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1. おとなの研究を始めよう:この講座について

「おとなの研究」ってなんでしょうか?

普通の大人が「研究」のようなことを始めると、大人の人生は楽しく、意味のあるものになるかもしれない。そういう人たちが増えていくと、社会は全体としてより良くなっていくんじゃないかな。

こんなことを考えているのです。これが、この講座を開いたきっかけです。

大人は必ず自分の「現場」を持っています。そして、その現場では必ず問題やトラブルが起こっています。仕事の問題、そこにいる人同士の協力とコミュニケーションの問題、非効率的なこと、マンネリになっていること、不満を抱えていること、クレームを受けていること、こうした頭を悩ませるすべてのことが研究のネタとして見えてきます。これがおとなの研究の視点です。

研究って、普通の人ができるものなの?」と思う人もいるかもしれませんね。

私は自分の仕事として、いろいろなところで講演やワークショップをします。そこでは専門家や研究者として、さまざまな質問をもらい、それに答えます。私は質問に対して自分の知っている範囲で答えるわけですが、知らないこともあるし、現在の段階の研究としては明らかになっていないこともたくさんあります。つまり、専門家や研究者は絶対の存在ではありません。

大人は自分の現場を持っていることが何よりの強みなのです。

インターネットの恩恵で、普通の人が入手できるデータやエビデンスはそれこそたくさん溢れています。ですからその範囲においては、インターネットを使える普通の人も専門家もまったく同じ立場なのです。そうなると、データの読み取り方やそこからロジカルに議論と主張を展開する方法といった技能やリテラシーを、少しの努力で身につけるかどうかの違いだけなのです。

問題が起こっている場として自分の現場を捉えていく視点を持つことが、おとなの研究者です。そうすれば、「おとなの研究」は現場の問題を解決したり、改善したりすることに役立ちます。

そんなところからこの講座を始めてみようかなと思っています。おつきあいいただければうれしいです。

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