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020 [おとなの学び] 先生やコーチについて学ぶときの心がけ

どんなことを学ぶのでも、良い先生やコーチを見つけて、その人から学ぶのが一番の早道です。先生やコーチについて何かを学ぶときには、自分の心がけひとつでそれが有益なものになるか、それともまったく無駄な時間になるかが決まります。

以下の文章では、テニスの例をとって話題をスタートしています。でも、ここに書いたことはテニスに限らず、先生やコーチについて何かを学ぶときに、その時間をいかに有益なものにできるかということに拡張できると思います。ぜひ役立ててください。

・お金を払えば自分の自由にして良いということではない

もう10年ほど近くのテニススクールに通っています。「教える」ことが自分の仕事である私にとって、テニスをコーチに「習う」体験は、自分の教え方を考える上でも貴重な材料になっています。

テニスのルールはとてもシンプルです。ボールをワンバウンド以内で打ち合って、ネットを越えて相手のコート内に入れればいいのです。しかし、その打ち方にバリエーションがあります。コーチによると「42種類の打ち方がある」と言います(たぶんコーチのジョークだと思います)。

スクールに行ってコーチに学ぶということはつまるところ、この42種類の打ち方をマスターするということに他なりません。ボールのスピード、回転、バウンドする位置によって、柔軟に打ち方を選択できるレパートリーがあることが「上達する」ということなのです。

コーチにつかずに仲間内だけでやっている人が上達しないのは、自分にとって一番楽な打ち方しかしないからです。そうするとレパートリーは広がらずそこで固定します。時間つぶしや単なる社交のためにやるのはいいと思いますが、上達するという最も素晴らしい楽しみは望めません。

何かを「習う・学ぶ」ということは、自分のレパートリーを増やすことです。そのためにお金を払ってコーチや先生につくわけです。なのにコーチや先生のいうことを聞かない人が多いのにも驚かされます。そういう人はきっと「お金を払えば、私の自由にしていいんだ」という考えなのだと思います。

そういう人は、お金を払うということはコーチや先生へのリスペクトであること、そしてコーチや先生についたらその人の教えに従う義務が発生するということを理解していないのです。お金を払えば自分の自由にして良いという考え方の人は、コーチや先生につくべきではありません。自分一人でやれば良いのです。それならお金もかかりません。

・構造化されたプログラム

テニススクールのレッスン時間はどこでもだいたい同じだと思いますが、90分です。この90分間の間にどんなことをするのかというプログラムを考えるのがコーチの仕事の中心部分です。

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