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『天獄ストラグル-strayside-』感想


☆あらすじ


時は零和××年。地獄道と人間道の間で協定が結ばれ、浅草は亡者達と出会える一大観光スポットと化していた。そんなある日、天から下ろされた蜘蛛の糸により地獄の罪人達が脱獄。閻魔大王は、新人獄卒の娘である主人公に信頼のおける罪人、石川五右衛門達と共に脱獄囚の捕縛を命じる。主人公と五右衛門達は人間道に下り立ち脱獄囚達を監視するが……彼らはかって地獄の罪人だった絲ノ比丘尼の元に集結し罪を帳消しにできる免罪符アプリを配信してしまう。絲ノ比丘尼の目的は?そして、天国を約束された人間達の未来は?天と地を股に掛けたこの世界の運命やいかに!

☆スタッフ


・ディレクター: 渡邉渡さん
・イラスト: さといさん
・シナリオ: 片桐由摩さん

☆MUSIC

・OP:「僕は僕を征く」 少年Tさん
・ED:「きれいだ」 少年Tさん
   「希望的観測論」 少年Tさん
・メインテーマ: 輪廻ボンノウ

☆主人公



・閻魔凜


享年19歳。死後、彷徨っているところを拾われ、閻魔大王の娘として育てられた獄卒見習いの少女。生前の記憶が無い。同じく獄卒見習い猫の魂緒とはいつも一緒にいる。
生真面目かつ責任感も強くて頑固な所もあるけど、人の言うことを素直に聞くこともできるし、お固すぎる感じではないかなという印象。生前のことも無意識に刻みこまれているっぽくて、男嫌いなのに誰かに愛されたいことがダダ漏れて可愛いかった。生前の人生が波乱万丈すぎて、どうかこれから先は好きな人と幸せになってほしいと願わずにはいられない。生前のことに関係するからではあるんだけど、オフの時はメガネっていうのも乙女ゲームの主人公としては新鮮で良かった。

☆攻略対象と感想


・石川五右衛門 (CV.八代拓さん)

享年28歳。生前は天下の大泥棒、義賊として名をはせていた。今は、地獄の最下層である無間地獄に落ちた大悪党とされているが、彼の罪には何か理由がある様子。
まあこの製作陣おなじみの運命激ツヨセンター男でした。プロローグから「俺は今でも……―あんたを愛してるよ」を言ってきて毎度それを聴いてからの√分岐ですからね(笑)五右衛門と凜ちゃんのすれ違いが見ていて面白かった。「惚れ抜いた女にやっと再会できたと思ったら一切合切忘れ去られている。やけ酒もしたくなるってもんよ」とか五右衛門も色々ぼかすからもだもだうだうだしていましたねえ…良きです。凜ちゃんが焼き味噌おにぎり作った時も、「ずっと……―食べたかった味だ」からの「もう……―諦めたら?」「諦めないよ。絶対に」「なら、私も祈っておくわね。貴女がその女と再会出来るように」ってやりとりがとても焦れったかった。だからこそ五右衛門が爆発して「『沈丁花の君』はあんただよ!いい加減気付け!」って言った所で萌えはげました。五右衛門が「居場所を見つけられない者同士だったんだなと無間地獄で炎に炙られながら気付いた」っていう言葉が良くて、凜ちゃんも見ず知らずの誰かに襲われて、視力を失って、片身の狭い思いをしていた中で五右衛門が心の拠り所だったのかなと思うと…辛い。まあさすがに五右衛門最後にやったからわかってたけど、神榁がお七の探していた庄之助だったっていうのわかって落ち込んだし、やっぱり絲ノ比丘尼たちを救ったのはわざとだったんだけど、神榁の殺意を凜ちゃんに向けて欲しかったな。しかも早々に絲ノ比丘尼たちにやられるし。切ない…。途中からなんとなく気づいていたけど、四鹿がこの√におけるラスボス的な立ち位置で「お前かーい!」ってはなりました。しかも凜ちゃんを殺したのは四鹿だったし。煩脳のアップデートとかマカブラが戦いに関わってくるの意外すぎて大爆笑だった。前世で関わりのあった五右衛門・凜ちゃん・臣くんのスチルが良かった。お2人で幸せになってください。ほぼ大団円エンドですよ。天エンドも2人して生まれ変わって再会した時に他の4人がかけ寄ってくるの良かったな。もう全てにおいて運命に引き裂かれ、運命に導かれる2人でしたね。この製作陣にはあるあるなので、「そうだよね~」という気持ちもありつつではあったけど、生前の凜ちゃんのことも知れて楽しかったです。


・村上誉那 (CV.鈴木崚汰さん)


享年23歳。生前は村上水軍で活躍していた武人。異国の血が混じる為、赤毛、碧顔の日本人離れした顔つき。
最初ぶっきらぼうで、年に似合わず(なんなら年上だと思っていなかった)子どもっぽい所もあるなと思っていたけど、元々武士なだけあって、たまに口調が堅くなったり、忠義に厚かったりする所があったりしてそこは年相応というかむしろ今の感覚からしたら早熟だなと感じる部分もあった。素直じゃないけど初心なところもあって、凜ちゃんの行動とか発言に振り回されているところも可愛かったな。個人的には、誉那が山三郎との模擬戦でズルして負けた時にその痛みが凜ちゃんにいった場面が好きで、のの先生の「彼女が消えた時のことを覚悟しておくんですね、村上君」の言葉があまりにも苦しくて好きだった。しかもその後に煩悶の糸に誉那が苦しむ場面で、「あの苦痛が、篁の言ってたものだとして……それを身代わりに受けるってことは……」「いやいや、駄目だ!そんなのは絶対に駄目だ!もう絶対にあいつを苦しめることなんて……しない」っていう言葉に愛を感じた。こういうの好きです。こういう苦しみとかを乗り越えた先に精神的にも強くなって、山三郎に挑むの良かったな。そして個人的には阿国さんが敵ながらさっぱりしている性格で好きです。誉那が褒めてほしい性格なのも可愛いし(恐らく過去に認められたい一心で動いていたというのもあるかもだけど)、閻魔大王にお付き合いの報告をしに行った時に凜ちゃんが「これからも、もっともっと彼を褒めたいので……ずっとずっと……――彼の側にいたいと思います」って言った時がとてもキュートだな~可愛いな~と思った。誉那の√は最初にプレイしたんだけど、天エンドの転生アフターがあまりにも衝撃的かつ性癖すぎて叫んでいました。本当にありがとうございます。あと誉那の√でニルアドでおなじみ、紫鶴さんと笹乞さんの作品が出てきていて、エモすぎた。こういうの良いね。

・東洲斎写楽 (CV.石川界人さん)


享年18歳。生前は浮世絵師として知られている。「江戸っ子は宵越しの銭は持たない」主義の浪費家で、超綺麗好きな主夫。
当たり前ですが(?)、彼が推しです。とても好きでした。飄々としているのにその実はとても繊細で優しくて、多くの人の苦しみを受け止めている。そういう所が本当に好きです。よくよく考えたらこの色気はそうだろうなと納得するしかないんだけど、生前は男娼でまさかの朝右衛門に処刑されていたっていうのが意外すぎた。三瀬川の話が好きだとか意外とロマンチストな面もあってラブだし、「俺にはそんな女なんざ現れなかったが」っていう発言から、意外とそういう女性が現れるのを求めていたのでは……と愛を求める男が好きな私のセンサーが働きました。凜ちゃんが現れて良かったね。結構きわどいシーンも多くあったけど、本命に対しては初心なのか、凜ちゃんの反応に対して、「……危ねぇ、なんだよあの声は。危うく蛮行に及ぶところだったぜ」からの「俺なんかに背負われたら……――可哀相だよな」の流れがあまりにもナイスすれ違いすぎて拝んだし、割とこうやって写楽が一人でもだもだ悩んでいることが多くて好きだった。凜ちゃんが煩悶の糸で苦しんだ時も、「おい!?しっかりしろ、大丈夫か!?俺だな!?俺のせいで苦しいんだよな!?」「悪かった、悪かった!こんな真似させて……!!」って動揺する所も見ることができて個人的には大満足です。朝右衛門、相当強い手練れだから、あんなにさらっと勝つことができて良かったのかと思わないこともないけど、凜ちゃんがいることで写楽の迷いも断ち切れて、「今度こそ、今度こそ……――誰かを守る」って言えたのは本当に強くなった証だと思うし、頑張ったね写楽……となりました。凜ちゃんと両想いになってからは吹っ切れたというか、甘えん坊になるのも、18歳らしくて可愛かった。まあ写楽の気質だと思うけど。生前も含めて今までほとんど甘えることができなかったと思うから、これからは凜ちゃんに好きなだけ甘えるといいと思うよ。あと個人的には写楽の天エンドの転生アフターもとてもとても好きで、年齢が逆転しているのも好きだし、お互い記憶はないけど、美大生写楽が高校生凜ちゃんに「恋人にしてみたくない?」「一目で分かった、俺は絶対に君と逢ってる。そしてきっと、おかしくなるくらい惚れ抜いてた」って口説いていたのあまりにもあまりにも……こんな天才アフターを用意してくれてありがとうございました。この後どうなったのか、FDで描いてくれることを何卒期待しています。

・宇賀菊之助 (CV.斉藤壮馬さん)


享年17歳。生前は大泥棒・弁天小僧として名をはせていた。身体が狼に変化する特殊な煩悩の持ち主で、コスト維持のため大食漢。
いっぱい食べる君が好き!おにぎり頬張るスチル欲しかった。絶対可愛い。菊之助は年相応に素直で可愛くてかと言って恋に対して初心な所もあって、そこがいい。ゲーマーな所もいいよね。しかもそのマカブラが後々問題解決に関わってくるしね。狼になるのもいいよね~。狼スチル見て、もふもふしたくなった。もふもふしたい。妹の薊ちゃんも可愛くて、兄の方じゃなくて凜ちゃんの方に懐いているのウケた(笑)。菊之助は結構凜ちゃんに恋に落ちるのも早い気がして、なんで好きになったんだ?というのがなかったわけではないけど、その分キュンキュンシーンも多くて良かった。割と最初の方から「俺だったら、自分を好きになってくれた子を絶対に泣かせない」っていうことを言ったりしていたし、良かったね~ほんと。凜ちゃんを巡って薊ちゃんと取り合いをするシーンもかなり好きで、「もう消えて!お姉さんはあたしのなんだから褒めないでよ!」「大体、何が『あたしの』なんだよ!いつそんなこと決まった!?」って可愛いね!?ハピエンでわだかまりは解消されたけど、このやりとりずっとやっていてほしい。妹のことも大切だけど、凜ちゃんに関しては譲らない感じとても良い……。ネイルに関して「あれ?爪……元に戻ってる」ってやりとりも好きで、写楽の「何処の新婚だよ、お前ら」のツッコミ最高だった。本当にそれぐらい甘酸っぱい√だったのよね。割と初手から2人ともお互いを意識しているのに、もだもだしているのも良かったですね。もだもだ期が長ければ長いほど良いので……(個人談)。あと、近づくなって言ったそばから「お嬢を……満足させる男がいるの」なんて言っちゃうし、それに対して「満足させて欲しい男なら……――いるわ」っていう凜ちゃんの返答、本当に恋愛初心者ですか?ってぐらい100点満点回答だと思うんだけど。「……何処の、どいつ」ってあんただよー!!と何度言いたくなったことか。話が進むにつれて菊之助の過去も明らかになっていって、「先生に助けてもらった分……」「薊を守ってやれなかった分……」「誰かを助けたいと思ってたのに、俺は結局……誰も助けられてない」っていう弱さを見せてくれたのも関係性が進んでいる感じがしてよかったね。なんだかんだで一番平和的な解決で、薊ちゃんとも和解できてよかったね。「本当に……薊の『義姉さん』になってくれないかな」ってもうプロポーズじゃん……好きでしたね。あと天エンドアフターの「おかえり……俺の人魚姫」はさすがにスタンディングオベーションですね。凜・薊姉妹のやりとりも見たいので、続きください(切実)。

・JacK (CV.古川慎さん)


???歳。動画配信で人気上昇中のシンガーソングライター。作詞作曲以外にも、小説を執筆するなどマルチな才能を見せているが、私生活は謎に包まれている。
いや~もうおもしれえ男でした。それに尽きる。もうなんか色々面白ムーブをかましすぎているかつ次の五右衛門が強すぎて、ぶっちゃけあまり記憶ないんだけど、最初は生者なのかなと思っていたけど、がっつり死者だった。今井綴之丞くん。篁を殺しかけたばかりに、命日に惨い形で殺されて翌日に生き返るっていう、どうしても死ねない呪いをかけられて、てっちゃんはてっちゃんなりに苦しんだと思うけど、いかんせんおもしれえポンコツ男なので、全てがギャグのように見えて…。てっちゃんの√、なぜか一緒に住んでいる皆さんが凜ちゃんに対して過保護になったり、やたらと世話を焼こうとしていたりするのが面白かった。五右衛門はともかく「犯すぞ」って言っていましたよね???って感じだったけど、ちょっと逆ハーレムっぽくて面白かったからいいです。最初は凜ちゃんに対して甘い態度を取っていたくせに、途中途中凜ちゃんのことを突き放したり、かと思えば「僕です。少し話があるので入れてもらえませんか。野蛮な真似はしません」とか、もう色々とてっちゃんの中で揺れ動いていて、面白かった(面白がるな)。絲ノ比丘尼側についた理由も、「……地獄の者を、困らせたくて」だったんだけど、まあてっちゃんからしたら死活問題だもんな。本当凜ちゃんとか阿国様がいてくれて良かったね。「この先、君がどんな恋をしても、僕以上に上手く茶を点てられて、顔も声も性格もいい男はいないからね」っていう言葉にすら、あんなに突き放そうとしてたくせに……ってなっちゃったよ(笑)。目の色が変わるのも何かあるのかと思いきや、カラコンだったという最後まで面白男でした。そしてずっと泣いていた。個人的に天エンドの方が印象に残っていたかな。「僕と君は初めてななんかじゃない!僕は……僕は君を愛していたんだよ!」、「どうかもう一度、僕に恋して」とかとても好きだし、口づけにこだわるのもイチセへの嫉妬とかだったら可愛いなと思ったり。まあ前世でできなかったっていうのもあると思うけどね。という感じで、最初から最後まで面白い男だったなという印象です。

☆総評


オラソワ製作陣の新作ということでプレイしたんだけど、割とにぎやかでおだやかな作品だったなと。敵対する絲ノ比丘尼一味がいるんだけど、敵ながら普通に会えるし、色々助けてくれたりもするし、あまり敵対している感はなかったかな。戦いも割とあっさりめで緊張感は薄めだったと思う。あと、神榁が本当に残念で、あんなにあっさりやられてしまう所が本当に残念だった……。あの憎悪が凜ちゃんに向いてくれたら確実に推しだったんだけどね……。本当に残念なキャラクター……。あと、凜ちゃんに男嫌いっていう設定があったり、攻略キャラクターも割と凜ちゃんに対する反抗心強めだったわりには、個人√に入るとすぐにお互い恋に落ちたりしていたから、もう少し恋愛過程がしっかりめに描かれているといいなと思ったり。まあシナリオ重視というよりはキャラ萌え重視ゲームだったと思うし、オラソワもそんな感じだったので、「まあこの製作陣だったらこんな感じか~」というイメージだったかな。獄ストで一番最高だったのは、天エンドのアフターエピソードよね!個人的に転生ものがとても好きなので、性癖どストライクだった!悲しいだけじゃなくて、また新しい恋が始まる予感があるのとても良かったし、この先も見たいよ~と思わされた。なんとなく続編もありそうだなという終わり方だったので、何卒どうか天エンドアフターのアフターをください!その前にオラソワのFD出してね!

☆攻略順


誉那→菊之助→写楽→JacK→五右衛門

☆CERO


C(15才以上対象)

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