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(119) 『こころの資本』が書かれたことの意味

2021年2月28日(日)

2月6日と13日の土曜日に2週連続の講座として「社会情動スキルを身につける:アドラー心理学をベースにして」を開催しました。早稲田大学エクステンションセンター企画でした。

今回の講座の元ネタとなっているのは、ルーサンス他『こころの資本:心理的資本とその展開』(中央経済社, 2020)という本です。

人の能力は、おおきく「人的資本(Human Capital)」と「人間関係資本(Social Capital)」に分けることができます。人的資本というのは、その人個人が、どんなことを知っていて(知識)、それを使ってどんなことができるか(スキル)ということです。一方、人間関係資本(あるいは社会関係資本、社会的資本)とは、ひとりの個人としてではなく、その人が他の人とどのようにつながっていて(人脈、人的ネットワーク)、その中でどのように動き、協力し、成果を生み出せるか(チームワーク)ということです。

そして、人的資本と人間関係資本を支えるのが、この本の主題である「心理的資本(Psychological Capital)」です。Psychological Capitalを略してPsy.Cap.(サイキャップ)と呼んでいます。この本では、心理的資本を4つの能力として捉えています。それは、Hope(達成への意志と経路)、Efficacy(効力感と自信)、Resilience(立ち直し乗り越える力)、Optimism(現実的で柔軟な楽観主義)です。この4つの頭文字をとって「HERO」とすると覚えやすいです。

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