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メルカリで買えたもの


はじまり

韓国語に出会ったのはもう22年も前だ。
2002年冬。

たまたま流れたあるドラマの予告で登場した男性に
目が釘付けになった。
日韓ワールドカップ開催を記念して製作された日韓合作ドラマ。

絶対観る!

当時はいまのようにいつでもどこでも好きな番組が観れる時代では
なかった。放送日をメモして当日はテレビの前で待った。

そのドラマで知った隣の国のこと。
徴兵制度や日本との歴史問題、初めて韓国という国を意識した瞬間だった。

と同時に韓国語の音の美しさに惹かれた。

「この言葉でいつかあの人と話したい」

その頃はまだ「推し」という言葉こそなかったものの、わたしのいまの人生の原点はそこにあった。

遅れてきた推し活

そんなわけではじまった韓国語学習だったが、いつの間にか「元祖推し」は
テレビから姿を消し、わたしのもとには韓国語だけが残った。

もともと何事も突き詰めないタイプだ。
音楽にも芸能にも疎く、推し活とは無縁の時間が20年近く流れた。

しかし2年前、突然、とあるグループの魅力に気づき、わたしの遅れた推し活が始まった。

非常にゆるくマイペースではある。しかし、飽きっぽいわたしが、何度も同じMVを観て、100均で推し活グッズコーナーに足を踏み入れ、応援うちわまで作ったのだ。

ライブチケットは残念ながらどうにも手に入れられなったが、推しメンバーのファンミにはもう3回も足を運んだ。「推し活をしている」という充実感と「推しは尊い」という言葉の意味を理解した。

そう、わたしの韓国語人生に小さな革命が起きたのだ。

たった一つの後悔

普段、過去は振り返らない。でも最近1度だけ後悔をした。

調べものをしていたら、偶然、彼らが「NHKハングル講座」に出演していたという事実を知ったのだ。

その当時、すでに韓国語初級は終了していたわたし。ハングル講座を観たことはなく、彼らのグループ名は知っていたものの、魅力に気づいてなかったため、完全にノーマークだった。

あぁ……観たかった。あの頃、彼らの魅力に気づいていれば……。

なんともいえない後悔。
彼らの歴史を一緒に歩んでくることはできなかったけど
これからを応援できればいいと思っていた。でも……やっぱり遅かった。

時を戻せたら……。

時を取り戻す方法

ふと思いついた。

もしかしたら、あそこにならあるかもしれない!
当時の彼らの姿が見たい。

目にすることのできなかったあの時のハングル講座を
観たい!

焦る思いで検索する。

あった!

彼らの姿がそこにあった。

お財布事情から手に入れられたのは当時のテキストのみ。「観る」は実現していないが「見る」ことは実現したのだ。

「推しと韓国語を学ぶ」

うらやましく思っていたこの学習法。
わたしにはもう叶わないと思っていた夢。

でも、今度は韓国語講師として、また1から韓国語を学ぼう。
彼らと一緒に。

メルカリには、知らずに通り過ぎてしまった時間まで売っていた。
叶えられなかった過去が遅れてやってきた。

捨てる神あれば拾う神あり。
いまでは手に入れられない貴重なもの、手放してくれてありがとう。

次に狙うはDVD!


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