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拙作語り㉜~六花シリーズ・設定おさらい篇(※追記あり)

現代戦隊ファンタジーな拙作『六花繚乱ヘキサムライ』ならびに その筆者自身によるパロディ和時代劇『六花稗史』に関しては、過去記事でも色々と述べていますが、今回は「登場人物紹介とキャラ相関」というところを中心に整理し直してみようと思います。
今もう出してない極初期の構想メモからも引きつつ…(当初の構想と変更が入ったところに関しては修正を入れつつ…)。

現代劇『六花繚乱ヘキサムライ』

『六花繚乱ヘキサムライ』とは

妖怪・悪霊などを倒しうる能力を引き継いだ落武者の末裔が集い、悪企みをする現代の妖怪・悪霊たちとバトルを繰り広げる、現代サイキック・オカルティック・スーパー戦隊アクションストーリー。
…すみません、書いてる本人も「なに?その説明…」と思ってます(自爆)

物語の概略~本編開始までの あらまし
  

 さかのぼること五百年ほど昔の、戦国時代。幾多の大大名たちに囲まれながらも、どの勢力にも屈せず立ち続けた武家があった。
 その名は六花りっか氏。六花氏が自治を保てたのは、内政や戦術に優れていただけでなく、その一族や家臣たちが妖怪や悪霊を討伐しうる技能を持ち合わせ、『妖霊狩ようれいがり』と呼ばれたがゆえ。周辺の大名たちが、彼らを恐れ敬えばこそだった。
 だが、その六花氏も、妖怪・悪霊の類を飼い慣らし使役する『妖霊飼ようれいがい九戸くのへ氏らの謀略にかかり滅亡。歴史の表舞台どころか公の史書はもちろん私文書からも完全に消し去られた。

 時は流れ、平成の日本。
 春。決意を秘め、一人の青年が北関東の総合大学・T波大学の門をくぐった。彼の名は島尻寅弥しまじり のぶみ。西日本からはるばる当地へ来た彼にとって、知己など誰も居ない。ゼロからの出発のはずだった。
 大学構内では騒々しくも賑やかに学生たちのサークル勧誘が行われ、「○○部、おねがいしまーす!」等と、次々にビラを差し出される。知らぬふりを通した寅弥であったが、ふと差し出された手、そして一言に、はっとして足を止めた。
「やっと見付けた・・・『虎』の末裔」
 六花氏とその家臣たちは、全てが滅びたわけではなかった。陰謀に散った棟梁の無念を胸に、姉妹が、弟が、あるいは子が―それぞれが必死の思いで各地へ逃げ延び、血脈を繋いできたのだ。
 六花氏の末裔・掃守覇君かにもり はるよしは、六つの家系すなわち『文・武・竜・虎・豹・犬』を姓にいただく側近の後裔たちを探し出し、最後の『虎部とらべ』の子孫として寅弥を見出したのである。
寅弥の奇想天外な大学生活は、こうして幕を開ける――。
 

その他、物語上の設定や解説等

ちょっと色々前置きが長くて恐縮ですが、もうしばしお付き合いのほど。。

本編開始迄のタイムテーブル 
◆(15年ほど前):
 ふみ、自宅の蔵の中で雪華文様の古い箱を見付ける。
◆(2年前):
 覇君と ふみ、T波大学に入学。
 ふみ、覇君を連れて帰省し、覇君によって箱の封印が解かれる(ヘキサムライこと「妖霊狩」復活)。
 市内ショッピングセンターで当時小学6年生だったイタルと出会う。
◆(1年前):
 奉献ヨシタケ〈ワンさん〉、T波大学へ赴任。
 コズエ辰哉シンヤ、T波大学に入学。
 格、市内の公立中高一貫校へ進学。
◆時間軸0(本編開始):
 寅弥、T波大学に入学。「ヘキサムライ」が揃う。
 
そもそも「妖霊狩」とは
 人間に危害を加える妖怪や悪霊の類・「妖霊ようれい」を退治する者。この物語でいう、六花氏とその家臣ら。
 六花とはそもそも雪の結晶をいい、まれに三方あるいは十二・十八方などに張り出した結晶もあるらしいが、基本的には六角形に綺麗に収まるものが多い。六花氏とその家臣の六家(文部あやべ武部たけべ竜部たつべ虎部とらべ豹部ひょうべ犬部いぬべ)は、それぞれ異なった雪華文様を家紋としていた。
 現代に蘇った「落武者の末裔たち」による「妖霊狩」に対し、スーパー戦隊シリーズフリークのヨシタケ〈ワンさん〉が「今時っぽくカッコよく!」と考えた名称が「ヘキサムライ」である。ヘキサ(hexa)は「6」であり、武士でありながら人間だけでなく妖怪や悪霊とも戦っていた祖先の「侍〈サムライ〉」と引っかけた造語。カッコいいのか悪いのか、いまいち微妙(正直な感想)。
 
ヘキサムライの装備
 T波大学とその周辺に集った落武者の末裔たちは、それぞれ自家の雪華紋が刻まれた刀鍔を持つ。この鍔は文部家の末裔・文珠もんじゅ家の蔵にあった古い箱に収められていたもので、棟梁・六花氏の末裔であるハルにより箱が開けられたことで数百年ぶりに光の下に晒された。
「雪華武装、はあっ!」
と言うと、鍔に込められた呪力が発動し、甲冑と武器が装備される(笑)。
 甲冑は一応『当世具足』という日本の戦国時代の様式だが、それぞれの家系でカラーが違い(笑)。ベースは鉄色だが、パーツを繋ぐ紐やら色んなところが微妙に違い、そこらへんにも個性が爆発している(さらに笑)。より細かいところを言うと、主パーツである金属板の色の濃淡が3系統、胴まわり形状が4系統ある。コズエ〈黄侍〉に至っては、何か(多分プ〇キュアとか)と勘違いしているのかヘソ出し。そのくらい自由(激笑)。
 対人間、妖怪、悪霊の戦いで想定されうる攻撃に、ある程度までは耐えられる防具である。つまり完全というか万能ではなく、攻撃に晒され続けていると、装備者も当然ダメージをくらう。 
 武器は、各自が得意とし、あるいは戦況に応じたものを召喚することが出来る(なんて便利な!)。
 フミ〈黒侍〉は、棟梁〈赤殿ハル〉にも「戦闘能力で言えば、彼女は仲間うちで一番劣る」と評されるとおり前線で攻撃をするのが苦手だが、武器としては鞭を使うことが多い。
 ほか、イタル〈緑侍〉は弓を、シンヤ〈青侍〉は銃を、コズエ〈黄侍〉は薙刀なぎなたを、ヨシタケ〈ワンさん〉〈紫侍〉は手裏剣や煙幕など忍び道具を使うことが多いが、他にも刀剣がきちんと使える。
 逆に、刀剣しか使えない、しかもその剣さばきもいまいち心もとないのがノブミ〈白侍〉。
 ハル〈赤殿〉は現代の殿だけあって武芸百般、間合いによってどんな武器でも出して使いこなせるスーパーマンである。(その割にはあまり強そうな場面が無い気が、筆者としてもしてる:墓穴)
 
ヘキサムライの攻撃威力
 「雪華武装」で出した武器による攻撃力とは、どんなものか。
 甲冑という防具においては対人戦闘も考慮されているようだが、
 武器は「妖霊」専用
 となっている。つまり、生身の人間に当たっても殺傷能力は無い。ただし、人間が邪魔をする場面も想定し、武器で攻撃を当てれば気絶するくらいには出来ている(笑)。
 かつて箱の封印を解いたばかりで「妖霊狩」の性能がどんなもんだかさっぱり分からなかったハルとフミは、文珠家伝来の古文書を読み漁る一方、二人で地味かつ地道に様々な実験を重ねていた。生身の人間に当たっても傷を負わず気絶する、という結論を導いたのも、この時期。さらに、「妖霊狩同士で戦ったらどうなるか」も実際にやってみて(もちろんフミは自分が被験者=斬られ役を引き受けると言うが、ハルは「公平にじゃんけんだ」と言い、まんまと彼が負けた:爆笑)、「本気で斬られたら、十日は人事不省になるだろう」という推論を得ていた。
(極初期は、そんなことをしていた二人なのだった…。にしても充分手加減したはずなのにハルが一昼夜過ぎても目を覚まさないとかになって「早くしないと週末終わって学校始まっちゃう;」と、フミとしては それこそ滝汗ものだったろうと思う。。微笑)
 

主要登場人物紹介

過去記事からの再掲ですが、文章で説明すると以下のようになります。
ちなみに、この順番は当代の棟梁・赤殿ハルに合流した順となっており、他の並べ順としては六韜に沿った「六花+文・武・竜・虎・豹・犬」もあり。
紹介文末尾には、
・家紋
鍔裏獣がくりじゅう(変身道具である雪華鍔の裏に描かれた動物。合体メカ用個人搭乗機と連動している。笑)
も付記。

ハル(赤殿:ヘキサムレッド)
 掃守覇君〈かにもり はるよし〉
 T波大学理工学群在籍、三年生。
六花りっか氏の末裔。現代にあっても、「殿」として棟梁として、妖怪・悪霊を討伐する妖霊狩のリーダー役を果たす。戦力的にも、全ての武器を使いこなす最優秀戦士。
文武両道で才気煥発、見た目も悪くないのだが、実はオネエ人格が時折顔を出す。
家紋:扇六花おうぎりっか、鍔裏獣:ひぐま(緋熊)
(※何度でも書きますが、六花氏の家紋・扇六花は家紋事典などには多分載ってません。実際の雪の結晶の形状から描き起こした一応のオリジナルです)

フミ(黒侍:ヘキサムブラック)
 文珠ふみ〈もんじゅ ふみ〉
 T波大学人間学群在籍。三年生。
六花氏の家臣・文部あやべ家の末裔。文部家は、六花の殿に仕えた「黒衣の宰相」つまり僧侶が、呪力の見どころのある若者に興させた家系。そういう系譜なので、実は戦力としては微妙であり、そこは本人も分かっている。ただ、最初期からの側近で殿愛が非常に強く、「ハルがピンチ!」とかなると猛烈な強さを発揮したりする。
自称「恋愛に縁遠い干物女」で、同士の紅二点の一であるが静でありジミー(地味)。
家紋:厳敷雪かせゆき、鍔裏獣:からす

イタル(緑侍:ヘキサムグリーン)
 武内格〈たけのうち いたる〉
 公立中高一貫校の二年生(中学二年生相当)。
六花氏に仕えた武部たけべ家の末裔。最年少の「妖霊狩」。そもそも武内家には武部家からの甲冑と薙刀が伝わっており、父・りきはその潜在能力を知っているので、自身の家系が受け継いだ職務を息子に任せている。ハル・フミと出会い、彼らを家庭教師に迎えて猛勉強して公立中高一貫校の難関を突破、進学した。
無邪気で可愛い「皆の弟分」だが、戦力的には引けを取らず、頼れる存在。
家紋:矢雪やゆき、鍔裏獣:甲虫かぶとむし

ワンさん・ヨシタケ(紫侍:ヘキサムパープル)
 王奉献〈おう よしたけ〉
 T波大学理工学群職員(技官)。
六花氏に仕えた犬部いぬべ家の末裔。犬部家は主に諜報部分を担っていた。つまりは間者とか言われる存在なためか、現代の紫侍も忍者のようなワザが得意である。
妻と中学生の息子一人あり、共働きの既婚者。
少年時代に「大きくなったら○○レッドや仮面ライダーになりたい」と夢見ていた人(爆笑)。ゆえに変身した時は大喜びだったらしい。
ちなみに戦隊もののお約束的には紫=バイオレットだが、敢えてパープルと云っているのは「仏教戦隊ブッダマン」(おかげ様ブラザーズ)に因っているから。。
家紋:曇り雪、鍔裏獣:犬

コズエ(黄侍:ヘキサムイエロー)
 斑尾標〈まだらお こずえ〉
 T波大学芸術専門学群在籍。二年生。
六花氏の家臣の一、豹部ひょうべの末裔。勝気な性格も相まって、かなりの攻撃力を誇る女侍。関西出身をアピールするがごとくヒョウ柄の服ばかり着ている(苦笑)。芸術学群の学生なので相応に絵は上手い。紅二点のもう一方だが、黒侍・フミが静でジミー(地味)ならば、黄侍・コズエは動でハデー(派手)という好対照である。。
家紋:氷柱雪つららゆき、鍔裏獣:豹

シンヤ(青侍:ヘキサムブルー)
 立川辰哉〈たつかわ しんや〉
 T波大学体育専門学群在籍。二年生。
六花氏に仕えた竜部たつべ家の末裔。体育学群の学生だけあって身体能力は高いのだが、怪我と故障が何より怖く、戦列には一応加わるけど最前線には出ようとしない。しかし、ハル殿がボロクソにやられた時には黙っていられなくなるような義理堅い面もある。
実はそんなハルと家賃折半でシェアハウスしている。つまり殿様と家臣(の末裔)が同居している。
家紋:山吹雪やまふぶき、鍔裏獣:竜

ノブミ(白侍:ヘキサムホワイト)
 島尻寅弥〈しまじり のぶみ〉
 T波大学医学群在籍。一年生。
六花氏の側近・虎部とらべの末裔。一年浪人しているので、青侍・シンヤ、黄侍・コズエと同い年である。
幼い頃に病死した姉を思って医者になろうと志し、兄がその心意気を汲んで大学院進学を止めて学卒で就職してくれたため、一浪の上で医学部進学が叶った。だからこそ、彼は敵対勢力である「妖霊飼」九戸氏の末裔・究子スミコが何やら長年その身に病を抱えるらしいと知れば捨て置けず、ヘキサムライ陣営での内輪もめを招いたりもするのである。
家紋:雪輪ゆきわ、鍔裏獣:虎
 

スミコ(九戸の妖霊飼・桃姫:ナノテイマー)
 久我究子〈くが すみこ〉
妖怪や霊を飼いならし使役する「妖霊飼」九戸氏の末裔で、彼女の許には妖霊が集まりやすい。多感で病弱な十七歳の姫は、両親を事故で亡くして以降、祖父母(九戸氏とは無関係)の許で暮らしている。白蛇の化生けしょう玻璃ハリは、彼女の側近中の側近であり、およそ五百年の間代々仕えてきた。他にも大から小から様々な妖怪に心を許し、傍に置いているが、動物の化生が多い。玻璃のほか狐の琥珀コハク、蜘蛛の白珠シラタマなど、名前が可愛いというか綺麗である。
白侍・ノブミが気にかけ世話を焼くので、彼には心を開き、妖霊狩の傘下に入るというわけではないが協力することも。
 

人物相関

ようやく今回記事の本題です(自爆)。
主要登場人物には、ざっくりと以下のような関係があります。
線や矢印が無いところも全く関係が無いとか仲が悪いとかいう訳ではなく、同士として相応に協力することは出来ており。スペースの都合もあるし、「これは書いておきたい」というのだけ取り敢えず書きました(爆)。

『六花繚乱ヘキサムライ』ざっくりとした人物相関図

何せ現在の「六花の妖霊狩」は赤殿ハルと黒侍フミの二人から始まったので、ハルがフミに寄せる信頼というのは極初期からの側近でもあることからも厚く。フミの家族とりわけ祖父・章蔵しょうぞうはハルを主家の末裔・当代の棟梁と認識しており、こちらも殿愛は強く(笑)。
一方で最後に加わる同士となる白侍ノブミに対しても、ハルは「六韜の中で必勝の書と言われる虎韜の名を受けた」者・虎部の末裔という期待の思いが強く、当初相当なヘナチョコ侍だったノブミを庇って育てたのであった(笑)。その甲斐あって、ノブミも半年一年と経つと立派に能力を使いこなせるようになり(但し使える武器は刀剣のみのまま。苦笑)。実際、かつての妖霊狩棟梁(ハルの先祖)も虎部の惣領(ノブミの先祖)を「我が右腕」と家臣の中でも最重要視していたらしい、という設定。だからというか、合体メカ・雪華巨兵マスラオーで右腕にくるのがノブミの搭乗機・白虎メカだったりするのです。地味に。。

第三の妖霊狩となるのが緑侍・イタルで、ハルとフミと出会った当時は小学6年生。
この二人との出会いから、イタルは「高校受験の心配が無くなるなら」と本気で公立中高一貫校への進学を考え、T波大学生の二人に家庭教師についてもらい、それこそ寸暇を惜しんで勉強した結果、無事に合格し進学。中高一貫校へ入学後も、時々二人には勉強を教わっているらしい。

番外編「ヘキサムライの夏休み」より
同上。おそらくは二人で文系科目・理系科目で分担し指導してたのだろうと…

過去記事でも書いているように、イタルの武内家には武部家から伝来の甲冑と薙刀があり。それを使えるイタルの父・りきと神職の家系の生まれで霊力をもつ玉依姫たまよりひめでもある母・まいが居ることから、ハルは武内家を「万一の時の避難所」と位置付けていた。その「避難所」取り決めが機能したのが、本編第九話「決戦!天狗の森」であったという話。。

その武内家と、家族構成と各構成員の年齢が近いこともあり家族ぐるみでの付き合いがあるのが、紫侍ヨシタケ。家に距離があるため、ヨシタケの妻子はあまり武内家には来ないのだが、ヨシタケ本人は時折訪ねている模様。
時代劇になると、同じ里の中に家が在ることとなり、この「家族ぐるみの付き合い」が更に濃くなる。

赤殿ハルと青侍シンヤとの関係としては、同居している件を取り敢えず書いておかねばと(苦笑)。
どういうきっかけから始まったかといえば・・・

そもそもの馴れ初め(?)

実は割と料理上手だったハルのところに、シンヤが入り浸ってメシを食わせてもらい続けていたという過去が…(苦笑)
そんな感じでシンヤという人物は自由であり、ときに自由が過ぎて勝手になって、ハルにガッツリお灸をすえられるという構図があり(汗)。それは筆者による自作パロである和時代劇『六花稗史』にも継承されることに(さらに汗)。

意外というか当然というか的に、黄侍コズエは誰とでも上手く連携し合えており。逆に言うと、特定の人物と深く関わるほどでもない、とも。こう書くとドライなように見えるかもだが、そんなことは無く、仲間・同士への愛情は相応に強い。

第十三話「雌雄を決す!筑波山」より。もはやWラリアットに近い勢いだったコズエ(苦笑)

相関ということで述べておかねばならないのが、白侍ノブミと妖霊飼の桃姫スミコとの関係。
祖父母に付いて つくば市へと引っ越してきたスミコの許には妖霊が集まり、妖霊狩がそれに勘付いて一騒ぎになるわけだが、ノブミが「この件は俺に任せてはくれませんか」と引き受けることで場を収めた。
そんなわけで、この一件での責任を負うこととなったノブミは、怪しまれず監視を続けるために、ちょうどスミコの祖父母から家庭教師の話を出されたのもあり、それに乗っかることに(笑)。ゆえに、家庭教師はあくまで建前で本旨は監視なのだが、それなりに勉強もちゃんと教える医学生ノブミであり、そんな彼が週1で訪ねてくるのが密かな楽しみとなるスミコなのだった(苦笑)。
「授業料は、その日の夕飯で」ということにし話を受けたノブミなので、第十三話「雌雄を決す!筑波山」の冒頭にてスミコが…

十三話「雌雄を決す!筑波山」プロローグ

…という感じでキラキラというかキュンキュンしてたり(苦笑)。

妖霊狩の白侍ノブミと妖霊飼の桃姫スミコとの間には、実は過去からの因縁があり…
それは約500年前、六花氏掃討に反対し身内に斬られて手負いの身で逃げることとなった九戸帰命丸くのへ きみょうまるは気付けば六花氏の領内に入っており、虎部の庶子・三助さんすけに見付けられて傷の手当をしてもらい。その最中さなかに事態は急転し、三助もまた主家の滅亡を知って逃げねばならなくなり・・・帰命丸と三助は「次は互いを憎まず助け合おう」と約して別々に逃れて行ったのであった。
その経緯を先祖代々仕えてきた白蛇怪・玻璃から聞いたスミコは、白侍ノブミが三助の子孫と知ったのも重なって「争わず協力を」と考えることに。
…いやしかし、正直のところノブミが誠実で優しいから個人的感情からも好意が芽生え「協力しよう」になっている気もする(筆者分析:自爆)。

『六花繚乱ヘキサムライ』番外編2「フーリミックス」 より

一方でノブミはといえば、確かにスミコのことは心配なのだが、「恋愛感情を抱いては絶対にアカン」と頑張っているというか…それは無論「先生が教え子に手を出すのは御法度」とかじゃなくて(苦笑)。

ともあれ・・・
取り敢えず、まだスミコは赤殿ハルほど料理が上手くない(さらに苦笑)。←いやでも早々に青侍シンヤの胃袋を掴んだハル殿だから(激笑)
冬季には大学生で集まって鍋パーティーをやったりする他、ノブミが風邪でダウンした際には、何処から聞きつけたのか手料理を持ってアパートを訪ねたハル殿だった(笑)

「ハルのお届け便」より。味云々より何処でノブミが風邪と知ったのかが気になる(地)

地味に、その模様を玻璃から聞いたスミコが「殿様ぶった あの人も、いいとこあるのね」とか言ってしまっているのが…スミコはノブミには好意をもっているがその上司とでも言うべきハルはズバリ好かないことがヒシヒシ伝わってくる一言(しみじみ)。。

 ・・・現代劇『六花繚乱ヘキサムライ』では、こんなところです。。

時代劇『六花稗史』

概説(現代劇との相違点)

設定や物語の大筋は基本的に現代劇『六花繚乱ヘキサムライ』から引き継いでおり。
大きく違う点は「滅亡・離散から再結集までにかかる時間が大幅に短縮された為、メンバーの氏姓が変わっていない」ところ。現代劇では再集結まで約500年かかったのが、和時代劇では滅亡時の棟梁や家臣の孫・曾孫くらいの代で再結成となるため、氏姓はそのまま。
つまり、
 
主要登場人物

六花覇君りっか はるよし/家の色:赤/家紋:扇六花おうぎりっか
文部あやべふみ/家の色:黒/家紋:厳敷雪かせゆき
武部格之進たけべ かくのしん/家の色:緑/家紋:矢雪やゆき
犬部奉献いぬべ よしたけ/家の色:紫/家紋:曇り雪
豹部標ひょうべ こずえ/家の色:黄/家紋:氷柱雪つららゆき
竜部辰哉たつべ しんや/家の色:青/家紋:山吹雪やまふぶき
虎部寅弥とらべ のぶみ/家の色:白/家紋:雪輪ゆきわ

九戸究子くのへ すみこ/家紋:九曜
 
さらに時代劇限定で「第八の妖霊狩」として登場する山犬・すばるには家紋として初雪紋をあてており…色は強いて言うなら水色とかかなと。。

緑侍だけ多少名前が時代劇っぽく追加されとります;
現代劇でも主要人物は概ね つくば市内在住だったのだけども、時代劇になると構成員が筑波山麓の隠れ里に集まって住み、各地の妖霊の案件を聞いては討伐に出ている形式になったので、家族が関わってくる率もより上がり。現代劇では活躍の場が限られていた侍たちの家族などもだいぶ登場し、大事な役回りを演じることになっていくと。

人物相関@時代劇

まずは家族込の主要人物一覧。モノクロで作成したページのデータを流用し、部分的にだけ色を付けてます;

『六花稗史』妖霊狩の里 人物一覧(ベースは「巻ノ三」開始時)

で、主要人物に絞った人物相関図が、こちら。
現代劇同様、スペースの都合もあるので、「これは書いておきたい」というのだけに絞ってあります。補足は以下、文章にて。

『六花稗史』ざっくりとした人物相関図

時代劇『六花稗史』でも、参集の順序は現代劇と同じ。
山中の庵で天狗・長元坊ちょうげんぼうと狸・さくに養育されていた覇君はるよし〈赤殿〉の許を文部あやべ家の章蔵しょうぞう・ふみ〈黒侍〉が訪れたことで、棟梁と家臣の再会から妖霊狩再興への動きが本格化するのだが。
以降、なかなか続く家臣の子孫が見付からず。
そもそも、「殿が無事に元服を済ますまでは」とあまり活発に動いていなかった約7年なのだけど(苦笑)。
覇君は文部家に身を寄せて以降ずっと同居で家族同様の生活をしてきたこともあり、ふみとはすっかり兄妹・姉弟のような関係であり、傍に居るのが当たり前なので改めて結婚とか考えづらい空気感にはなっていたのだろうと(苦笑←実際のところ、あまり笑えない;)

『六花稗史 巻ノ一』第一話 より。クラッとこなくても仕方ない事情があると言えばある。

そして、ふみの両親である信条しげえだりんは、覇君を もはや主家の若君とか殿様というより完全に養子だと思っており(大笑)、「若様・殿」と奉る祖父・章蔵とは当然のごとく揉めることとなる(大困)。

覇君元服から一年後、同士を捜して各地を歩く中で訪ねた町で出会うのが、買物帰りの武部格之進たけべ かくのしん〈緑侍〉だったという…。

『六花稗史 巻ノ三』附 より。こんな感じの初登場だった。。

この格之進がなかなかヤンチャというかしたたかというかで、親切から追いかけてきた覇君なのに、「うわ。おれ、なんか追われてるよぉ」的に事情を知らずに罠にめようとしたんだなぁと…(汗)。それでも覇君は「この歳で相当の(武術の)鍛錬を積んでいる」と認め、雪華紋の鍔を彼へ渡すことに。。
同じ年に犬部いぬべ奉献よしたけ〈紫侍〉とも出会うこととなるのだが、それは別件で出掛けた先でたまたま会えたという空気感で(詳しい経緯は、これから「巻ノ四」で描くのだけど:汗)。
あとの同士は諜報係である奉献が次々と見付け出してきた為、覇君にとって「自分で頑張って捜した成果」感が最も強い家臣というのが武部家だったりする次第。。

時代劇になり、格之進〈緑侍〉とこずえ〈黄侍〉との関係性がより強調されるようになるかと。
妻子を伴い無事に逃げ延びた豹部の庶子(惣領の弟)であったが、その後に家主と息子たちが相次いで死去するという不幸を経て女系となり、女惣領が己自身より強い男を夫に迎えて血脈を繋ぐようになった。ゆえに、標もまた祖母・母がそうしてきたのと同様に家訓に沿って自分に勝てるほど武術に優れた男に嫁ぐように命じられている。しかし武部力之進りきのしん(格之進の父)が「速さといい腕力といい、女とは思えんし、手加減を知らん」と評するように、標は里に来て早々に稽古で手合わせした寅弥のぶみをあっさりぶちのめす文字通りの女傑で、そんな強い男は正直なかなか居ないという…(覇君や辰哉しんや〈青侍〉なら勝てそうな気はするのだが、彼らには彼女を娶ろうという希望的意志がないので、もとより事を構えない:爆)。
そんな中で、標に弟のように可愛がられ、ときに振り回されたりもする格之進は、蛍を見に行った川で「ええなあ…蛍は自由やから。(結婚する)相手を選ぶ事 出来るんよね」と呟く姉貴分の姿に、彼女を気の毒に思う気持ちも生じ。更には
「家臣うちでも最強と言われた虎部とらべから来るのが若い男って聞いて、なんか心配になって。寅兄のぶにい〈白侍・寅弥〉が あんなだったから、何だかホッとしたり・・・してたんじゃないか、おれ」
と、彼女が何処かの男に打ち負かされて嫁いでいくのを見るのだとしたら、それも何だかスッキリしない思いにもなっていく、という。。

そして、覇君〈赤殿〉と辰哉〈青侍〉の関係。
辰哉と寅弥に関しては、配下として招聘する者の候補は他にも居たのだが、覇君が直々に選んだ人物であり。
だからこそ、↓こういうことになる訳で。

『六花稗史 巻ノ三』「第五話 汀〈みぎわ〉の玉依姫」より

辰哉としては殿様に感謝しているはずなのだが…感謝の気持ちがあるにしては、時々言う事さっぱり聞かなくなるよなと(酷評←でも実話)。
覇君も「奴を選んだのは自分だし…」と仕方ない的諦め感もあるだろうと(苦笑)。

同じく、覇君が選んで招聘した虎部寅弥の場合。
予想通りというか、寅弥は「どうして武術の腕にも劣るし頭がきれる訳でもない自分が選ばれたのか」と悩むようになり、犬部の奥さん〈紫侍・奉献の妻〉である里佳りかに言われて棟梁の館に直接尋ねに行き…

『六花稗史 巻ノ一』「第一話 妖霊狩・白虎、再顕!」より

武術の腕前よりも心根の優しさを買われてのことだった、と分かり。
こういう彼なればこそ、妖霊飼ようれいがいの残党として連行されてきた九戸究子くのへ すみこを庇えた訳で(現代劇に続き、時代劇でも繰り返す;)、やはり妖霊狩の里に居なくてはならない人材だったのだろうと思う。。
そして虎部の家に居候することになった究子は、恩人である寅弥の衣食住の面倒をみて日々かいがいしく働き、数ヶ月経ち新年を迎える頃には すっかりウキウキの新婚さんみたいな絵づらに(苦笑)。。
「郷里に帰してあげたいけど、それも難しいから…せめてこれくらいは」と、自分が討伐に出て貰った報酬金の取り分で究子に正月の為の晴着を買ってあげた寅弥。究子が彼への感謝と信頼の念をますます強く抱くことに。。
時代劇では究子は登場時既にして家事上手・料理上手であり、地味に直ぐに胃袋を掴まれることになる寅弥なのだった。。。

『六花稗史 巻ノ三』「第五話 汀〈みぎわ〉の玉依姫」より。幸せそうな正月の光景。

・・・と まあ、こんなところです。
(どんなところだ…)

附:西洋劇『sept couleurs(仮)』

あらまし

「セプト クルール」と読み、これはフランス語で「7つの色」となる…はず(何度でも言いますが、自分が大学時代に選択の第二外国語はドイツ語であってフランス語じゃない;)。英語で言うと「seven colors」でしょうね。。
六花の妖霊狩の殿と家臣6名を西洋風の世界観に置きかえて構築してみている物語です。
時代劇を完結させてからしか着手できんので、描き始められるのが早くて来年、何らかの形で公開できるようになるには更に一年かかるから(遅!)、あらましだけでも、ちょっと書いておきます(過去記事「拙作語り⑥」も参照のこと)。

* *

これは、とある王国での物語(国名は…まだ未定;)。
若くして王位についたウルス王家のヴィクトール・デ・ウルスは、王位につく以前から、自分の思う政治をするために地位や出自にとらわれない協力者を集め、紋章に使われる色をコードネーム的に与えていくことを考えており、即位すると早速実行へと移す。
 
ヴィクトール王自らは「国王が自身と同じ色の髪と瞳をもった青年と出会い、運命を感じて自身の代理を命じた」という設定で国王の使者・ヴェルメイユ<赤>。(ヴィクトール王はウルス王家男子の象徴とでも言うべき赤い髪と、母・リュシー妃から受け継いだ紫の瞳で、この配色をもつ人物は相当少ない世の中…という背景)
 
自身のまたいとこで幼少の頃から共に育った、宰相ジェローム・デ・コルネイユ(ウルス王家の王女・ソフィーの夫)の孫娘であるベアトリスにはサーブル<黒>。彼女に関しては王位につくよりももっと前、少年時代のヴィクトール王子にこの計画を明かされていて、「なら、あたしもその『協力者』ね」と(笑)。基本王城育ちのお嬢様なベアトリスには目立った特技は無いのだが、ある時夢に現れた謎の老婆に貰ったタロットで様々なことを予見する能力がある(ヴィクトール王の母・リュシー妃の死や、後掲のバジルとの出会いを予見)。
 
「大いなる力を秘めた0・愚者のカード!きっとすごい協力者に出会えるはず!!」とタロットの啓示から街に出て二人が出会ったのが、情報通でケンカも強い、羊飼いの少年・バジルシノープル:緑>。
 
王が協力者を集めているというのを聞きつけて自薦してくるのが王城の書記・コンラド。自分はとにかく書物とそれにまつわる知識なら誰にも負けないと、ある提案をし確かに彼の言った通りになったため、彼は自薦に終わらず協力者の一人となりプルプル<紫>の色名を与えられる。
 
また、王は使者ヴェルメイユとしてサーブルを伴い街を歩いているときに、市場から逃走する泥棒に華麗な蹴りを入れてぶち倒した町娘・ジョンキィを見て、即「実にいい蹴りだった。お前、俺の下で働かないか」と勧誘し、サーブルに「ただそれだけで協力者に採用するって…」と意見されるも、ジョンキィが自分一人で全て出来る腕利きの仕立屋で更には町の情報に詳しいので協力者に加えジョーヌ<黄>の名を与える。
 
さらに王は自身が叙勲し騎士となしたルイ=シャルルアズール<青>の別名を与える。
 
ラシーヌ領の領主の孫娘・ローザンヌの病気の治療にあたっていた医者がクレマンだが、彼は その後色々あって「紋章色の協力者たち」と出会うこととなり。
しまいにはヴィクトール王に召喚されて「お前、騎士の家の生まれで騎士見習いもしていたな」から「お前を叙勲し騎士となし、これこういう任務についてもらう」となる(汗)。これがブロン<白>の誕生と。 

* *

…と、いうように。こちらの作では各自出身が全く別々で、それが或る意味 ひょんなことから結集する図式。さらには妖怪悪霊退治とか変身とかは無く、雪華紋も出てきません。。

主要登場人物

赤(ヴェルメイユ)/国王/ヴィクトール・デ・ウルス
黒(サーブル)/女官/ベアトリス・デ・コルネイユ
緑(シノープル)/羊飼い/バジル
青(アズール)/騎士/ルイ=シャルル・デュ・ラ・エペ
白(ブロン)/医師/クレマン
      /騎士/ユーグ=クレマンス・デュ・ブークリエ
黄(ジョーヌ)/仕立屋/ジョンキィ
紫(プルプル)/書記/コンラド
 
桃(ローズ)/次期領主(現領主の孫)/ローザンヌ・デ・ラシーヌ

人物相関

図にすると、以下のようになります。
これまでと比べると記載事項が増え(汗)、だいぶ込み入っており…筆者自身相当砂を吐きそうでした(さらに汗)。
ほぼ各キャラの関係性については書けたと思いますが、不足というか補足については以下文章にて。

『セプト・クルール(仮)』ざっくりとした人物相関図

まず、ヴェルメイユ〈赤〉とサーブル〈黒〉。
現代劇(18歳)、時代劇(10歳)と進むごとに出会いの年齢が下がり、必然的に共に行動することになる時間も長くなる二人なのだけど、西洋劇に至っては3歳前後で(汗)…それから十何年も一緒なので、物語開始時もはや相手にいろんな不満を抱えた倦怠期のような…しかし離れることも出来ない腐れ縁みたいな状態に(さらに汗)。しかしながら、この微妙な不和の原因は、互いに相手に対し「子供の頃は〇〇だったのに、今じゃ…」と思っているという、いわば『自分に都合のいい相手の姿を求めるがゆえの不満』だったりする。。

シノープル〈緑〉は元気活発な羊飼いの少年で、「王の協力者」勧誘にも「うわ、すげー!おれ、王様の子分になれるんだぁ」とか言って即快諾(爆笑)。元気すぎてヤンチャな部分もあり、皆が時として手を焼くことになるのだが、ジョーヌ〈黄〉にだけは頭が上がらないというか弱みを握られている風(苦笑)。

図にあるように、プルプル〈紫〉は元々王城の書記であり、表向きも臣下の一人。現代劇・時代劇同様に妻子あり、しかもやはり息子はシノープル〈緑〉とほぼ同年。町での情報等をシノープルから聞き、それを王・ヴェルメイユ〈赤〉らに報告することもままある役回り。事あるごとに「うちの息子がこうなったら手に負えないな…」という目でシノープルを見ている(苦笑)。
シノープルを騎士ブロン〈白〉の小姓として付けることになり、突貫短期講習的に最低限の行儀作法を叩き込むにあたって教師となったが、彼が自由すぎて遂に
「ふざけんじゃねぇぞ、ゴルァ!!」(←古印体にしたい:笑)
普段絶対に落とさない雷が炸裂、さすがのシノープルも震え上がったという話。。
書記といえば余談ながら、女官サーブル〈黒〉の祖父である宰相ジェロームも、そもそもは王城勤めの書記の一人であったのだが。若い頃に、調べものをしに書庫にやって来た王女ソフィーに気に入られ、「王女を一役人へ嫁に遣ることは出来ん」と言った当時の王様(ソフィーの父)ながら「彼以外の夫なんて考えられない」と王女の意志は固く、ジェロームにコルネイユ家を興させた上で娘との結婚を許した…という経緯があったりする。。

優秀な仕立屋であると同時にケンカも強く、町の情報通でもあるジョーヌ〈黄〉。まとめ画像(過去記事「拙作語り⑥」参照)では派手な男装をしている彼女だが、普段は普通にスカートを履くことが多く。
ジョーヌは使者ヴェルメイユのスタイリストとなり、「使者の評判が上がれば、王様の評判も上がるんや」と今時のオシャレを盛り込んだ服を次々と仕立て、それを着たヴェルメイユは行く先々で「国王陛下の使者どのは実に伊達男」と人気が上がり、町の女たちがキャーキャー黄色い声を上げるので、お供のサーブル〈黒〉は非常にモヤモヤすることとなる(苦笑)。
くだんの「街の市場から逃走する泥棒を蹴っとばし、逮捕に一役買った」件を、彼女はブロン〈白〉と他愛無い話をする中で振り返り、
「その蹴りを入れた時に、うち、おドロワ〈※ドロワーズ:女性の下着〉見えてたと思うねんけど…王様ときたら顔色一つ変えへんのな」
と素で評する(苦笑)。女子の おぱんつチラリズム程度には動じないのか…それはそれで王様が心配になる(困)。
あと…前掲相関図にはスペースの都合もあり書けなかったのだが、使者ヴェルメイユ〈赤〉の服だけでなく、そのお供をするサーブル〈黒〉の服も作っているし(ちなみに女服ではなく男服:なので、どんなにお洒落に仕立てられた服であろうと、ヴェルメイユ目当ての町の女たちに「あの黒いズボン役は何なの?」と囁かれ、サーブルは更にモヤモヤするという…ズボン役というのはオペラで女性歌手が男装で演じる役柄を言います)、シノープル〈緑〉の小姓服と同様にブロン〈白〉の騎士服を作ったのも彼女であり。もっと言えば、アズール〈青〉からの依頼を受けて、彼が想いを寄せる侍女・メリュジーヌ(ラシーヌ領の領主邸で働いている)に贈るためのドレスも仕立てている。
(ご存知の方も居られるだろうけど、メリュジーヌとはフランスの伝説に登場する蛇女であり、「見るな」の禁忌など日本の鶴女房等の異類婚姻譚とも共通する要素を持っており。その名を敢えて付けている侍女というのは、大方の予想通りヘキサムライ・六花稗史でいう白蛇怪・玻璃ハリから造形したキャラクター。ただし、こちら西洋劇では特殊能力は持ちながらも純粋に人間の女性という設定;しかし何より「プレゼント作戦か…んなことしてんだ、ある意味涙ぐましいな青騎士」という感想を禁じ得ない;)

ヴィクトール王が叙勲し騎士となし、その後でアズール〈青〉の名を与えられたルイ=シャルルについては…
物語開始時の2年ほど前、周辺国との大きな戦があったのだが、その時に大活躍し勝利に導いたのが、ヴィクトール王子と当時騎士見習いとして自身の叔父にあたる騎士レオ=フェルナン・デュ・ラ・エペに付き従って出征していたルイ=シャルルであり。
この二人の若者の姿を見たテオドール王とレオ=フェルナンは「我々の時代は終わった。彼らに繋ぐとしよう」と一線を退き、ヴィクトール新王が戦の功労者としてルイ=シャルルを叙勲し騎士となした、という経緯がある。

そして、医師クレマンと騎士ユーグ=クレマンスという二つの技能と顔とを持つこととなるブロン〈白〉。
資質はあるのだが、本人に「騎士になろう」という強い意志がなく、医者になった。しかし、色々あってアズール〈青騎士〉に「甘ったれたこと言ってんじゃねーよ」とオニのスパルタ剣術猛稽古され(医師クレマンに騎士見習い経験があると最初に見破ったのがアズールだった)、それを見てヴェルメイユ〈赤王〉が「アズールは無論手加減してるだろうが、それでもあれだけり合えるなら問題ないな」と、彼を騎士にすることを真剣に考えるという。。
騎士を維持するにはお金がかかる世の中で、騎士人口は限られており。実は、即位から2年ほど経ってもヴィクトール王の叙勲により誕生した騎士はルイ=シャルル1人だけだった。王様でさえも騎士を増産しない(苦笑)、それが急に二人目の騎士を送り出したと聞いた先王テオドールは「息子が騎士にと選んだのは一体どんな人物だろう」と、対面を希望することとなり…ガチガチに緊張するブロン〈白騎士〉という構図に(苦笑)。。
小姓として付けられて行動を共にすることとなるシノープル〈緑〉は、ヴェルメイユ〈赤王〉から「ブロン〈白〉が余計なところで正直に自分が何者か明かさないように見とけ」と仰せつかっており。ブロンはといえば、やはり王様から「後々のことを考えると覚えといてもらったほうがいいから、手が空いたときに奴に読み書きを教えとけ」と言い付けられている(苦笑)。何せシノープルは「紋章色の協力者」の中でもズブ平民なので読み書きが出来る必要も無く、当然覚えようという気も無く…しかし王様の命令だから緑小姓の機嫌をとりつつ親切に教える白騎士という画(笑)。。

医者として活動していたが、色々あって診療所兼自宅に戻れなくなり、医者も休業せざるを得なくなってしまったブロン〈白〉。そんな彼により病がちな体調が快方に向かっていたのが、ラシーヌ領の領主ジョゼフ・デ・ラシーヌの孫娘であるローザンヌ〈桃〉。行方をくらましたままの医師クレマンを気がかりに思う令嬢であったが・・・
舞台が変わりストーリーが変わり…しかし何がどう変わっても桃(ローザンヌ)の白(クレマン)への信頼と好意は全くブレてないという点が素晴らしい。←もはや自画自賛(墓穴)

・・・というように、何かとツッコミどころが満載です(自爆)。
王様が、もはや「暴れん坊将軍」状態とか…貧乏旗本か使者かって違いだけで(苦笑)
そして、何かしら関係で困ったことがあると、「またいとこ」に行き着く率が謎に高いなと(墓穴)。。
現代劇・和時代劇は相応にお品を気遣っていたけれど、西洋劇になるとちょっと艶笑系の笑いも増えてくるかなあという印象ですね…(更に爆)。。

現在の公開状況

現代劇『六花繚乱ヘキサムライ』
HTML形式でWeb読み可
(過去記事「拙作語り①」ページ下部にリンクあり。どこまでも筆者の自己満足的に地味な修正という名のマイナーアップデートは、取り敢えず終了;)
 
時代劇『六花稗史』
今のところ自家通販にて頒布のみ(オフライン出版:紙の本)
 
西洋劇『セプト・クルール』
構想メモだけnote等でちょこちょこ出している
 
という状況になっております。
note中の六花シリーズ関連記事には、タグ「#ヘキサムライ」を付けて繋げてあります。

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