイ〉と一度会っている。
 二十半ばで妻子有り、しかし連れて帝都に上ったがため一緒に討たれた…という辺りも、改稿により伝渥の台詞を追加することで匂わせてみました。
 
◆天昴〈テンボウ〉
 →輔竜王〈ホリュウオウ〉の項を参照されたし。
 
◆伝諒〈テンリョウ〉
 伝晟〈テンセイ〉、伝渥〈テンアク〉らから見て大叔父にあたる、後見人。
 重鎮というか…維家で言うところの維繋〈イケイ〉みたいな存在かも。静と動とでカラーは違う気がするけど。
 
◆ドレン
 北胡〈ほっこ〉が秦〈しん〉を含む西方地域を支配するために置いた司政府〈しせい ふ〉の役人頭で、欲深で腹黒な男。シレムの上司。西方の民衆が営論〈エイリン〉らに導かれ蜂起するに至り、妻・ハラーともども捕らえられて処刑された。
 身から出た錆、という言葉がよく似合うダメオヤジ。。

ナ行

◆ナラン
 北胡〈ほっこ〉の男勝りな少女将軍。前首長・アルハの姪、現在の首長(王)・ヤッサの従妹。
 何というか、えらく短気な将っぷりを晒したばかりな篇ノ四(汗)
 
◆寧楽〈ネイラク〉
 西方の梁家の老臣・班業〈ハンギョウ〉の妻。梁家の生き残りである息女・琇娜〈ユウナ〉とともに北胡の手から逃れ、身を隠していた。
 苦難の隠れ家生活を割愛しているため、嬉し泣きばかりしている印象があります(困)…うーん、こんなに偏ってていいのか(墓穴)

ハ行

◆白兎〈ハクト〉
 峡関〈きょうかん〉そばの村で生まれた、その名の通り白の駿馬。晨風〈シンプウ〉の子。主に柳發〈リュウハツ〉をその背に乗せ、東へ西へと駆けていた。
 そういえば、馬たちの性別まであんまし深く考えてないんだよな…(ダメ筆者<墓穴)
 
◆馬鑽〈バサン〉
 河西〈かせい〉の維家の武官。武官筆頭・馬宗〈バソウ〉(後掲)のすぐ下の弟。飛距離に優れた次三弓弩〈じさんきゅうど〉を操る。文官・華弼〈カヒツ〉の妻である慎芝〈シンシ〉が作る粽〈ちまき〉に目がない。
 維家の家臣軍団、どこまで濃ゆいんだ…orz
 
◆馬宗〈バソウ〉
 河西の維家の武官筆頭。豪胆ではあるが、謹厳実直で正義感の強い好漢。なかなかの役者でもある。
 半ば「待ってました!」の再登場。ほんと、維家の家臣軍団は濃いなあ…
  
◆發〈ハツ〉
 →柳發〈リュウハツ〉の項を参照されたし。
 
◆馬陽〈バヨウ〉
 河西の維家の武官筆頭・馬宗〈バソウ〉(前掲)の末弟。若年ながら優秀な馬医(伯楽)で、三度の飯より年頃の娘さんより馬が好きという変わり者。相変わらず嫁に来てくれるという娘さんが現れず、兄や義姉たちを悩ませている。
 維家の家臣軍団は層が厚く揃って濃いが、馬家の兄弟も相当個性が強い。でも…この三人だけじゃないんだ…orz
 
◆ハラー
 北胡〈ほっこ〉が秦〈しん〉を含む西方地域を支配するために置いた司政府〈しせい ふ〉の役人頭・ドレンの妻。夫同様、とにかく強欲。西方の民衆が営論〈エイリン〉らに導かれ蜂起するに至って、夫と共に捕らえられ火刑に処された。
 死に様は壮絶ですけど、それは己のした罪過によるものなので…ウーン。
 
◆班業〈ハンギョウ〉
 西方の梁〈リョウ〉家の老臣。妻は寧楽〈ネイラク〉。梁家の生き残りである息女・琇娜〈ユウナ〉とともに北胡の手から逃れ、身を隠していた。
 苦難の隠れ家生活を書いてないので、奥さんともども嬉し泣きばかりしている印象があります(困)…うーん(悩)
 
◆範佐〈ハンサ〉
 天界の創草王・初禅〈ソウソウオウ・ショゼン〉の従者。姿は白い鵞鳥。
 忠義には厚いが、なんとなく抜けてる感じがする…(困)
 
◆風老〈フォンラオ〉
 天界で風を司る老人。これは呼称というか愛称で、本名や称号(○○王)はおそらく別にある。陽炎王・水月〈カゲロウオウ・スイゲツ〉の祖父。中庸界の不空〈フクウ〉と関わりを持つ。
 この御方も、話題にのぼるだけで自らはお出ましにならないと思います…
 
◆不空〈フクウ〉
 中庸界の雷響洞〈らいきょうどう〉そばに居を構える方士。もとは永王朝開基・興穏帝〈コウオンテイ〉の実弟で、永震〈エイシン〉という名。養い親でもある老爺〈ラウエ〉に乞われて弟子となり、雷響洞を引き継いだ。それ以前に呉〈ゴ〉家の遺児・莉於〈リオ〉との間に子女をもうけており、彼らの子孫が現在の呉家となっている。師ともども、天界の雷夏王〈ライカオウ〉と関わってきている。
 何かと難しい事情を抱える人物です。いや、ほんとに。現在共に暮らしている呉燎〈ゴリョウ〉の将来についても悩んでいるようだし…
 
◆フヘデ
 『雷の子』と呼ばれる北胡の将軍。寡黙で剛直。青灰色の瞳に茶褐色の髪。前首長アルハを見限り、自ら討った。
 キーマンですねえ…
 
◆芙蓉=褒芙蓉〈ホウ フヨウ〉
 北胡の圧政を逃れて雪嶺山脈〈せつれいさんみゃく〉で暮らしていた西方の少女。褒允〈ホウイン:後掲〉の姪。雪嶺山脈を越えようとするマーニの小隊を先導し、シャマン・ボルテの首飾りを受け取った。
 その後が気になる終わり方で、ごめんなさーい…
 
◆褒允〈ホウイン〉
 北胡の圧政を逃れて雪嶺山脈で暮らしていた西方の民うちでもリーダー格の青年。山中で鄭欽〈テイキン〉率いる西方解放軍に出会い、彼らに知恵を貸す。芙蓉の叔父。
 リーダーなのに意外と地味かもー…
 
◆墨薈〈ボクカイ〉
 営論〈エイリン〉の従者。豪気ででかい口を叩き、夜は大口を開けて眠る。しかし優秀かつ勇猛な武将である。
 同じ従者の鄭欽〈テイキン〉 とは色々と対照的です。でも、立派な武人であり結構いい人。
 
◆輔竜王〈ホリュウオウ〉
 天界の竜王の妹と、易姓革命当時の下天の将軍との間に生まれた男児。幼少期に両親が相次いで失踪し、水護王〈スイゴオウ〉に引き取られて天界で育つが、撥乱反正の戦いが始まる少し前に、天界の御意により下天に戻された。のち、再び天界に昇るが…。
 誕生時は伝昂〈テンコウ〉、下天に戻って黄洸〈コウコウ〉、天界に昇って輔竜王・天昴〈ホリュウオウ・テンボウ〉…複数の名前を持つのでややこしい。委順〈イジュン〉の父。妻である太陰君〈タイインクン〉同様、薊軻〈ケイカ〉とは戦友と言える。
 
◆ボルテ
 北胡で、先祖や土地、動物たちの霊などの声を聞き伝える「シャマン」を継いだ少女。決して声を出して喋らない。西方の兵乱へ向かう『もう一人の若き王』・マーニを助けるために首飾りを手放すが、これがきっかけとなり彼に想いを寄せられることに。今度は祖霊の「中原へ侵攻せよ」との命令を首長ヤッサに伝え、自らも従軍する。しかし、彼女本人はそれを望んでおらず…
 北胡の人名はモンゴル神話・歴史から持ち出してきてるんだが…ンン年前チンギス・ハーンの生涯とか映画化されたりして、すっかりこの名前の出所も有名になってしまったかもと(困)
 そんなことより、彼女周辺の若者たちの恋の行方が気になる。やっぱり劇的な進展ない様子だから、尚更気になる(素)
 
◆翻羽〈ホンパ〉
 河西の維家が所有する駿馬。黒毛の牡馬で、河西一の名馬と目される。北胡の侵攻を阻んだ立役者の一人ならぬ一頭(笑)
 馬たちの性別まで深く考えたことは無いと云ったはずのダメ筆者だが、翻羽については性別が決まっているというのが不思議である(墓穴)

マ行

◆マーニ
 北胡の現首長・ヤッサの幼なじみ。秦に派兵され、営論〈エイリン〉ら率いる西方解放軍と戦うが、道中および兵乱の苦難を幾多の援助を受けて乗り切り、ノヤンに帰還した。今回の南部への出兵にも加わるが…
 ヤッサとは違う試練を与えられた『もう一人の若き王』。でも、篇ノ三が終わった時点で単なる恋する熱い青少年になってしまった。しかし、篇ノ四にあっても、何も動きが見られない…(悩)

ヤ行

◆薬壷王〈ヤッコオウ〉
 天界の名医と呼ばれる半神。
 この御方が毀棄〈キキ〉を無問題の健康児と結論したせいで、彼は現在下天で難儀な生活していると思うと…(汗)。でも、この件に関してはこの御方は何も悪くない。。
 
◆ヤッサ
 北胡の前首長・アルハの子息で、現在の首長(王)。父親に似ず、聡明で礼儀正しく人望ある若者。落馬して大怪我したため、西方への出兵から外された。西方解放軍との戦いで自軍が大敗を喫し、敵前逃亡した父が臣下である将軍・フヘデに討たれたのを受けて、新たな首長となる。玉輅亡欠〈ぎょくろぼうけつ〉三年、シャマンの献策により南方への出陣へと動くが…
 首長になっても春が来ても、まだ骨折は完治していなかった若き王だが、篇ノ四に入った時点では復帰したようで一安心(おい)。あれから約二年経ってるのにまだ独身ぽいが…継嗣をもうけるという王様の大事な仕事はどうなっているのだろうか(下世話)
 
◆夜摩王〈ヤマオウ〉
 死者を裁くのを職務とする天界の半神。
 明らかに閻魔様(ヤマ)がイメージモデルにあるだろう、てな御方です…安直…(墓穴)。補佐機関みたいなものとして中庸界に鬼籍宮〈きせききゅう〉を置いている。そこの方士である泰衡〈タイコウ〉が、ぼちぼち登場してきとりまふ…。
 
◆琇娜=梁琇娜〈リョウ ユウナ〉
 秦を中心とした西方地域の領主・梁家の息女。北胡に攻め入られて父・梁鋪〈リョウホ〉ほか多くの者達が自決したが、彼女は老臣・班業〈ハンギョウ〉夫妻に託されて身を隠していた。営論〈エイリン〉らが秦に入り、北胡を掃討するため起〈た〉つに至り、民たちの前に姿を現す。北胡勢力が一掃され、新たな西方地域の宗主となった、西方一の美女との評判をとる麗しい少女。
 この話うちでの、王道ヒロインの一人です。て、王道ヒロインの定義って何なのか自分(墓穴)
 
◆楊匡〈ヨウキョウ〉
 幼い毀棄〈キキ〉を拾い、学問を修めさせつつ養った旅の学者。実は柳發〈リュウハツ〉の母方の伯父。
 人の縁ってスゴイね!…というわけで、毀棄の「老師」の正体が判明。。

ラ行

◆雷夏王女〈ライカオウジョ〉
 →桓娃〈カンアイ〉の項を参照されたし。
 
◆老爺〈ラウエ〉
 易姓革命や撥乱反正の時代は何かと手を出し足を出し(?)活躍していたが、今は亡き中庸界の方士。不空の師であり育ての親。中庸界では相当の古株なため、彼の生まれや育ちなどを知る者はほとんど居ない。老爺とは外祖父(母方の祖父)の呼称だが、皆そう呼んでいて、本来の意味での名前は不詳なまま。
 今は亡き方士なため、名前というか…思い出話とかでしか出てこないけど。にしても、なんか呼称以外の名前考えておいても良かったなと今更反省(遅すぎ)
 
◆竜王〈リュウオウ〉
 天界の竜族の長。竜族というのは鳥王〈チョウオウ〉ほか有翼種とはあまり仲がよろしくなく、水と治癒に才がある種族。身内の不祥事に胸を痛め、親交などまるで無い現 鳥王・金翅〈コンジ〉の許へ頼みごとをしに行く一面もある。下天に在る半人半竜の幼女・委順〈イジュン〉(厳密に言うと、竜:人間=3:1)から見て伯父かつ大伯父にあたる。
 悩み多き、竜族の長。この方も色々と見えないところで面倒なこと抱えてます(困)
 
◆柳擶〈リュウセン〉
 中庸界の坤元洞〈こんげんどう〉そばの庵に住まい、地母〈チボ〉を信奉する方士。元々は下天最初の王朝である柳王朝の皇帝の子息つまり皇子で、柳發〈リュウハツ〉とは遠い親戚にあたる。下天の章を通じて顔を出すが、最も活躍するのは一・易姓革命譚(以降は弟子が出てくるから、本人はチョイ出)。鳥王〈チョウオウ〉と知り合いだったりもする。
 坤元洞っていう住所にも、それなりに意味があり…「坤元」は「土・大地・地の徳」のことだそうです。他の方士よりは「やりたい放題度」控えめ…かも。
 
◆柳發〈リュウハツ〉
 西岳〈せいがく〉に住む、柳王朝の末裔。中庸界の桂思君〈ケイシクン〉によって西岳に連れ出された維家当主・玉鈴〈ギョクレイ〉と出会い、夫婦となり一子・集箑〈シュウソウ〉をもうけている。陽炎王〈カゲロウオウ〉の言葉に従い、蘇〈そ〉の鄙に隠れていた毀棄〈キキ〉と洪洵〈コウシュン〉とを迎え入れる。玉鈴の笄〈こうがい〉を見付け、改めて約束を果たすため河西へ向かい、子息と対面し妻と再会。維領を他氏族の侵攻から守るべく行動し、一旦は西岳に戻るが、丁未の年の暮れに河西へ移り、妻子と共に暮らすこととなる。
 実は何考えてるか良く分からない、でもこの人もたぶん伝渥〈テンアク〉同様の「才色兼備の男性版」。しかし…アレだ。すごく非凡な切れ者なんだが、微妙にヌケてるから完全なる二枚目ではないよ彼は(素)
 そういえばこの時代、読み書きに堪能な人はまだそうそう居なくて、蔵書の整理を頼める人物をわざわざ各地をめぐって捜していたということになっているらしい…改稿で少々そこらの事情は足してみたが(汗) そして、伯父・楊匡〈ヨウキョウ〉によっても繋がっていた毀棄との縁。。うーん…
 
◆梁鋪〈リョウホ〉
 西方の異民族から出た、秦の元 領主。北胡軍に攻められて自決したが、娘・琇娜〈ユウナ〉を老臣・班業〈ハンギョウ〉に託して逃した。
 運の悪い人というのは居るもんだなあ…という意味で悲哀を感じるお父さん。。
 
◆ルジム
 北胡の馬。おとなしい性分らしいが、西方への出陣準備が進むさなか、首長の子息(※当時)・ヤッサを振るい落として大怪我をさせた。実はなかなか従順で賢い駿馬。
 西方へとマーニが駆って出た馬がこのルジムだったりして…(汗)。でも、マーニのことはしっかり乗せて行って帰ってきました。影の役者かも…

***

以上です。
漏れ・抜け、過不足、色々ありそうですが…(困)

今後、篇ノ四後半部以降に書くはずだった展開のあらましを述べて、長かった「拙作語り、群雄下天・三」を終える予定です。。

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