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2. まず先人の研究を探す

前回は、フツウの大人が「研究」のようなことを始めると、大人の人生は楽しく、意味のあるものになるだろうということを書きました。

つまるところ、現場で「この現象は何なんだろう」とか、「いったいどうしてこのようになるんだろう」と疑問に思ったことはすべて研究のトピックになります。そこから「おとなの研究」がスタートします。

なんでも研究のトピックになるのですが、面白そうなトピックについては、先人たちが研究を積み重ねているはずです。まったく新しい研究トピックというものはほとんど存在しません。あなたが「おや?」と思った研究トピックは、必ず誰かが同じように「おや?」と思っているはずなのです。

したがって、研究トピックが決まったあとは、必ず先人たちの研究を探す仕事になります。その時に使うのが「Google Scholar」です。このページに書いてある「巨人の肩の上に立つ」とは、先人たちの研究の積み重ねの上に立つことで遠くを見渡すことができるという意味です。

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このサイトは一般的な検索ではなく、学術的な論文や書籍に限定して検索をしてくれます。たとえば「アドラー心理学 劣等感」というキーワードを入力して検索をかけると、次のような文献をしめしてくれます。

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この1件目の「共同体感覚尺度の作成」は『教育心理学研究』という学術雑誌に載った論文です。また2件目の『勇気づけの心理学』は書籍です。このように、書籍であってもその内容の一部がスキャンされて当該のページを読むことができるようになっています。

学術雑誌の論文や学術文献は読むのが難しいと思われがちですが、形式が決まっているので、逆に、読むのは簡単なのです。センセーショナルな言い回しや小説のような面白さはありませんが、自分が興味を持ったトピックが、研究という枠組みの中でどのように取り扱われているかを知ることができます

トピックは単なる思いつきに過ぎません。しかし、これが研究という文脈の中でどのように取り扱われてかを調べることによって、自分の研究トピックのスタート地点になるのです。

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普通の大人が「研究」のようなことを始めると、大人の人生は楽しく、意味のあるものになるかもしれない。そういう人たちが増えていくと、社会は全体…

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