琥珀

ここにあるのは全部わたしの備忘録 忘れたくない感情、肯定してあげたい私への手紙

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ここにあるのは全部わたしの備忘録 忘れたくない感情、肯定してあげたい私への手紙

最近の記事

救われないふたりの物語

車内での別れ話が終わってからその人は、私を家まで送ってくれた。思いの外あっけなく他人に戻った運転手がこちらを見ずに車を発進させたあと、玄関はくぐりたくなかったからそのままお散歩を開始すれば、あれだけ流し切ったはずの涙が溢れた。 《軽く話さない?》 通知を見つけたのは、どうしようもないこの状況に音楽でも聴こうかとスマホを取り出したとき。タイミングがよかったのか悪かったのかはわからない。 ある特別な人からの連絡に私は肯定の返事をして、いつもの場所へと方向転換をした。 ・

    • "生きる理由"なんて

      生きる理由なんて、そんなのさ 明日の空を見たいからって そんなぐらいの軽さでいい 明日は夕陽が綺麗らしいよって 風の噂を聞いたから 確かめるために今日は死なない 本当に、そのぐらい軽くていい 桜が咲くのを今年も見よう、 葉桜って綺麗な色をしてるよね 夏の雲は絵に描いたように壮大で、 夜の涼しさはなんだか優しく肌を撫でる それを感じるために夏になるまで生きていよう 新作のコンビニスイーツまだ買えてないし セブンでおいしいシュークリーム見つけちゃったし 貯金、使い切って

      • HSPの私のすき、きらい

        最近よく耳にする"HSP"という単語。 繊細さん、と言い換えられたりするように、人一倍感受性が豊かで敏感な気質をもつ人のことを意味する。 他人が怒られているとその怒りがまるで自分に向けられているように感じてしまったり、人の些細な変化から嘘を見抜いてしまったり、共感しすぎてしまって相手との心の境界線がわからなくなったり。 私がHSPだと気づいたのは3年ほど前。とある事故のニュースや会見を観て、涙が止まらず過呼吸になったその日。只事ではないとスマホを手に取り検索し、まだその単

        • 強くなりたい私の"本当"

          私は弱い。とにかく弱い。 それから、生きるのが下手くそだ。 些細なことですぐに落ち込むし、自分に向けられたものではないトゲトゲした言葉にだっていちいち傷つくし、自分を責めてばかりだし、そのくせ大丈夫なフリだけは一丁前に上手い。 毎日全力で強くはない心を使っているようで、そんな心はマイナスなものばかりに敏感で。 もう何年も前からずっと、私は周りよりも弱いんだと気づいた時からずっと、強くなりたいと思ってきた。口癖のように繰り返してきた。 それでも相変わらず周りには強いフリ

        救われないふたりの物語

          弱さを見せたある人の夢物語

          人は誰だって強くありたいと願う。 強い人が偉くて弱い人は偉くないと、そんな気持ちが心に眠っているから。 私もそうだった。だった、と過去形にしてはみたけれど、たぶん今だって自分を苦しめるほどの強さへの憧れを消せてはいない。 強くなりたい。強くならなきゃ。弱いままの自分は嫌だ。嫌いだ。どうしてこんなことで落ち込むのか。どうしてこの程度のことを笑って流せないのか。なんで、どうして。 憧れを持つことは悪いことじゃない。意欲が生まれ、希望が生まれ、頑張る活力にもなる。でも、私の場

          弱さを見せたある人の夢物語

          受験生だった頃のわたしへ

          今どんな思いで勉強と向き合っていますか? 楽しいですか?焦っていますか? それとも、怖いですか? 今の私もあまり変わってはいないけど、あの頃の私はそれはそれは弱虫で、感情はコロコロ変わったし、不安や恐怖に押しつぶされそうになることも数え切れないほどあったよね。毎月初日は時の流れを鮮明に感じられて、夜中で一人大泣きしたりもしたね。 周りの子はもっと頑張ってるのに私はなにも手をつけられない日もあった。机に向かわない日さえあった。頑張れてないって思うならやればいいのに、それでも

          受験生だった頃のわたしへ