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みんなの前で話す技術

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現代では、誰もがみんなの前で話す機会がやってきます。喫茶店でのおしゃべりから、少人数での打ち合わせやミーティング、公式・非公式な会議や会合など。また、テーマの決まった講演やプレゼ…
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#みんなの前で話す技術

【みんなの前で話す技術】(12) 普段のおしゃべりも練習の機会になる【最終回】

今回で最終回です。 この連載講座ではこの「みんなの前で話す技術」について考えてきました。これまでに以下のようなトピックについて書いてきました。 おとなの"Show and Tell" 「これについて聞いてほしい!」ということがあれば話すのが楽しくなる 15分で一区切り 15分話したら別の活動を入れる 前置きなしに本題に入る「結論ファースト」 原稿なしで話す。プロットは作る 聞き手の目線で話す 質問は直接受けずに質問カードを使う 話の最小構造は「問題-主張-

【みんなの前で話す技術】(11) 話の補助としてのスライドの作り方

前回はなんらかの構造を持った話をするときには、スライドを作るのが良いということを言いました。スライドは、話し手の台本となり、聞き手のガイドマップにもなり、事後の資料として残るという3つのご利益があるからです。 ではそのようなスライドを作るにはどうしたらいいでしょうか。話の補助となるスライドは、次のように作るのがポイントです。

【みんなの前で話す技術】(10) スライドを使う

短いスピーチ以上であればスライドを使う挨拶などの短いスピーチではスライドを使う必要はありません。しかし、それ以上の長さのなんらかの構造を持った話をする場合は、可能な限りスライドを使うことをお勧めします。スライドには次のような効用があります。 話し手の台本となる 聞き手のマップとなる 話した内容の資料として残る

【みんなの前で話す技術】(9) 話の最小構造は「問題設定-主張-データ-結論」

まず主張があるみんなの前で話すときには、必ず話し手が聞き手に対して伝えたいこと、訴えたいことがあります。これを主張 (claim) と呼びます。主張のない話は「楽しいおしゃべり」となります。それは「みんなの前で話す」という形式が不要なものです。逆に言えば、何らかの主張があるからこそ、みんなの前で話すという形式になるのです。

【みんなの前で話す技術】(8) 質問は直接受けずに質問カードを使う

質疑応答の時間をとる自分の話が一通り終わると、たいていは聴衆からの質問を受ける時間があります。初めから質疑応答のための時間がとってあることもありますし、自分の話を短めに切り上げて残りの時間を質疑に当てる場合もあります。いずれにしても質疑応答の機会はあります。

【みんなの前で話す技術】(7) 聞き手の目線で話す

前回は「プロットを作り、原稿なしで話す」ということを言いました。今回は「聞き手の目線で話す」ということを言いたいと思います。 「原稿なしで話す」ことの意味この連載では「話す技術」について書いていますが、本当は文章を書くことが私の仕事の中心です。ですから本心としては私の書いた書籍やWeb上の記事を読んでほしいのです。たぶん、皆さんが知りたいことはほとんどそこに書いてあるんじゃないかなと思います。また、そう思うからこそ時間を割いて文章を書くのです。

【みんなの前で話す技術】(6) 原稿ではなくプロットを作ろう

前回は「前置きなしに本題に入る」ということを言いました。今回は「原稿なしで話す」ということを言いたいと思います。 原稿を読むと聴衆は寝るあらかじめ時間の決まった話を依頼されると、自分用の原稿を作って、それにしたがって話そうとする人もいると思います。話のための原稿を書くことそれ自体は問題はありません。しかし、話すときに原稿を読むのはダメです。

【みんなの前で話す技術】(5) 前置きなしに本題に入る「結論ファースト」

前回は、15分の話を一区切りとして、話の続きはあるとしても、そこで何か別の活動を聞いている人にしてもらうといいということを言いました。別の活動というのは、質問カードを書いてもらったり、隣の人と組んでペアトークをしてもらったりすることです。いずれの活動でも2、3分で十分です。長い時間を取る必要はありません。話を聞くということから別の活動をすることでリフレッシュして集中力が回復することを目的としているからです。 ジャンケンやサイコロを使う私の講演会では、グループで話すときは順番

【みんなの前で話す技術】(4) 15分話したら別の活動を入れる

前回は、15分の話を一区切りとすると良いことを言いました。それくらいの長さであれば、聞き手は集中力を維持することができるからです。20分を超えると、どんなに面白い話でも集中力が切れて、飽きてきます。 質問カードを使ってみるでは15分でひとまとまりの話をしたとして、次は何をするのか。人の話を聞くという活動が別の活動に変わればなんでもOKです。たとえば、ここで一息入れて「質問カード」に質問を書いてもらうのはどうでしょう。手を挙げて質問するのはなかなかできませんが、話を聞いて疑問

【みんなの前で話す技術】(3) 15分で一区切りする

前回は、自分が聞いてほしいと思っている内容を、相手が聞いて面白く思ってもらえるような形にすることが「みんなの前で話す技術」だということを説明しました。 (1) 話し手が「これについて聞いてほしい!」という内容を持っていること  ↓ 【みんなの前で話す技術】  (2) それを聞いている人が面白そうに聞いていること これから「みんなの前で話す技術」の具体的な方法について説明していきたいと思います。今回は「15分で一区切りする」という技術です。 15分を1つの区切りとして考え

【みんなの前で話す技術】(2) 「これについて聞いてほしい!」ということがまず最初にある

子どもは楽しそうに話している前回はこの連載で「おとなの Show and Tell」をやっていきたいということを言いました。幼稚園の子どもが Show and Tell をやっている様子は、YouTubeを検索して見ることができます。みんなすごく楽しそうに話していますね。なぜ楽しそうに話しているのかというと「このお人形について聞いてほしい!」「このオモチャのパトカーについて聞いてほしい!」という気持ちがあって、Show and Tell の時間にそれがかなえられるからなんだと

【みんなの前で話す技術】(1) おとなの"Show and Tell"

みんなの前で話す技術とは何かこの講座に「みんなの前で話す技術」というタイトルをつけてみました。「みんな」というのはどれくらいの人数なのでしょうか。多いところでは数百人、少ないところでは3人くらいの人数を想定しています。 私は大学の授業で100人とか200人くらいのクラスを持って、その人たちの前で話しています。定期的に大勢の人の前で話す機会があるのは、教員や研修講師といった職業についている人でしょう。しかし、こうした職業についていない人でも、3人とか5人くらいの人の前で話をす