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家の中に虫が入って来た。 暖かくなってきたから、地中から這い出てきたのだろう。 それはわ…
人が話すだけの動画を観るのが好きだ。 何人か集まって話しているのを観るのもいいし、単体で…
我々が着いた時には、その星は既に危篤状態だった。 星が腐敗し始めるまで時間がない、そんな…
彼は、そう、天才かつとても不思議な人だった。 世界中から銃を向けられても不敵に笑っている…
彼女はパーティに呼ばれていなかった。 だから彼女は今日、パーティがあることを知らない。 …
晩御飯も食べ終え、風呂にも入り、部屋着でぬくぬくと居間のソファに陣取ってバラエティ番組を…
あたしには四つ上の姉がいた。 あたしが十の時、姉と一緒に毎夜冥府に連れ去られたことがある。 しかし、それを両親に話しても笑って取り合ってくれなかった。 ただの夢の話だと思っていたのだ。 そしてそれはあたしが無事に成人し終えた今でも、現実のことだったと信じてはいない。 というより、忘れているのだろう。 自分の娘たちが夜な夜な冥府に連れ去られていたことなど。 何故あたしたちが連れ去られていたのかは、今でもわからない。 でも夜に目を閉じて朝に再び目を開けるまでの間、
なんか、クロサイが空輸されてるらしい 研究所の一室で、先輩が健康飲料の紙パックを片手に話…
君は楽園の子供達の話を覚えているだろうか。 覚えている、覚えていた、思い出した。 色々あ…
あの日、業施設は珍しくいつもより人が多かった。 僕と彼女は、はぐれないように手を繋いで店…
僕等は血統というものに縛られている。 片方の親しか知らない僕の場合、それが顕著な気がする…
私は出来るだけ普通に生きていきたいと思っていた。 小中高、大学は短大を出てどこかに就職。…
人間というのは知恵の使い方を間違ってきた生き物だ。 あいつはそんなことを私に言っていた。…
昼休憩を知らせる鐘が鳴ると、彼女が小走りで私のもとへやって来た。 とてもご機嫌な様子だったので、どうしたのかと訊くと声を弾ませて答える。 昨日ね、さいっこうのパン屋さん見つけたの! ちょっと歩くけど一緒に行かない? 好き嫌いの多い彼女が『最高』と言うパン屋、一体どんなパンを売っているのだろう。 気になった私は、二つ返事で彼女の誘いを受けることにした。 確かに会社から少し歩くことにはなったけれど、程なくしてそのパン屋が見えた。 店構えはよくある街のパン屋という感じ